スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
パープル・スケアクロウとレッド・アイ―①
翌朝、レレーナが朝食を運び、現状を説明してくれた。恐らくであるが、敵スタンド使いが爆発された現場確認しにやってきたのはほぼ確定らしい。というのも、奇妙な現象というべきか――確実にスタンド使いによるスタンド攻撃を民間人に被害が出たそうだ。というよりも現在進行形らしく、なんとあの爆発現場付近の住人達が暴徒化したらしく、しかも暴徒化した住人を鎮圧したと思えば、それが無差別に感染していったそうだ。さながらパニック映画の渦中であったとレレーナは語っており、現在はスタンド攻撃は解け、暴徒化した人達は暴れまわった時の記憶がないそうだ。
「……ふぅ、やれやれだわ。無差別テロをするならば、この上ないスタンド能力ということね」
「だから昨日あれだけ騒がしかったのか。で、偽装工作はどうなんだ? アヴドゥルさんと俺は無事にこのカルカッタから出られそうなのか?」
「その件だけど、早速移動するわよ。直に屋上にヘリが到着する手筈になっているわ。搭乗員は私と大輔、それにアヴドゥル。ヘリを使って海上に停泊している空母へ向かうわ。艦載機に乗り込み、アラブ首長国連邦へ向かう手筈よ」
「……? 何故アラブ首長国連邦なんだ? ディオがいるのはエジプトじゃ――」
「現地の大富豪から潜水艦を購入する予定なのよ、ふぅ……。アヴドゥルには大富豪役を演じてもらい、私はその大富豪の秘書で、アンタは頼りないけど私達のボディーガード役。流石にスピードワゴン財団が直接購入するとなると、ディオ側に伝わるリスクが高いから……。ふぅ……、今日は忙しくなるわよ、泣けるわね……」
そう言うとレレーナはスーツケースを俺の前に置き、スーツに着替えろと命じてきた。いつの間に採寸したか分からないが、ピッタリなサイズなのはいいが、あろうことかこの馬鹿女は恥ずかし気もなく俺の前で着替え始めた。「ちゃんとブラはしたわよ?」と言いつつ俺の前で胸の谷間を披露するこのビッチ、もう少し慎ましさを覚えてほしいのだが、はぁ……。
――コンコン……
「今は忙しいわ」
『
「……状況を」
『
「このフロアから下は危険、そういうことかしら?」
『……ヘリはもう間もなく到着予定ですだ。お嬢、私とリッキーが時間を稼ぎますだ。急ぎ――ケ、ケケケ……! ウヒャヒャヒャヒャ!』
――ドギャン!
扉を蹴破り入ってきたチェイスの目に何か寄生虫のようなモノが取り憑き、口から蟹のように泡が溢れだしている。「お嬢……、殺し……」と言い終える前に既にレレーナはチェイスの額に向け銃を発砲し、チェイスを安楽死させたが――。
「ウキキキ! 見ィツケタゾォ~! 大輔ェェェェェェェェェェ! ツイデニソコノ女モ殺シテヤルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
充血した人間の目に蜘蛛の脚のようなものが生えた寄生虫、恐らくスタンドであるがソイツがカサカサと音を立てながら一瞬にして逃げていった。ワムウがすかさず追いかけようとするが、俺はワムウではこのスタンドと相性が悪いであろうと判断し、クレーバースレイヤーに入れ替えた。こういう手合いの相手ならば、俺とクレバースレイヤーの方が対処しやすいはず。
「っ!? ……っく、うひ……。ひひひ……、ひゃははははは!」
レレーナは何をとち狂ったのか俺に向かって銃を問答無用で発射してきた。それをクレーバースレイヤーは俺の全身に一瞬にして鎖の防弾ベストを作り出し弾丸を防ぐことに成功し、そのままレレーナを無力化しようとするが――。
「ひははははは! こ、こ、この女を、こ、攻撃、するの? お、おし、教えてやる! こ、こ、この、ボケ! わ、私の、な、名前は、ミ、ミレイ・レイアース! ス、スタンド名は、パープル・スケアクロウ!」
レレーナの背後に、全身紫色の案山子――よくある洋画のホラー映画に登場するような案山子がケラケラと俺に邪悪な笑みを見せつける。既に詰み状態だということを知らせるかのように、パープル・スケアクロウは俺を指差しながら自分のスタンド能力を語った。
「きひはははは! わ、私の、スタン、ドは、『
いつの間にかレレーナの胸の上を這いあがっていく寄生虫のようなスタンド。「ウキキキ!」と言いながら勝利を確信したかのようにレレーナの眼球に侵入しようとした瞬間――。
「クレバースレイヤー、やれ」
「アイアイサー!」
刹那、寄生虫のようなスタンドを鎖で捕縛し、クレバースレイヤーはクランプの如くゆっくりと締め付けていく。「ギハァァァァァ!」という寄生虫の絶叫など無視し、処刑を開始しようとした、その時――。
「や、や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! は、は、は、は、放せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「何を言ってるんだ、お前。お前らが仕掛けてきたんだろうが、まずはこの気持ち悪い害虫を処刑してやる。それにお前は言ったよな? 『対象を強制的に狂乱状態にする』という能力を。
そう言いつつ更に圧を加え、寄生虫のようなスタンドを痛めつける。「イギィィィィィ!」という絶叫を上げながら苦しむ寄生虫のようなスタンドに対し、俺に処刑をやめさせるように訴えるミレイ。「知らんな」と言いながら、俺はミレイに対し挑発を続けた。
「お前、俺のことをちゃんと事前に調べたのか? んぅ~? 俺はよぉ~? ムカついたらよぉ~? 徹底的に排除しないと、欲求不満の男子高校生みたいに、夜も眠れない性格なんだぜぇ~? それにお前らの本体の位置なんか特定するなどよぉ~? チンポを出して小便をするくらい簡単なことなんだぜぇ~?」
「な、な、な、何を言って――」
俺は目を瞑りながらバンダナを外し、額に生えた角で風を読みとる。空気の流れで全てを掴み取ることが今の俺では可能――現在1階のソファーで吐血している人物のヴィジョンがハッキリと分かり、その吐血している人物の肩を抱きながら心配している人物がいることも分かった。つまり、スタンドの本体はその場所にいる――麻雀で喩えるならば、相手の配牌を完璧に見透かせるほど、今の俺にはハッキリと分かる。
「てめぇら簡単に逃げれると思うんじゃねぇぞ、あぁん!? お前らの空気の流れ、完全に覚えたぞ、このタコが! その女を殺すなら殺せ、だがお前達は確実に始末させてもらうからよぉ~? ほれ、スタンドを放してやるぜ」
俺はわざとスタンドを解放し、パープル・スケアクロウは寄生虫のようなスタンドを回収すると、急ぎその場から逃げ去って行く。余程相方が大事なんだろうが、知ったことじゃない。今から徹底的に始末させてもらうぜ? お兄さんと鬼ごっこしようや、なぁ?
スタンド名:パープル・スケアクロウ
本体:ミレイ・レイアース
破壊力:E
スピード:E
射程距離:A
持続力:A
精密動作性:E
成長性:A
【概要】
洋画のホラー映画に登場するかのような紫色の案山子のようなスタンド。
能力は対象を強制的に狂乱状態にさせ、狂乱状態の対象を攻撃した際に狂乱状態を感染させるというもの。
射程距離も持続力、そして成長性もAであり、無差別テロを引き起こすのにこの上ない凶悪な性能とも言える。解除方法は本体を叩くか、本体がスタンドを解除するしか方法がない。
ジョジョの第六部に登場した『サバイバー』の強化版と言えば分かりやすいだろうか。敵味方関係なく感染し、射程距離は感染者次第に延々と広がり続ける。
因みに狂乱状態に陥った対象は、闘争本能が剥き出しになることから、通常の身体能力を遥かに向上させることが可能である。