あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(411~415)

◆『現実は小説より奇(ス)なり』◆

 

 GWということでお家デートをすることになった黒猫燦と立花アスカ。

 

 

 

「映画たのしみだね」

 

 

アスカ

「はい! 事前に調べた感じだと、けっこう評判も良いみたいですし。どんな内容なのか楽しみです!」

 

 

「じゃあ、映画の準備するからちょっと待ってて」

 

 

アスカ

「では、私はポップコーンとコーラの用意をしておきますね」

 

 

「うん、ありがと!」

 

 

アスカ

「あは、どう致しまして」

 

 

 

 視聴準備を終えた二人は、ポップコーンの容器を間に挟んでソファーに腰かける。

 

 そうして映画を見始めてしばらく経ち、物語が終盤に差し掛かった頃。

 

 

 

「……あっ」

 

 

アスカ

「キスシーン、だね」

 

 

「うん……あっ」

 

 

 

 気まずさからポップコーンへと伸ばした燦の手が、同じく誤魔化すようにポップコーンへと伸ばしたアスカの手へと触れる。

 

 

 

アスカ

「……せっかくのお家デートなんだもん。外じゃできないような特別なこと、してみたいな」

 

 

「アスカちゃん。それって……」

 

 

 

 ポップコーンを掴むのを忘れて行き場を無くしていた燦の手を、アスカの手がぎゅっと――いわゆる恋人繋ぎになるように――握る。

 

 

 

アスカ

「燦ちゃん」

 

 

「アスカちゃん」

 

 

 

 熱を帯びた声でお互いの名前を呼び合うと、そのまま二人の距離が近づいていき、そして……

 

 

 

アスカ

「燦ちゃん、ちょっといいですか?」

 

 

「にゃっ!?」

 

 

アスカ

「あ、ごめんなさい。急にノックして、びっくりさせちゃったよね」

 

 

「だ、大丈夫。ちょっと部屋でぼーっとしてただけだから!」

 

 

アスカ

「そうですか。でも、本当に大丈夫? なんだか顔が赤いけど……」

 

 

「あ、いやそれは……(い、言えない。私とアスカちゃんがにゃんにゃんする小説(意味深)を読んでたなんて絶対に言えない!)」

 

 

アスカ

「あ、もしかして……」

 

 

「っ~~~!?!?!?」

 

 

アスカ

「よかった。うん、熱はないみたいだね。けど、ちょっとだけおでこが火照ってるかな?」

 

 

「ぁ、え?」

 

 

アスカ

「念のため風邪に効くお薬持ってくるから、お布団に入って、温かくして待っててくださいね」

 

 

「あっうん。………………あうぅ~。心配してくれただけなのに、キスされるって勘違いするなんて……。しばらくアスカちゃんの顔、まともに見れないよ」

 

 

アスカ

「お待たせしました。どうですか? お薬飲めそう?」

 

 

「うっ。今はちょっと……」

 

 

アスカ

「そっか。……じゃあ、その代わりに、元気の出るおまじないしてあげるね。燦ちゃん、こっち向いて?」

 

 

「アスカちゃん? えと、今はちょっ、ぁ……」

 

 

アスカ

「お布団で隠してたから、おでこにしかできなかったけど……。どうですか? 元気、出た?」

 

 

「……んっ。……すごく出た」

 

 

アスカ

「あは、それならよかったです!」

 

 

 

 

 

◆『ええんやで』◆

 

「今日は急遽配信内容を変更して、母の日ということで、アスカちゃんにプレゼントする似顔絵を描きます」

 

 

『こんばんにゃー』

『そう言えば母の日だっけ』

『アスカちゃんはママだった???』

『似顔絵は止めた方が……』

『似顔絵のプレゼントって子供か! いや、子供だったな』

『いやがらせやめなー』

 

 

「いやがらせじゃないんだが!? 母の日のプレゼントって言ってるよね!」

 

 

『だって、ねぇ?』

『画伯』

『大人しくカーネーションにしとけ』

『黒猫の絵は燃えるゴミだから』

『そもそもなんで絵なの?』

 

 

「絵を選んだ理由? 形が残るものだし、手作りだから気持ちがこもってるし。あとなにより用意するのが簡単!」

 

 

『あ、そういう』

『最後のが本音だろw』

『母の日ってこと忘れてたな』

『気持ちどこいった』

『さいてー』

 

 

「あぁーもう、うるさいうるさいうるさ~い! あっ、ほらさっそく線がズレたじゃん。あぁーあ。お前らのせいで下手くそな絵になっちゃった。アスカちゃん悲しむなー」

 

 

『え?』

『は?』

『※下手なのはもとからです』

『他人のせいにするのやめてもろて』

『でも、アスカちゃんなら、黒猫からのプレゼントならゴミでも喜びそう』

『文句言うならそもそも配信外でやれよ』

 

 

「う~ん、こんな感じかな? ……よし」

 

 

『よし、じゃねーから』

『あごから腕が生えてて草』

『今日はホラー配信だった?』

『ママ―こわいよー』

『服着せてもろて』

『これはえちち……くない』

『なんで手にちくわ持ってるの?』

『小学生の版画でリコーダー吹いてるやつ』

 

 

「カーネーションだよ!?」

 

 

『え?』

『うねってるけど』

『俺の知ってるカーネーションじゃない』

『これは画伯』

『カーネーション曲げないでもろて』

『や、躍動感?はあるから……』

『最終判決はアスカちゃんに任せよう』

『なんて言うのか、報告楽しみだな』

 

 

「ぐぬぬ。お前ら、あとで絶対謝らせてやるからな」

 

 

 

……

…………

………………

 

 

 

「アスカちゃん、いつもありがとう! これ母の日のプレゼント!」

 

 

アスカ

「え、母の日? そんな、まだ早いよ燦ちゃん……」

 

 

「まだ早い??? よく分からないけど、これ受け取って!」

 

 

アスカ

「はい。ふふっなんだろう。えっと、これは絵ですか? わぁ、ありがとうございます!」

 

 

「そうだよ。アスカちゃんに喜んで欲しくて描いたんだよ。ねぇねぇ、これ何の絵だと思う?」

 

 

アスカ

「え!? えっと、これはですね。んーっと、私の似顔絵かな?」

 

 

「正解! さっすがアスカちゃん!!! じゃあ、この手に持ってるのが何か分かる?」

 

 

アスカ

「そうですね。う~ん、ちくわ」

 

 

「え?」

 

 

アスカ

「と見せかけて、これはカーネーションだよね。素敵な絵をありがとう燦ちゃん。大切にするね」

 

 

「うんっ! アスカちゃん大好き!」

 

 

アスカ

「わっ!? もー、急に抱き着いてきたら危ないよ。あはっ、よしよし」

 

 

「えへへっ!」

 

 

アスカ

「(ふぅ、よかった。燦ちゃんを悲しませずに済んで。でも、燦ちゃんのリスナーさんには悪いことをしちゃったかな? けど、ネタバレ禁止って書いてなかったし……いいよね?)」

 

 

 

 

 

◆『寝耳に水、寝口に……』◆

 

「うぅ~、酷い目に遭った」

 

 

アスカ

「大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫じゃないよ、もう。罰ゲームがあるなんて聞いてなかったし、罰ゲームに激辛カップラーメン選んだやつ絶対に許さないからな!」

 

 

アスカ

「まぁまぁ。リスナーのみなさんも、悪気は……少ししかなかったと思いますし」

 

 

「いや、あるんかい! ……はぁ。まだ舌は痛いし、唇の感覚はほとんどないしほんと最悪。なんか話すのもしんどいから今日は休むね」

 

 

アスカ

「はい、お大事に。お休みなさい燦ちゃん」

 

 

「おやすみアスカちゃん」

 

 

 

……

…………

………………

 

 

 

アスカ

「……燦ちゃん?」

 

 

「すぅ、すぅ」

 

 

アスカ

「よかった。ちゃんと眠れてるみたいで」

 

 

「むにゅんにゅ……。アスカちゃん、甘いもの……」

 

 

アスカ

「くすっ。よっぽど辛かったんだね。だから、夢でまで甘いものが欲しいのかな? んー、そうだ。……寝てる、よね?」

 

 

「んっ……?」

 

 

アスカ

「あは、流石に辛くないか。……おやすみ、燦ちゃん」

 

 

「えへへ、あまあま……」

 

 

 

 

 

◆『バBANバBANBANBAN』◆

 

アスカ

『もしもし、燦ちゃん?』

 

 

「もしもしアスカちゃん。どうしたの?」

 

 

アスカ

『良かったら次の日曜日にコラボしませんか?』

 

 

「コラボ? いいよ。なにする?」

 

 

アスカ

『そうですね。じゃあ、――ボなんて――か?』

 

 

「え、なんて? よく聞こえなかったからもう一回お願い」

 

 

アスカ

『あれ、電波が悪いのかな? では、もう一回言いますね。おふ――ラボでゆっくりお話しませんか?』

 

 

「(オフコラボでお話?)うん、いいよ」

 

 

アスカ

『えへへ、やった! じゃあ、日曜日はお風呂セットを持って燦ちゃんのお家にいきますね!』

 

 

「(お風呂セット? 配信後にそのままお泊りするのかな?)あっうん、分かった。コラボ楽しみだね」

 

 

アスカ

『はい!(あは、お風呂コラボたのしみです!)』

 

 

 

 

 

◆『そこに私はいません。百合の間に挟まってなんかいません』◆

 

「こんアス猫。今日はアスカちゃんとオフコラボをします」

 

 

アスカ

「よろしくお願いします」

 

 

『こんアス猫~』

『こんアス猫ってなに?』

『急に新しい挨拶しないでもろて』

『オフコラボだー!!!』

『ねぇ、お風呂は?』

 

 

「お風呂はありませーん。残念でした」

 

 

『は?』

『低評価押しました』

『見損なったぞ』

『さてはお前偽物だな』

『やだやだやだ』

 

 

「お前ら子供か! いや、いくら駄々をこねても、お風呂配信はミャーチューブにBANされるから無理なの」

 

 

アスカ

「そうですよね。水音とかに厳しいみたいですし。お風呂配信はつぶやいたーのスペースでやろっか」

 

 

「うんうん。アスカちゃんもこう言ってることだし、このあとスペースでお風呂配信を……って、いやいやいや。しないから!?」

 

 

『ちっ』

『もう少しで言質とれたのに』

『おしい』

『アスカちゃんかわいそうだろ』

『淫猫じゃない黒猫は黒猫に非ず』

『なんでだめなの?』

 

 

「なんでって……。それは……」

 

 

アスカ

「燦ちゃん?」

 

 

「……好きなんだもん。……独り占めしたいじゃん」

 

 

アスカ

「っ~~~!? えへっ、えへへ。うん、じゃあしょうがないよね。お風呂は二人っきりで、ね?」

 

 

「うん!」

 

 

『なんて?』

『ミュートすな!』

『アスカにっこにこやん』

『距離近くない?』

『キスしてたりして』

『えちちちちっ(お風呂が沸きました』

『で、お風呂は!』

『百合の邪魔をしたらだめだぞ。俺らは黙っててぇてぇの供給を待つしかないんや』

『せやな。じゃあ、お風呂の壁になって待つわ』

『いや、さり気なく覗こうとすなw』

 

 

 

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