スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~   作:四五茶

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女教皇―③

 さて問題は、だ。潜水艦が浸水し、空気も薄くなっていく中、俺は無事脱出できるかどうかってことだ。スキューバダイビングで脱出することになるが、既に膝まで海水に浸かっているせいで、ちと不味くなったやもしれん。承太郎達がとっとと脱出の準備をしているのならばいいのだが、泣けるぜ……。俺とこのクソアマの攻防はどうやら、このクソアマの方に軍配がありそうだな。このクソアマはカミソリの刃をした亀で俺の攻撃をただ受け続けるだけでいい。そうすれば俺はこの潜水艦と共に人生から沈むのは確定。

 

「っち、クレバースレイヤー! そろそろ引き上げだな」

 

 いつも通り腕をハーブンガンにし、承太郎達が向かった場所へと放つ。それは別にいいのだが、折角クレバースレイヤーが作った結界を解除せねばならない。つまり――。

 

「キャハハハハハハ!」

 

 最早このクソアマを探知などよりも、我が身の方が可愛い。すぐに承太郎達がいる部屋の扉を開き、承太郎達が既にタンクを背負い終えてるのを見て一安心することになるが、問題はこれから。ジョセフは俺がタンクを背負うのを待たずに既にバルブを開き、海水が注入されていく。タンクを背負いつつ、マスクとレギュレーターを装着し、俺は再びクレバースレイヤーの結界をこの室内に張り巡らせた。が、反応なし。つまりこの室内の計器類に化けていないということが俺には分かった。

 

「……諦めたのか? いいや、あのクソアマがそんなアマなはずがねぇ……」

 

 が、反応がないという事実が物語る不気味な事実が確かにある。あれだけ執拗に、それに俺達を全滅させる自信があるからこそ、単体で挑んできたはずだ。

 

「やれやれだぜ……。全員泳いで陸まで上がれればいい、無事にな」

「……ふぅ。少なくとも大輔の反応を見る限り、この室内は安全ね」

 

 次から次へと潜水艦から脱出し、俺は最後に潜水艦から脱出した。もし追ってくるならば、後方からだろう。はぁ……、全く面倒なスタンドだ、泣けるぜ。

 

 

 

 

 しかし何とも美しい海底だろうか。色とりどりの珊瑚礁に、優雅に泳ぐ魚達。出来ればただのレジャーで来たかった気分だ。

 

「ふぅ……。レジャーで来たかったと思ってるのは、ポルナレフと角兎ちゃんかしら?」

「のんきしとる場合か……。酸素が切れぬうちに岸に着かねば!」

 

 確かにジョセフの言う通りだ。花京院が後方を確認し、アヴドゥルもまた後方確認し何も見えないと話しているのだが――。

 

女教皇(ハイプリエステス)()()()()()()()()()()()()()()()()。魚や海水や泡などには――」

 

 ……今なんて言ったんだ、このインド人は? ちょ、ちょっと待て! こ、このブ男さんは今なんて言ったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

「ん? どうした? 顔色が悪いようではないか、大輔」

「アヴドゥルさん! ア、ア、ア、ア、アンタ! 敵のスタンドについて――」

「聞いたことがあるだけだが、スタンド使いの名はミドラーというやつだ。かなり遠隔から――」

「どうしてそれを早く言わんのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ()()()()()()()()()! このタコが! つ、つ、つ、つ、つまり――」

「ムギィィィィィ!」

 

 そう、ここはミドラーの独断場というわけだ。先程の話を聞いた瞬間、既に俺達はミドラーの罠にかかっていたのだ。()()()()()()()()()()()()()、俺達は女教皇の中に吸い込まれていった。

 

 

 

 

「こ……、ここは奴の体内のどこだろ?」

「まだ口の中じゃ、喉の奥には飲み込まれていない」

 

 巨大なスタンドの舌の上っていうのが実に気持ち悪いが、ミドラーめ。奴は今油断しきっているな、重畳重畳。既に俺達にチェックメイトしてるいいご身分なんだろうが、お前は一手悪手だったな。さて、どうやって料理――。

 

「ヘイ! 承太郎! 承太郎、お前は私の好みのタイプだから心苦しいわねぇ! アタシのスタンド、女教皇で消化しなくちゃならないなんて! ホント、こんな出会いでなければ――」

 

 ポルナレフの馬鹿はこういう場合だけ察しがいいのか、承太郎にあるアドバイスを送る。ポルナレフは承太郎の肩を数回殴り、承太郎に口説かせ始めた。

 

「ミドラー、一度アンタの素顔を見てみたいもんだな。俺の好みのタイプかもしれねえしよ。恋に落ちる……かも」

「ああっ……!」

 

 ミドラーはすっかり承太郎のその口説きに気分を良くしたのか、甘い声を上げる。ここから承太郎が更に口説かせれば、皆平和に解決するはず――。

 

「お……俺はきっと素敵な美人だと思うぜ! もう声で分かるんだよな、俺は!」

「うん! 何か高貴な印象を受ける! これは占い師の勘だ!」

「女優のオードリー・ヘップバーンの声に似てませんか?」

「ワシも30歳若ければなぁ……」

 

 こ、この……お調子者どもがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ポルナレフ、お前はまだ許せる範囲だ! 抽象的だからな! アヴドゥル、お前は勘って言うんじゃない! そこは言い切れ! 花京院! お前が一番大問題だ、このタコが! 全然似てねぇだろうが! 何をドヤ顔しとるんだ! ジョセフは、まぁポルナレフレベルだが……。

 

「ふぅ……。終わったわね」

「「「「え、何が?」」」」

「泣けるぜ……」「泣けるわね……」

 

 俺とレレーナが同時に同じ台詞を吐いたと同時に、ミドラーが完全にブチ切れモードに入ったのは言うまでもないだろう。「貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 心から言っとらんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と言いながら女教皇のスタンドが俺達を襲う! が、そっちがその気ならばこっちもそうするまでよ!

 

「あぁん!? 承太郎のナンパが失敗だってんならよぉ~? この舌はもう用済みってわけだよなぁ~? せっかくの甘いロマンスに使う舌の相手に承太郎が不要だってんならよぉ~? 承太郎! テメェは歯でも砕け! 俺はこの不要な舌を徹底的に斬り刻んでやる! クハハハハハ!」

「やれやれだぜ……。大輔に指図されるのは気に食わんが、ならば再起不能になってもらうぜ、ミドラー!」

「クレバースレイヤー! 輝彩滑刀で滅多切りの刑だ!」

「スタープラチナ!」

「排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除ォォォォォォォォォォ!」

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァァァァ!」

「ヒギャァァァァァァァァァァ!」

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