スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
ゲヴ神―①
ミドラーがどうなったはポルナレフが確認したが、俺がちとやり過ぎたせいで儚く散ったそうだ。今は砂漠のど真ん中で、俺達はスピードワゴン財団のヘリが着陸するのをただ見守っていた。何でも新たな助っ人を呼んだそうだが、果たして男か女か――。が、アヴドゥルはかなり猛反対しているようだ。口ぶりから察するに、クセが強い奴なのは分かるが果たしてどんな奴か。
「
「ザ・フール? フフ……、ヘヘ……! 何か頭の悪そうなカードだな」
そう言えば俺とレレーナ以外はタロットカードの暗示だったよな、なんか仲間外れされてる気分なのだが……。
「敵でなくて良かったって思うぞ、お前には勝てん」
「何だとこの野郎! 口に気をつけろ!」
ポルナレフとアヴドゥルが一触即発の空気になるが、これはアヴドゥルの言い方にも問題があるようだ。さてさて、スタンド使いのお出ましというわけであるが、どっちの男がスタンド使いか?
「ふぅ……。角兎ちゃん、アンタでも勝てないわよ」
「あぁん!? ワムウ、お前も何か言ってやれ! 馬鹿にされてるぞ!」
「……このワムウでも勝てないだと? 舐めるなよ、女」
「すぐに分かるわよ、ほらヘリの後部座席を見なさい」
全員後部座席に注目するが、そこには何もいないように見える。そんな中ポルナレフが後部座席を確認しつつ、スタンド使いを挑発すると――。
「ウギィァァァァァァァァァァ!」
なんとそこに現れたのは興奮した小さな犬! ポルナレフの髪の毛を絶賛大量にむしり取っている。レレーナはその場で腹を抱えながら爆笑し、その犬について話し始めた。
「フフフ……、その子の名前はイギーちゃんよ。品種はボストン・テリア。キュートな子だけど、性格はかなり悪いわね。でも知能指数はかなり高くて、あと髪の毛をむしる時、人間の顔の前で――」
――プゥ~♪
「キャハハハハハハ! もう最高! イギーちゃん本当にキュートよね! こうやって屁をするのが趣味なの!」
な、なんて下品な犬だ……。で、可愛い要素が今まで皆無なのは致し方ないとして、こりゃポルナレフブチ切れだな……。
「こ、このド畜生! 懲らしめてやる! おどりゃぁ! チャリオッツ!」
シルバーチャリオッツを繰り出し、イギーに差し向けた時。イギーも迎撃せんとスタンドを現した。それは言ってしまえば、砂のスタンド! チャリオッツの攻撃など砂の前では無力であり、斬った感触すらないように見える。なるほど、ワムウが勝てないという意味はそこにあったわけか。
「うむ……、単純なやつほど強い。俺にも殴れるかどうか……」
「同感だな。ワムウでもクレバースレイヤーでも相性が最悪といった感じか。泣けるぜ……」
ポルナレフがイギーと戯れている間に、ヘリのパイロットがアヴドゥルにある物を渡した。それはコーヒー味のチューインガムであり、イギーの大好物だそうだ。が、アヴドゥルは致命的なミスを犯していた。それはイギーはとても知能指数が高いという点をアヴドゥルが怠ったのが原因だろう。チューインガムの箱を隠さず、イギーの前に一枚のチューインガムを差し出したらどうなるかくらい誰でも想像できる。
「ガルル!」
「うわあ! し、しまった! 箱の方を取られてしまった!」
……はぁ、本当に知能指数が高いワンちゃんだぜ、泣けるぜ。
※
イギーがチューインガムに熱中している間に、荷物の補充が完了した。ジョセフの提案で記念写真を撮ることになり、こんなむさ苦しい男どもの中に美女が映るのは、逆ハーレムか何かか?
「ミスタージョースター! それでは我々はこれで帰ります!」
「……一つ尋ねたい。ワシの娘のことだが――」
ホリィさんの容体は相当ヤバいらしい。スピードワゴン財団の医師の診断では、もってあと2週間の命だそうだ。そして――。
「それと一つ情報があります。報告によると――」
その情報とはスタンド使いの情報だ。何でも謎の9人の男女がディオが潜伏している場所からいずこかに旅立ったらしいということ。ふむ、俺やレレーナのようなスタンド使いがまだまだこの世界に存在するということか。
「やれやれ……。残り二週間の間にあと9人か……ちょっぴり疲れるということか」
……
「では、我々はこれで……。旅のご無事を!」
「ありがとう! ホリィを頼む!」
この時、俺達は既にディオの魔の手が既に差し向けられているのに気がつかなかった。一匹を除いては。