スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
砂漠を横断中、俺達は信じられないものを発見してしまった。何とスピードワゴン財団のヘリコプターが墜落していたのだ。兵器による攻撃の跡はないが、こんな砂漠のど真ん中で何故墜落したのか。
「っ!? 見ろ、パイロットだ!」
承太郎が気づいた方向には、ヘリコプターの下敷きになったパイロットがいた。機体に爪で何度もひっかいた跡がくっきりと残り、そのパイロットの口の中には何と大量の水が入っていた。承太郎が詳しく調べると――。
「こんなに大量の水がパイロットの口の中……、いや肺の中から……。小魚もいるぞ……。
「い、いったい……」
「お、おい! もう一人はここにいる! 生きてるぞ!」
ポルナレフが生存者を発見するが、相当ヤバい状況であるのは周囲の全員に分かった。息も絶え絶えながら、「み……水……」と喉の渇きを訴えるパイロット。ジョセフはすぐにポルナレフに指示をし、近くにあった水筒をジョセフに渡させ、ジョセフがパイロットに水筒の中の水を飲ませようとした時、パイロットが冷や汗をかきながら水筒の中をじっと見つめるのに俺は気づいた。
「ジョセフさん! 今すぐ水筒を捨てろ!」
「大輔! 何を言うてるか! 水を欲しがって――」
「うわぁぁぁぁぁ! 違う!
水筒の中から水で出来た手がパイロットの顔を引き千切り、その顔を水筒の中へと強引にねじ込んだ。スタンドだ、敵スタンドが既に俺達を補足していたのだ!
「く……くそぉ……、スピードワゴン財団の人間は無関係なのに襲いやがって……」
「ふぅ……。私が同行していて良かったわね、ジョースターさん。敵スタンドの能力は遠隔から水を操るスタンド、スタンド使いの名はンドゥール。そこまでは分かったわ、ただどこにいるかまでは分からないわね。少なくとも、こちらの位置が視認できる場所――
レレーナのスタンドは非戦闘型ではあるが、その能力は相手の情報を全て把握してしまう恐るべき能力。「おぉ……」と全員レレーナに感心するが、この砂漠のど真ん中でどうやって探せばよいか――。
「やれやれだわ……。角兎ちゃんであれば、本体を見つけられるでしょ? こんな砂漠のど真ん中で私達以外の存在がいるならば、それが敵スタンド使いの本体よ」
「確かにその通りだな」
目を瞑り、額の角に意識を集中させ、風を掴む。何処だ……、何処にいる……。まだ掴めない、クソ……。距離が離れ――っ!?
「ワムウ! 行け! 見つけたぞ!」
「承知」
※
ンドゥールはある異変にすぐに気がついた。何と承太郎達がいる方向から物凄いスピードで自分目がけて一直線で向かってきている存在がいる。
「っ!? ば、馬鹿な!
すかさずスタンドを戻し、自分の元に戻そうとするが、残念ながら先に自分のスタンドが戻ってこれそうにない。
「こ、このままでは……! ク、クソ! 距離は後100m……、いや50mだと!?」
「
ンドゥールは冷や汗をかきながら声がした方向に振り返るが、ンドゥールは盲目だ。「あり得ない……」と言いながらンドゥールは杖をゆっくり落とし、自分の敗北を悟っていた。
「貴様のスタンドが戻ってくるまで、このワムウは一切手を出さない」
「っ!?」
「大輔ならば問答無用で貴様を排除するだろうが、このワムウは卑怯な手段を好まん! 故に正々堂々と挑むがよい」
(大輔……! やはりディオ様が最も危惧していた存在がこのンドゥールを追い詰めたのか! ……だが、このワムウという奴は相当な甘ちゃんだな。ならば言葉に甘えさせてもらうか、ククク……)
ンドゥールのスタンドが戻ってくるまであと数十秒。戻ってきた瞬間に、ワムウという男に致命傷を与えれば問題なく承太郎達を始末できるとンドゥールは思っていた。そう、その時までは――。
「
「なっ!?」
「ワムウノ性格ダ、正々堂々ト戦オウトシテイタダロウガ、コノカーズハ容赦ハセン! 排除排除排除排除排除ォォォォォォォォォォ!」
ンドゥールは一瞬にして達磨状態と化し、四肢を細切れにされ、その悲痛な叫びを砂漠のど真ん中で叫ぶが、誰も助けなどくるはずがない。「ウィンウィン~♪」と言いながらンドゥールの体を持ち上げ、振り子のようにして遊ぶカーズ。そのまま宙に放り投げ、カーズはワムウの神砂嵐をンドゥールに食らわせた後、カーズはワムウと入れ替わった。
「っ!? な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? な、何が起こったのだ! こ、このワムウ! 一瞬たりとも気を許していないはずだというのに! こ、これをやったのは……! ま、まさか!?」
ワムウは冷や汗をかきながら急ぎその場を後にした。ワムウの中で言い知れぬ不安感を抱きつつ、大輔達に敵スタンド使いを排除したことを告げる。が、クレバースレイヤーが自分の制御下でなくなったことに対しては、大輔に一切報告しなかった。