スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
「あ……、新しいページが……、現れた、ぞ」
ある兄弟がアスワンの街へ向けてのバスに乗っていた。一人はまだ幼い少年のボインゴ、そしてもう一人の青年はオインゴ。この二人が承太郎達をつけ狙う新たなスタンド使いだ。そんなボインゴが漫画をオインゴに見せると、オインゴは既に勝利を確信したかのように腹を抱えて笑いながら、弟であるボインゴの頭を撫でまわす。
「でかしたぞ! ボインゴ!
「クッヒッヒ! クヒ! グッヒッヒ!」
オインゴ・ボインゴ
※
レレーナは大輔と一緒に近くの喫茶店に立ち寄っていた。というのも、アスワンの街に入った際、ジョセフは各々暫く自由行動をしても問題ないだろうと判断し、現在3グループに分かれて行動をしている。その中でレレーナの付き人として大輔が選ばれ、レレーナの買い物の付き合いを大輔が手伝っているわけだ。
「レレーナ、ちょいとお手洗い借りてくるぜ」
「ふぅ……。女を待たせないでね?」
「アイアイサー、じゃあ注文は任せたぞ」
大輔はそう言うとその場から立ち去り、レレーナはさも当たり前のように煙草を吸い始めた。暫くすると、大輔が戻ってきたのだが、レレーナはこの時どう反応すればよいものかと困っていた。というのも、戻ってきた大輔がすぐさま偽物だとレレーナは分かっており――そもそもスタンド能力を使うまでもなく見分けられるのだが、この面白いイベントをどう対処すればよいかレレーナは考える。
「……ねぇ、
「――は?」
「ご主人様を待たせたんでしょ?
(な、な、な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? そ、そ、そ、そ、そんなルールなど知らんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)
オインゴのスタンド能力、それはずばり変身能力なのだ。つまりオインゴは完全に大輔に変身しているのだが、それはあくまで外見だけ。中身はオインゴのままなので、大輔とレレーナにそのような暗黙のルールがあるなど知っているはずもなく、オインゴは言われるがままに靴を舐め始めた。
「レロレロレロレロ……」
「あ、そこさっきワンちゃんのウンチ踏んだ場所――」
「げぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 汚ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「う・そ・よ♡ 私がそんなドジするはずないじゃない?」
(こ、こ、こ、こ、この性悪女がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! なんなんだこの女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! は、早く! 早く後ろに回って
オインゴはゆっくりと体を起こし、レレーナの背後に回ろうとするが当然の如く呼び止められる。何故自分の正面に座らずに、自分の近くに寄ろうとしているのかとオインゴに問い詰めると、日頃の感謝を込めて肩を揉むためだと苦し紛れの嘘をつくオインゴ。
「……あら、そ。ならしっかりと揉みなさいよ?」
「あ、あぁ! いつもの感謝を込めてしっかり揉むぜ!」
(その無駄にでかいパイオツを揉みまくればいいんだ! 本当にいいんだな! ボインゴ!)
チラリと視線を喫茶店の外にやると、ボインゴはゆっくりと首を縦に振る。ボインゴのスタンド能力は、近い未来を完璧に占うという予知の能力だ。占いの結果、レレーナの背後に回りおっぱいを揉んだ際に、レレーナの頭上のシャンデリアが落下し、レレーナはここで再起不能となっている。つまり、おっぱいさえ揉めればオインゴ・ボインゴ兄弟の勝利なのだ!
(オ……オインゴお兄ちゃん! お、おっぱいさえ揉めばいいんです! クヒ、クヒヒヒ、クヒホホホ!)
(お、弟よ! お、俺は信じてるぞ! お前の占いは100%――)
「ふぅ……。そんなに私のおっぱいが揉みたいのかしら?
「っ!? な、な、な、な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
刹那、レレーナはオインゴの背後に回り込み、そのまま胴回し蹴りをオインゴの脇腹に浴びせた。他の客席のテーブルまで吹き飛ぶオインゴではあったが、何故自分が偽物だと勘付かれたのか理解できず、その場から必死に逃げ出す。レレーナは自分の腰のホルダーから銃を取り出し、オインゴに向け発射しようとした、その時――。
「レレーナ! おめぇこの馬鹿! 堂々と銃を取り出すんじゃねぇぞ!」
「ちょ! だ、大輔! こ、これは違――」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? ジョセフさんにまた怒られるじゃねぇか! べ、弁償は、お、お前がしろよ!」
「な、何で私がそんな――」
「どう見てもお前が悪いだろうが! す、すみません! べ、弁償しますので――」
オインゴ・ボインゴ兄弟は何とかこの場を無事逃げ切ることに成功した。負けないで! オインゴ・ボインゴ兄弟! 今回はたまたま相手が悪かっただけさ! 頑張れ! オインゴ・ボインゴ兄弟!