スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
カルカッタは今や戦場と化したかのよう。富雄が向こう構わず建物を斬撃を飛ばし破壊し、次から次へと倒壊していく。それはさながら乱立した積み木で組み立てた塔を子供が無邪気で破壊するかの如く、いや、怪獣映画さながらと行った方が良いか? 俺達はそれでも逃げ続けなければならない――そして決して奴に近づいてはいけない、絶対にだ。
「てめぇら! こんなに街を破壊されても何とも思わないんか、この無感情の異常者が!」
「……ふぅ、私は既に手が汚れてるから特に?」
そう言いつつレレーナは富雄に手榴弾を放り投げ、それを富雄が斬撃を飛ばし斬りつけ空中で爆発させるやり取りを繰り広げる。これで三度目の手榴弾での攻撃ではあるが、確実に富雄のスタンドは弱まっているのだけはハッキリと分かる。が、手持ちの手榴弾は最早ないらしく、残念ながらこの作戦は打ち切りになるようだ。
「一般人に被害が出たらどうするんや! このクソアマ!」
「やれやれだわ、アンタの方が被害だしてるんだけど? ……ほら、私達は逃げるわよ、しっかり追いかけてきなさい?」
レレーナに言われるままにある目的地へと向け建物の屋上を移動し、レレーナは富雄を挑発しながら追いかけさせる。その目的地――そこには緊急時で用意した武器庫があるらしく、用意周到なことに俺がいた病院に幾つか点在するそうだ。その目的地に到着するや否や、「少しだけ時間稼ぎをして」と言いながらレレーナは俺から離れると、その建物の中へと入っていった。やれやれだぜ、どうやってこんなスタンドに対し時間稼ぎかは分からないが、とりあえず富雄の目の前に着地するしかなさそうだ。
「……ほぉ? あっしの前に堂々と降りたいうことは、最早逃げるのを諦めたってことやろか?」
「泣けるぜ……。敵意ある攻撃に対しては自動で迎撃する芸当を見せる早業の相手に、正攻法で挑むのは泣けるが、
『悪運』が強いのか、俺と富雄の頭上の上に貯水タンクがあるのは天啓そのもの。それをすかさず破壊し、互いに水浸しになりながら、俺は富雄を指差し「抜きな」と挑発する。富雄はゆっくりと俺に向かって近づこうとした、その時――。
「富雄、てめぇがここに来た時点で詰みだというのにまだ気がつかないのか?」
「……なんやと? 坊や、何を馬鹿なことを言って――」
「もし、もしここが荒野で何もない場所であれば、俺は完全敗北を喫していただろう。だが、既に俺とお前は『ずぶ濡れ』状態だよなぁ? さらに言えば『時代』が味方したと言えば――」
「高圧電線でも切断し、それをこの場所に垂れ流すつもりっちゅうことか? 愚かな、それでは坊や、お前も――」
「お、心配してくれるのか?
刹那、俺は再び屋上に向け鎖のハーブンガンを放ったと同時に、高圧電線を切断し、そのまま富雄に向け垂れ流した。それを富雄は斬りつけようとするが、残念ながら射程距離が短いのが致命傷になるであろう。道路の両端にある電柱の高圧電線を同時に切断したのだ――片方は防げるが、片方は防げるはずがない、
「……ふぅ。チェックメイトよ」
――ドカン!
さも当たり前のようにロケットランチャーを富雄に向け放つレレーナに対し、富雄の意識は高圧電線に注がれていた。故にほんの数秒だけではあるが、レレーナに対する意識を削ぐことに成功し、ロケットランチャーに対しての富雄の反応が遅くなるのは至極当然。未然に防いだとしても、その爆風から逃れることは出来ない。「駄目押しって奴よ」と言いながらレレーナは、建物から富雄に向け何度も何度もロケットランチャーを放ち、体力を削っていく。その様子は一方的な虐殺でしかない。
「……こ……の……ア……」
「ふぅ……。まだ生きてるってゴキブリ並みね……。残念だけどロケットランチャーは撃ち尽くしたわ。それに、
「な……にを言っ……」
――パララララララ……
徐々に近づいてくるのは、アクション映画でよく使用される軍用ヘリ。多数の武装を備えたヘリがこちらまで近寄るなリ、機関銃による一掃射撃を富雄に向け放ち、更には数発のミサイルが無情に富雄を襲う。軍事演習の的にめがけ放たれるその一斉射撃が物語るのは、富雄に対しての完全決着そのもの。既に富雄はスタンドで防ぐことすら出来ず、機関銃による一斉掃射により蜂の巣と化し、富雄の痕跡をこの地上に残すことを許さないミサイルの雨。結果、カルカッタの市場は未曾有のテロが発生したかの如く破壊され、富雄一人を始末するのに多数の民間人を犠牲にする結果になった。
「……泣けるわね。さぁ、ヘリに向かうわよ」
「――レレーナ、てめぇ……」
「
【カルカッタでの戦闘】
・ニフラム・シュトノーム(スタンド名:ナイツ・オブ・アバロン)
→レレーナがニフラムを偽装工作に用いた病院内に入ったことを確認し、病院ごと爆破。死亡。
・ミレイ・レイアース(スタンド名:パープル・スケアクロウ)
→大輔に本体の位置を特定され、ワムウがミレイを戦闘不能状態にする。最後の力を振り絞り、ディオに大輔の生存を連絡しようとするが、クレーバースレイヤーによる神砂嵐を直撃し、死亡。
・ナーミ・ホロロ(スタンド名:レッド・アイ)
→レレーナの眼球に侵入しようとしたところを、クレーバースレイヤーに捕縛。クランプの如く圧をかけ、戦闘不能状態に。本体も特定され、結果的にクレーバースレイヤーにより惨殺、死亡。
・武田富雄(スタンド名:サムライ・エッジ)
→大輔とレレーナの共同戦線により、消耗戦となり、最終的にスピードワゴン財団が所有する軍用ヘリによる一斉掃射で死亡。最も大輔達を苦しめたスタンド使いであった。