スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~   作:四五茶

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光の必殺流法

 俺はレレーナと共にアヴドゥルと合流し、現在アラブ首長国連邦へ向かい()()()()()()()()()()()()()()()()。それなのに、何故またこの円形闘技場の中にいるのだ? が、違うとすれば、前回は夜だったのだが、ギラギラに照りつく太陽が円形闘技場を真っ赤に照らすかのよう。真夏の太陽を全身に受け、俺は来ていた服を脱ぎつつ、涼しい顔で太陽を見上げる一人の男が目の前にいる。ソイツの名前はワムウ――俺に風の必殺流法(モード)を勝手に伝授し、小指程度の角を強引に生えさせた張本人が目の前にいる。

 

「……心地よい暑さだと思わないか、大輔?」

「アホか、俺がタンクトップになりながら、全身汗をかきまくってるんだぜ? 生ビールを飲みには最適な環境かもしれないが、それならばこのような場所ではなく、ビアガーデンにしてくれないか?」

「びあ……、何だと?」

「ビアガーデン、要するに人間達が夏の暑さを満喫するために、酒を楽しむ場というべきか。『柱の男』がどんな存在かはしらんが、俺の目を通してお前はこれから多くのことを知っていくことだろう。まぁ、出来れば闘技場はやめろと――]

「……善処しよう」

 

 ワムウにしては珍しい回答だと思いつつ、ワムウの隣に座る。ワムウは目を瞑りながら全身に太陽を感じるが、そんなに太陽が珍しいのだろうか? 俺はふと何故そんなに太陽が好きなのかと問うと――。

 

「……俺は、カーズ様とエシディシ様と一緒にある目的のため長年あることを克服するために、世界中を旅していたのだ」

「続けてくれ」

「俺達は太陽の下では生きられない生物であった。それを克服するために、カーズ様は石仮面を作り、スーパーエイジャを石仮面に嵌め込むことで究極の生物へとなる予定だったのだ。このワムウは、ジョジョと名誉ある戦いに負け敗れたが、恐らくカーズ様も敗れたのであろう。あのカーズ様が敗れるなど本来はあり得ないが、ジョジョならばカーズ様を倒せるほど優秀な波紋戦士であるから不思議ではない」

 

 ワムウは満足気な柔らかな笑みを浮かべつつ、目を開ける。その目は慈しみに満ちており、何故か今のワムウを憎む気になれない。あの時はちと頭に血が昇っていたが、冷静に考えればもうこのワムウは死んでいるのだ。そして今のワムウは俺のスタンドであり、しっかりと役割を果たすパートナーでもある。

 

「……大輔、先程の戦闘でもしレレーナがいなければどうしていた?」

 

 仮にそのような事態、いやそういう事態だったんだ。もしレレーナがいなければ、どうしていたか、それは――。

 

「サムライ・エッジの前では、クレーバースレイヤーは無力だろうな」

「ほぉ? 理由を聞かせろ」

「相手の能力が相当厄介だろ? 敵意ある攻撃に対しては完全に防ぎ、実際俺の膝から下は斬られ再起不能になりかけたのだ。真正面から神砂嵐を使ったとしても、恐らく斬り伏せてしまうほどのパワーと凄みを感じた。泣けるぜ……、俺が冷静に相手を分析するとはな」

「それでいい、客観的な事実を掴むことが基本だと知れ。では何故このワムウを奴にぶつけなかった?」

 

 暫く考えるが、何故ワムウを使わなかったのだろうか。若しかしたらワムウならば完膚なきまでに勝てたやもしれないのに、何故俺は使わなかったのか?

 

「……お前の能力を完璧に理解できない現状で、お前を信じて戦いを任せていいか分からなかったからなのだろうか?」

「フ、フフフ……、フハハハハハ! 大輔、もしこのワムウをあの戦闘に任せたとしても、恐らくはかなり苦戦を強いられていたはずだ。言ってしまえば、奴はカーズ様のように何でも斬ってしまうのだ。であれば、対処法は自ずと思いつかばないか?」

「……あ。刃には刃をということか?」

「如何にも。残念ながらこのワムウでは扱えないが、クレーバースレイヤーであればカーズ様のようになれるだろう。大輔、このワムウの記憶の一片を授けてやろう」

 

 ワムウはそう言うと、頭に右手を添えるとそこから黄金の光が放たれる。頭の中にある男のイメージ、そしてその男の必殺流法についての知識が頭の隅々へと潤滑油のように染み渡って行く。その必殺流法の知識、それは――。

 

「――輝彩滑刀(きさいかっとう)の流法。光の必殺流法! そしてこの男の考えはよぉ~、すげぇ奥深いよなぁ~? 相手を徹底的に排除するその姿勢に、俺は憧れるし痺れるぜ! なんて理想の男! 実に洗練された考えの持ち主! 馴染む……、馴染む馴染む馴染む馴染ぃぃぃぃぃむぅぅぅぅぅ! 馴染むぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「……不思議だ、このワムウもカーズ様の輝彩滑刀の流法を不思議と会得できたようだ。仮にサムライ・エッジともし再戦したとしても、負ける確率はほぼ0%であろう」

「鎖で出来た刃をよぉ~? 表面をサメの歯のような極小のツメがチェーンソーのように高速で回転させることに意識を集中すればいいってわけだよなぁ~? んぅぅぅぅぅ~♪ 俺は確かに『成長』を感じるぜ!」

「では早速、このワムウと一度手合わせをするか」

「……は?」

「安心しろ、手加減はしてやる。フフフ……、まさかこのワムウがカーズ様の輝彩滑刀の流法を会得してしまうとは……」

 

 そう言うとワムウはゆっくり俺を立たせ、手合わせという名の拷問を始めやがった。全く、俺はどんどん人間離れしていくかのような感じだが、泣けるぜ……。




スタンド名:クレーバースレイヤー
本体:朝倉 大輔

破壊力:A
スピード:B
射程距離:形状によって変化する(基本はC)
持続力:A
精密動作性:B
成長性:B

【概要】

見た目は無数の漆黒の鎖で出来た人型のスタンド。
禍々しい真紅の目が特徴的であり、大きく裂けた口から涎を垂らすその様は、さながらクトゥルフ神話の神話生物に似ていると大輔は評している。

以下必殺流法習得済み
・風の必殺流法(ワムウ直伝)
①額にある角を使うことで、風の流れを読みとることで、視覚以上の情報を入手することが可能
②神砂嵐のパワーアップ

・光の必殺流法(ワムウの記憶から)
①全ての物体を斬り裂くことが可能(尚、ワムウも使用可能になる)

尚、サムライ・エッジの戦闘中に自分の両膝から下を切断された際、無数の鎖を使い、応急手当を実践するという技を冷静にこなすことにより、切断された場合に限っては自己修復が可能であることが判明。

余談ではあるが、大輔はカーズの価値観に深く共感している。やはり漆黒の意思同士惹かれ合うのだろうか?
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