スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
「……あぁ! ジョ、ジョジョのおじいちゃん?」
アンは急ぎジョセフに事情を説明し、花京院が偽物であるという情報を伝え、今承太郎が大ピンチであるから助けて欲しいことを訴えた。が、アンはあくまでも一般人だ。ただ目の前で起こったことを伝えるだけで精一杯であり、酷く困惑しているのが電話口からジョセフには十二分に伝わった。
「落ち着きなさい、今どこにいる?」
「貿易センタービルのとこのケーブルカー乗り場! 襲われてるのよ! 花京院さんに、ジョジョが襲われているのよ!」
「君はすぐにホテルに戻って……」
――ガチャ……
部屋に入ってきたのは、なんと花京院本人だ。ジョセフとアブドゥルは事前に花京院に裏切りの兆候があることを知っていたが、これでハッキリした。
「ということは、アン! そっちの花京院は偽物だ!」
「分かってるわよ! あ……、ジョ、ジョジョがケーブルカーから飛び出した! 早く何とかして!」
「まぁ心配するな、アン。
「ど、どうしてそう冷静なのよ! 分かってるの!? ジョジョは――」
「ワシの孫がこれしきのことで負けるはずがない、ジョースター一族は伊達ではないということよ」
※
承太郎はこのスタンドとあまりにも相性が悪いことを既に感じていた。承太郎は直接物理で殴るタイプのスタンドであるのに対し、相手のスタンドはスタンドを全身に纏えば物理攻撃にはほぼ無敵であるのは先程のケーブルカーでの戦闘で確信した。故にケーブルカーから逃げ、このスタンド――イエローテンパランスをどう対処するか策を練る時間が必要。というのも、現在承太郎の右手の小指に、イエローテンパランスの一部が付着しているのだ。このままではいづれ腕ごと捕食されることは必定。まずはこのスタンドを取り除かなければならない。
「……少々火傷するが、焼き殺すか」
小指にライターの炎を当て焼き殺そうと試みるが、それが不味かった。なんと右手全体に飛び散ってしまったのだ。熱しては駄目だ、ならば――。
「……あのガキのアイスキャンディーで冷やすしかなさそうだぜ」
承太郎はケーブルカーに飛び乗り、強引に扉を破壊し、子供からアイスキャンディーを借りて冷やす、が!
「ぬぅ……、や、野郎……! は、針のようにとがってますます食い込みやがった!」
「ちょいとアンタ!
「っ!?」
その言葉を発した女は自分の乳房を嬉しそうに揉みながら、承太郎に語り始め、それがイエローテンパランスのスタンド使いであることを承太郎はすぐに察した。
※
「承太郎に助けなんているのか?」
「サァナ! アノボケヲ救ウ気ナンテ更々ネェガ、トリアエズ神砂嵐ヲブッ放シタイ気分ダゼェ~!」
それには激しく同感だ。一日一回は神砂嵐をぶっ放さないと、なんかこうモチベーションが上がらない体質になってきた。が、流石にこの美しいシンガポールの景観をぶっ壊すわけにはいかない。であれば、とりあえず海に向けてぶっ放してくるか。
「ジョセフさんには道に迷ったと言ってさ、海に向かって神砂嵐しようか」
「ソイツァイイ! オ、アノ女ノ尻触ッテクルぜ! ヒーハー!」
とりあえずケーブルカーがある方角の海に向かえばいいか。そこでたまたま承太郎に出会ったならば、とりあえず助けることにしよう、うん。まぁそんな偶然あるわけないよな、彼女じゃあるまいし……。
「キャァァァァァァァァァァ! 誰よ! 私の尻を……、そこの変な頭! アンタね!」
「あぁん? 俺がどうかしたのかい?」
「私の尻を触ったでしょ! このホームレスのビチグソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
……俺の知り合いのフランス人の男の声に似ているが、気のせいだ。だが、三十六計逃げるに如かず……。
「に、に、に、に、逃げるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「あ! 大輔! てめぇ! ま、待ちや――」
「誰か! お巡りさんを呼んでください! 私まだ結婚前なのに穢されました! 皆さん取り押さえてください!」
ささ、神砂嵐をぶっ放しに行こう。
ポルナレフよ、お前がそんなとこにいたからいけないんだぜ?
記念にスマホで写真だけ撮影しておこう、わははははは!