スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~   作:四五茶

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モハメド・アヴドゥルに出会う―①

「何じゃと! 承太郎!? 新手のスタンド使いに出くわしたのか!?」

「あぁ……。やれやれだぜ……、正直もう会いたくない相手だ」

 

 花京院の肉の芽を取り除いた承太郎は、祖父であるジョセフに学校で出会ったスタンドについて話していた。パワーでは恐らく自分のスタンドと同レベルだろうとジョセフに話し、スタンドが自ら意思を持ち、そのスタンド使いはスタンドを制御できていないことも話す承太郎。「ふむ……」と言うと、ジョセフは自分の考えを承太郎とアブドゥルに話す。

 

「恐らくじゃが、花京院に危害を加えられた時に発現したやもしれんな」

「ジジイ、そんなことがあり得るのか?」

「承太郎、ワシもお前もスタンド能力を手に入れたのは生まれながらではないじゃろ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()。そのきっかけが推測ではあるが、花京院だったのかもしれん……」

「ジョースターさん、今の承太郎の話を聞く限りDIOの手下ではないかと」

 

 ジョセフは暫し考え、アヴドゥルの考えに同意した。仮にDIOの手下であったのならば、承太郎に真っ先に敵意が向くはずだ。

 

「アヴドゥルの意見に同意じゃが……。一つ気がかりがあるとすれば、『何故突如現れた』かじゃ」

「ジジイ、それは俺も同じ考えだ。やれやれだぜ……、敵でないのは分かったが、あのスタンド相当ブチギレてたからな……。仮にもし俺と出くわしたならば、奴は多分プッツンするだろうな」

「……承太郎、お前何をしたんだ?」

「ただ単にスタンド使いの本体を蹴っただけだぜ?」

 

 ジョセフは頭を抱え「Oh my god……」と呟くと、そのスタンド使いがどんな外見をしていたか承太郎から聞き出した。承太郎はジョセフに情報を伝えると、アヴドゥルにそのスタンド使いと一度接触してくれないかと頼み、アヴドゥルはすぐに了承した。

 

「ではジョースターさん、一度探してみます。承太郎の話では、相当面倒くさい相手だと判断しますが……」

「仮にじゃ、仮に味方になるのであれば、心強いとは思わんか? アヴドゥル」

「まぁ……。承太郎と同じパワーというだけでも凄まじいですからね……」

「アヴドゥル、一つ言っておくぜ。絶対喧嘩をするんじゃねぇぞ?」

 

 お前が何を言ってるんだという顔で承太郎を見るアヴドゥルであるが、承太郎は至って冷静な顔でアヴドゥルを見ていた。ジョセフも出来る限り丁重に接触するようにアヴドゥルに告げると、アヴドゥルは黙って頷きその場から去って行く。

 

「にしても、承太郎……。仮にじゃ、仮にそのスタンド使いが味方になったとしても、仲良くできるんだろうな?」

 

 ジョセフは親心からか承太郎を心配するが、承太郎は無言で煙草に火をつけ花京院の容態を気にかける。今までの話をずっと聞いていた花京院は、ゆっくりと体を起こし、何故自分を救ったのか承太郎に問いただした。

 

「さぁな……。そこんとこだが、俺にもよう分からん」

 

 花京院は目を潤わせつつ、言葉に詰まりながらも、承太郎に深く感謝していた。

 

 

 

 

 アヴドゥルはジョセフに命じられた通り、とりあえず聞き込みをしつつ探すのだが、思わずゾッとしてしまうような事態にすぐさま出くわしていた。スタンド使いは引かれ合うというのだが、なんとアヴドゥルの目の前で現在自動販売機が木っ端微塵に粉砕されている真っ最中だ。スタンドが見えない一般人からすれば、謎の怪現象を目の当たりにしているが、アヴドゥルの目にはハッキリとしたスタンド象が映し出されれ、何故承太郎が絶対喧嘩をするなと言った理由が自ずと理解できた。

 

「ウケケケ! 気分爽快ダゼェ~! オイ! 大輔! コーラ飲ム……ッテアレ? ドコニイッタ?」

 

 キョロキョロと辺りを見渡すソイツに思わずゾっとしながらも、アヴドゥルは勇気を出してスタンドに声をかけることにした。正直こんな厄介なスタンドなんかと関わりたくないのだが、ジョセフの期待を裏切るわけにはいかない。

 

「お、おい! そこのスタンド! 何故自販機を壊したんだ!」

「見エテイルトイウコトハ、排除シテモイインダヨナァ!?」

「ま、待て! 争うつもりはない! お前の本体はどこにいるんだ?」

 

 ポンと手を叩くスタンドは、「付イテキナ」と言うと本体の後を追いかけるかのように宙を浮きながら移動を始める。アヴドゥルは言われるがままに付いていくと、公園のベンチで頭を抱える一人の男に出会った。「アイツ、俺ノ本体」と指で差しながらゲラゲラと腹を抱えてその場で笑いこけるスタンド。アヴドゥルは大きな溜め息を吐きつつ、その男に近づきゆっくりと語りかけ始めた。

 

「ゴホン! 君がスタンド使いか?」

「……ち、違います。ひ、人違いです」

「嘘つけ! 承太郎から聞いた――」

 

 刹那、アヴドゥルの頬を一瞬で何かが切り裂いた。後ろを振り返ると、そのスタンドは怒りを露にしたのかアヴドゥルに対し挑発しながら、自分と戦うように促してきた。

 

「ヘイヘイヘイヘイ! サッキノクソ野郎ノ仲間カァ~? ムカツクゼェ~! 相手シテヤルヨ!」

「ま、待て! 戦う気はないんだ! く、詳しい話をジョースターさんが……」

「ルセェ! コチトラ生理中ノ女ノヨウナ状態ナンダヨ! ブッ殺ス!」

 

 アヴドゥルはマジシャンズ・レッドを繰り出し、今まさに戦おうとしていた。

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