スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~   作:四五茶

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ジョセフ・ジョースターに出会う―①

 空条邸、そのあまりの広さに圧巻されながらもアヴドゥルについて来たわけだが、いつの間にか俺の手にはコーラが握りしめられていた。恐らくであるが、この馬鹿スタンドがどこからかくすねてきたんだろう。当たり前のようにそれを飲みつつ、空条邸に上がると、金髪の朗らかな美女が目の前に現れた。「息子のご友人ですか!」というその女性に軽く会釈し、中へ入ろうとした時――。

 

「ヘイ! オジョウチャン! ナイストゥーミートゥーユー!」

 

 この馬鹿スタンドはその女性の周りをぐるぐるゆっくりと周りながらナンパする始末。俺は頭を抱えつつ、アヴドゥルは察してくれたのか俺の肩をポンポンと叩いてくれた。

 

「安心しろ。ホリィさんはスタンドが見えないから聞こえないはずだ」

「あの……、いや……。お調子者なスタンドってのだけは分かるんですが、その……」

 

 そう、この馬鹿スタンドはホリィさんに一目惚れしたのか膝をつき求婚しているのだ。その愛の言葉は思わず耳を赤くしてしまうほどのもので、もう貝の殻の中に籠りたいほど。アブドゥルは大声で笑いながら、背中をボンボンと叩くが、俺の目からは涙が自然と溢れていた。

 

 

 

 

「ジョースターさん、彼を連れてきました」

 

 茶室に案内された時、目の前の男はインスタントコーヒーを飲んでいた。「日本のコーヒーは不味いのぉ!」と難癖をつけるその男に対し、「アメリカのですが……」と呆れるアヴドゥルのやり取りに思わず笑ってしまう。きっとアブドゥルとジョースターと呼ばれる男は、普段からこんな感じなのやもしれん。

 

「おぉ、君がワシの孫とやり合った……、えっとミスター――」

「朝倉大輔です。こう見えて日本の会社員ですが、すみませんが、名刺を持ち合わせておりません」

「ならば君のことを大輔と呼んでもいいかのぉ? ワシの名はジョセフ・ジョースター。宜しくのぉ」

「あ、はい。ではジョセフさんと呼ばせてもらいます」

 

 「まぁ座りたまえ」と促され、アヴドゥルと一緒に座ると、先程不味いと評したインスタントコーヒーを俺に渡すジョセフ。俺はそれを飲みつつ、「美味しいと思いますが……」と言うと、ジョセフは気分を良くしたのか大いに笑いながら、膝をバンバンと叩いた。

 

「そうじゃろ、そうじゃろ! やはりアメリカ製が一番じゃ!」

「えぇ、このほろ苦さは確かに美味しいですね。ジョセフさんはコーヒーを淹れるのが上手では?」

「ガハハハハハ! ワシの孫の承太郎と正反対の性格のようじゃな! さて……、本題に入りたいのだが、よいかな? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 俺はその要望に対し、冷や汗をかきつつどうジョセフに説明すればいいのかと思案した。そんな俺を差し置いてアヴドゥルは腹を抱えつつその場で大いに笑いだし、ジョセフは何故アヴドゥルがいきなり笑いだしたのかを本人に問いただした。

 

「ジョ、ジョースターさん……。そ、その……。ワハハハハハ!」

「な、なんじゃぁ~!? き、気色悪い! 言いたいことがあるならハッキリ――」

「大輔のスタンドはホリィさんを口説いてますよ、ワハハハハハ!」

「な、な、な、な、なんじゃとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 先程まで温厚だったジョセフは俺の胸倉を掴み、一瞬で押し倒した。そりゃそうだ、きっとホリィという女性はジョセフの娘なのやもしれない。しかも人妻なのはすぐに察せれるし、そんな人妻を白昼堂々とナンパするスタンドなんて非常識にも程がある。あはははは……、もう殴ってくれ……。

 

「大輔ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 一発、いや百発殴らせろ! このエロガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ヘルプ! ヘルプミー! クレバースレイヤー!」

 

 刹那、ジョセフの胸倉を思いっきり掴み上げ、メンチを切るスタンドが現れた。クレバースレイヤー、俺のスタンドだ。

 

「アァン!? コノジジィ!? 排除シテモイインダヨナァ~? 排除排除排除ォォォォォォォォォォ!」

「な、な、な、な、何じゃこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「クレバースレイヤー! お、落ち着け……。その男は、さっきお前がナンパしていた人のお父さんだぞ?」

「ゲ……。ワ、悪カッタヨ……」

 

 どうやらクレバースレイヤーは余程ホリィさんに惚れたのだろうか、なんとすぐにその場から消え失せた。いや、違う。「ホリィ!」と叫びながら、再び廊下を走り出したのだ。もう本当に制御できるか分からねぇよ、畜生が……。

 

「あ、あの……。ジョセフさん……」

「……娘はやらん! 娘はやらんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「ちょ、待ってください! ホリィさんをナンパなんて――」

「しとるじゃろうが! なんという日本人だ! どういう教育を受けていたんだ!」

 

 それから俺は軽く1時間以上ジョセフに説教されつつ、アブドゥルはそのやり取りを楽しんでいた。そんな俺のことを気にせず、俺の馬鹿スタンドははホリィさんをきっとナンパしてるんだろうな……。泣けるぜ……。

 

 

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