あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(421~425)

◆『節電中』◆

 

「今年の夏は節電しないといけないんだって。みんなはなにか節電対策してる?」

 

 

『エアコンの設定温度上げた』

『じゃあ黒猫の配信見るの止めようかな』

『節電対策で全裸になってるよ』

『エアコンのフィルター掃除した』

『扇風機使ってる』

『黒猫はなにかしてる?』

 

 

「私? うーん、そうだなぁ。……あれ、よくよく考えたら特にしてないかも」

 

 

『節電しろ!』

『協力してもろて』

『炎上しても火力発電の代わりにはならないんだぞ』

『今日から自家発電しよう』

『自家発電(意味深』

 

 

「あーもう、分かったから。節電すればいいんでしょ。……よし。じゃあ、節電のために配信止めよっか」

 

 

『ごめんって』

『やめないで』

『それは困る』

『24時間配信しろ』

『それを止めるなんてとんでもない』

 

 

「人がせっかく節電に協力しようとしてるのに文句多くない? てか、お前ら私のこと好き過ぎじゃん」

 

 

『すすす好きじゃねーし!』

『勘違い乙』

『黒猫のことなんて全然好きじゃないんだからね!』

『違うもん! ちょっとお熱なだけだもん!』

『クーラー消して配信見てたらぼーっとしてきた。これってもしかして……恋?』

 

 

「いや、違うでしょ。てか、ほんとに大丈夫? 熱中症か?」

 

 

『ねぇチューしようか!?』

『あ、結構です』

『チェンジで』

『不特定多数の人にそういうこと言うの、よくないと思います』立花アスカ✓

『キス助からない』

 

 

「言ってないんだが!? てか、せめてそこは助かれよ! 推しのキスだろ!? ほら、ちゅっちゅー」

 

 

『おぇ』

『急にマヨネーズ吸わないでもろて』

『舌打ち助からない』

『低評価2回押した』

『推しじゃないんで結構です』

『アスカちゃん、黒猫が浮気してるよー』

『鳥肌立ったんだが!』

『うっ、急に寒気が……』

『節電対策できてえらい!』

『草』

 

 

 

 

 

◆『おわかりいただけただろうか?』◆

 

アスカ

「そうなんですよ。つい最近も、燦ちゃんったら鼻にアイスつけたまま遊びに来て……」

 

 

『草』

『恥ずかしい女』

『アスねこ助かる』

『何の音?』

『唸り声みたいの聞こえる』

 

 

アスカ

「音ですか? 私には聞こえませんが……?」

 

 

『聞こえるって』

『……猫?』

『幽霊じゃね?』

『え、マジ』

『俺はたすけて?みたいな声が聞こえたけど』

『なんかヤバくない?』

 

 

アスカ

「んー、おかしいな? すみません、ちょっと待っててくださいね」

 

 

『はーい』

『ミュートしたら聞こえなくなったな』

『大丈夫かな?』

『ガクガクブルブル』

『アスカ愛してる』

 

 

アスカ

「……ただいまー。お待たせしました」

 

 

『おかえり』

『どうだった?』

『お祓い行こう』

『幽霊に変なことされなかった?』

『幽霊こわい』

 

 

アスカ

「心配かけてすみません。確認しましたが、先ほどの音は幽霊さんの仕業とかではないので、あまり気にしないで頂けると助かります」

 

 

『よかった』

『じゃあさっきの声は一体……』

『どうせ近所の盛った猫の鳴き声だろ』

『猫と言えば、黒猫って長期休暇取ってたけどここ数日音沙汰ないよね』

『アスカが最近お家デートしたって言ってたぞ』

『ん? いや、考え過ぎか……』

 

 

アスカ

「あはは、どうやらバレちゃってるみたいだから話しますね。実は最近、燦ちゃんにそっくりな仔猫を飼い始めたんです! 今はちょっとやんちゃな時期みたいなので、もう少し状況が落ち着いて懐いてくれたらみなさんにも紹介しますね」

 

 

『おー、猫飼ったんだ』

『……その猫って黒猫だったりしないよね?』

『黒猫の失踪、猫を飼い始めたアスカ……なるほど』

『謎はすべて解けた!』

『黒猫……お前……もしかして監きn(この後の文字は擦れていて読めない』

『お、お泊りしてるだけだから(震え声』

『いつの間に意味が分かると怖い話になってたんだよ』

『やっぱホラーじゃん!』

 

 

アスカ

「???」

 

 

 

 

 

◆『見つかっちゃったね』◆

 

アスカ

「お買い物に付き合ってくれてありがとうございます」

 

 

「どう致しまして。どうせ暇だったし、デートみたいで楽しかったよ」

 

 

アスカ

「あは、それなら良かった。あ、ちょうど公園があるので少し休んでいきませんか?」

 

 

「うん、そうしよっか」

 

 

子供

「もーいーかい」

 

 

子供

「まーだだよ」

 

 

アスカ

「ふふっ、微笑ましいですね。かくれんぼ、懐かしいな」

 

 

「だねー。かくれんぼなんて幼稚園の頃以来かな?」

 

 

アスカ

「そうなの? 小学校の休み時間にみんなでしませんでしたか?」

 

 

「あー、その……、誘われなかったから……」

 

 

アスカ

「あっ」

 

 

「……」

 

 

アスカ

「えっと……。あっでも、今は私がいますし、だからその……。それじゃ……だめかな?」

 

 

「……だめ、じゃないよ」

 

 

アスカ

「燦ちゃん……」

 

 

「アスカちゃん……。目、閉じて」

 

 

アスカ

「……うん」

 

 

「ん……」

 

 

アスカ

「……むぅ~。……ほっぺだけで、いいの?」

 

 

「え、だっだって公園だし……」

 

 

アスカ

「……ほんとにもーいいの? まだなら……その……」

 

 

「う、うぅ~。……じゃあ、もう一回だけ……」

 

 

アスカ

「んっ……」

 

 

子供

「おねえちゃんたち、なにしてるの?」

 

 

アスカ

「ひゃっ!?」

 

 

「にゃ!? えとえと、これはその……」

 

 

アスカ

「め、目にゴミが入っちゃって見て貰ってたの! ね、燦ちゃん!」

 

 

「う、うん! そそそそうだよ!」

 

 

子供

「ふーん」

 

 

子供

「あー! みーつけた!」

 

 

子供

「わっ、みつかっちゃったー! おねえちゃんたち、じゃあね~」

 

 

「あ、行っちゃった……。はぁ、せっかくいいところだったのに……」

 

 

アスカ

「あはは、……私たちも見つかっちゃったね」

 

 

「う、うん……。だね」

 

 

アスカ

「……続きは」

 

 

「え?」

 

 

アスカ

「続きは……、その……、見つからない場所で。……ね?」

 

 

「……うん」

 

 

 

 

 

◆『がっつりいこう』◆

 

アスカ

「マンネリ解消、方法……、あ、これなら……。うーんでも……」

 

 

「(アスカちゃん? スマホを見ながらなにか悩んでるみたいだけどどうしたのかな?)」

 

 

アスカ

「バード……、フレンチ……、あとはその流れで……えへへっ」

 

 

「(バード? フレンチ? 夜ご飯で悩んでるのかな?)アスカちゃん!」

 

 

アスカ

「ひゃっ!? さ、燦ちゃん。いつからそこに!?」

 

 

「いつからって、えっと、ちょっと前くらい?」

 

 

アスカ

「そ、そうですか。あ、あの……もしかして……聞いてましたか?」

 

 

「うん、全部じゃないけどね」

 

 

アスカ

「はあぅ……。あ、あれは……その、違くて……。き、嫌いになった?」

 

 

「え、なんで?」

 

 

アスカ

「だって、その……」

 

 

「(あ、もしかして食い意地張ってるように見えたことを気にしてるのかな?)別に気にしなくていいのに。私もちょうどがっつり食べたかったんだよね」

 

 

アスカ

「が、がっつり食べる!? さ、燦ちゃん。そ、そんな、急に言われても……準備が……」

 

 

「(準備? あぁ、急に言われても材料の準備できてないもんね)じゃあ今すぐ準備しよ。それならがっつり系でもいいよね?」

 

 

アスカ

「あ、あぅ……。お、……お手柔らかに、お願いしましゅ」

 

 

「(予算のこと気にしてるのかな?)大丈夫、(予算の)ラインは超えないようにするから。だから、ね?」

 

 

アスカ

「は、はい。さ、燦ちゃん……どうぞ、めっ、召し上がれ」

 

 

「くすっ、もーアスカちゃん気が早いよ。それは料理してからだよ」

 

 

アスカ

「りょ、料理してから!? そ、それってつまり……は、はぁう~」

 

 

「(言い間違いを恥ずかしがるアスカちゃんかわいいなぁ)」

 

 

 

 

 

◆『やきにく』◆

 

「今日は焼肉シミュレーターで、いっぱいお肉食べるぞー!」

 

 

『おぉー!』

『お肉―!』

『黒猫のおごりってこと?』

『ゴチになります』

『大丈夫? 一人でお肉焼ける?』

 

 

「大丈夫、大丈夫。だって、焼くだけでしょ? 余裕だって」

 

 

『不安なんだが』

『フラグかな?』

『焦がしそう』

『アスカちゃん、早く来てくれー!』

『消火器持って来た』

 

 

「バカにしてる? バカにしてるよね??? 肉あげないぞ?」

 

 

『そんなー』

『ごめんね!』

『あの……焦げてます』

 

 

「え? あっあっ、これどうすんの!? えと、えっと……よしっ!」

 

 

『ヨシッ、じゃねーから』

『炭やんけ』

『無かったことにしないでもろて』

『お肉まだー?』

『火力下げて』

 

 

「もー、うだうだうるさいなー。ほら、焼けたよ。あーん」

 

 

『あーんって、それ焦がしたやつだろ!?』

『草』

『口の中真っ黒になった』

『炭火焼じゃなくて炭の味がする』

『殺す気か!』

『下手くそすぎ』

 

 

「へ、下手じゃないし。ゲームだから上手くいかないだけで、この前、結と焼肉行ったときはもう少しできてたから……」

 

 

『それって結ママがほとんど焼いてただけなんじゃ……』

『おい目を逸らすな』

『黒猫は焼く側じゃなくて焼かれる(炎上する)側だから仕方ない』

『たしかに』

『燦ちゃん、私、その話聞いてない……』立花アスカ✓

『あっ』

 

 

「え? あっあっ、その、これは違くて! で、デートとかじゃなくて、えと、その、そうミーティング! 今後の打ち合わせをしてただけで、だから、えっと……」

 

 

『あーあ』

『サイテー』

『焼いていいのは妬かれる覚悟のあるやつだけだ!』

『やっぱ黒猫はやかれる側だったか』

『これがほんとの妬きに苦ってか』

『上手い!』

 

 

 


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