スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~   作:四五茶

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ディオの館へ

 ジョセフ達と無事合流し、俺達がディオの敵スタンドに襲われたことを告げ、イギーがディオの館の場所に見当がついてることを話した。クレーバースレイヤーの言う通り、イギーは間違いなくディオの館の場所を知っているはずだ。レレーナに調べさせたが、間違いなくイギーはディオの館を見つけたらしく、イギーの全身から滝のように汗が流れるかのよう。「バウ!」とイギーは俺達に向かって吠えると、俺達にその場所へと誘うイギー。そんな中、ジョセフはゴホンと咳払いをしつつ、自分自身に皆の目線を釘付けにし、あることを話し始めた。

 

「レレーナ、それにマライア。君達はディオの館へ入らないで欲しい。特にマライア、ワシらの仲間になってくれたのは嬉しいのじゃが、悪いが君はここで――」

「それは好都合ね、実は私もこれ以上面倒事に関わりたくないと思っていたわ。ジョセフ・ジョースター、一つ忠告するわ。ディオ様の屋敷の中に複数のスタンド使いがディオ様の護衛をしている。能力は分からないけれど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。短い旅だったけれど、ウッフフフ……、とても刺激的な旅だったわ♪」

「君はディオのスタンドについて――」

「知らないわ。ただ……、『世界』を支配できる能力だという噂だけは聞いたわよ? ご武運を、そしてさようなら」

 

 マライアはあっさりとその場から去ろうとした時、その場にいた男達全員に向かってウィンクをした。「うひょぉぉぉぉぉ!」と興奮したのは俺とポルナレフのみ――そしてレレーナの鉄拳制裁を食らったのは俺だけ。全く泣けるぜ……。

 

「ふぅ……。ジョースターさん、私はスピードワゴン財団のエージェントとして、その命令に反対させてもらいます」

「な、なんじゃと!? もう君には十二分に助けてもらったのじゃ、館に入るのはワシらだけで――」

「あら? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? これ以上言わせないでくれる?」

「ヒューヒュー! 大輔! おめぇ、やっぱりデキてたんだな! ガハハハハハ!」

 

 ポルナレフが背中をバンバンと叩くが、果たして喜ぶべき――おっと、レレーナが腰のホルスターから銃を取り出そうとしているので喜ぶべきなのだろう、うん。「も、もちよ……」と交際宣言をすると、レレーナは煙草を吸いながら、自分の必要性をジョセフに語りだした。

 

「あの女は嘘は言ってなかったわ。であれば、余計に私が必要じゃない? ディオのスタンド能力さえ分かれば対策が出来るでしょ?」

「……ジジイ、ここは言葉に甘えておくべきだぜ。おい、大輔。絶対その女を守れよ」

「勿論です、プロですから」

「やれやれだぜ……。今のてめぇならば、その言葉に信用が置けるぜ」

 

 レレーナとの付き合いは誰よりも長い、だから絶対守ってみせる。俺は『成長』したんだ、日本を発ってから俺は『成長』し続けたんだ。その代償でファンタジー世界の住人のような角を生やしてしまったが、そんな細かいことはどうでもいい。漆黒の意思でディオを倒せば、ホリィさんが救われる! 救ってみせる!

 

 

 

 

 イギーに導かれるままにあること数十分。かなりカイロの中心部に来たようだが、なんだか空気が重くなり、そして全身から冷や汗が出てきた。俺の隣にいたレレーナは先程までの余裕を失い、溜め息の頻度が酷くなっている気がする。この精神に食い込むような圧迫感、絶対に近づくなという警告とも取れるような鼓動の速さ。言い知れぬ緊張感を抱きながら目的地へ近づいているのが自ずと分かる。

 

「ワ、ワシにはもう分かった……。こ、この雰囲気は! このドス黒い感覚は!」

 

 そう、目の前に現れた特徴的な屋根の形が目前に現れた。つ、つまり、俺達の目的地はもう目と鼻の先ということだ。

 

「こ……、この館はっ!?」

「しゃ、写真の……」

「イギー……、おめぇがここを見つけるとは……」

「……ウググ(……クソ、ざけやがって)」

 

 俺達の眼前に異常ともいえる妖気を放ち、そびえたつ館。全ての元凶であり邪悪の化身の住まう場所、ディオのアジトだ。この場所を目指し、俺達は長い道のりを旅してきた。正確には途中リタイアしてしまったが、それでも何とか合流し、数々の敵スタンド使い達を排除してきた。

 

「……泣けるぜ、今までがただの前哨戦とすら思えるほどじゃねぇか。ジョセフさん、それに承太郎。俺はホリィさんを救うためだったら、何だってやってやるぜ。今のクレーバースレイヤーであれば、あの館くらい簡単に吹き飛ばす程の神砂嵐をぶち込んでやれるぜ? まぁちと被害が出るが――」

「それはならん。無関係な者達を巻き添えにするわけにはいかん」

「……ジョセフさん、俺とジョセフさん達の違いはその精神の在り方だ。俺は目的遂行のためならば、一切の無駄を省き、ただ簡潔明瞭にこなす漆黒の意思を強く磨いた。俺のクレーバースレイヤーを可愛がってくれたホリィさんのためならば、何百、何千、何万、遥か那由他の先までの人間が死のうが知ったことじゃねぇ! ……だが、ジョセフさんは違う。眩いばかりの黄金の精神を磨き続けたんだ。その精神だからこそ、こんなに素敵な仲間が集まった! だからジョセフさん、俺はジョセフの言うことは絶対に従うぜ!」

 

 

 

 

 全てはディオを倒し、100年に及ぶ因縁に決着をつけるため。一筋縄ではいかないまさに命を懸けた戦いの連続の中、泣き、笑い、悲しみ、怒り、喜び――。あらゆる感情が渦巻いた旅路、承太郎の母ホリィの命を救うために日本を発ってから実に50日近くが経過していた。

 

 ジョセフは思った。娘ホリィの命を救うため必ず目的を果たすと。

 

 花京院は思った。ホリィのため、そして、自らの心の弱さを克服するため必ずディオを打倒すると。

 

 アヴドゥルは思った。この世には栄えてはならぬ必ず滅ぼさねばならない悪があると。

 

 ポルナレフは思った。肉の芽で自分を操り、正義にもとる行いをさせたディオに必ず報いを受けさせると。

 

 イギーは思った。自分が理不尽な目に遭うのは、全てディオという野郎が原因だ。ならば、酷い目に遭わせた借りは必ず返すと。

 

 承太郎は思った。自分の母親を蝕む元凶をぶっ潰せば、全て大団円で終わる。ならば自分がディオを必ず裁くと。

 

 レレーナは思った。スピードワゴン財団の脅威になるディオを潰せる好機は、今しかないと。

 

 そして――。

 

「全く泣けるぜ……。ディオという野郎を徹底的に排除し、この地上に一片の塵すら残さないようにしなくては、夜も安心して眠れねぇじゃねぇか……」

「いる! この感覚は間違いなく奴だ! 奴は今、この館の中にいる!」

「我々の旅は――」

「ついに終点を迎えたわけだ」

「覚悟はいいな!」

 

 ゆっくりとジョセフ達はディオの館の中へ。果たして勝つのは承太郎達か、或いは――。

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