スターダストクルセイダース~俺のスタンドがイカれてる件について~ 作:四五茶
「……ふむ、大輔。幾つか質問をしたいのだが?」
「えぇ、どうぞ」
冷静になったジョセフから軽く質問をされた。出身地、年齢、会社の名前などなど聞かれ、それに対し俺は答えるのだが、不可解な点が幾つか存在するのは明白だ。それは『何故突如学校に現れたのか』という点と、『スマホという物の存在』に関してが大きいだろう。ジョセフやアブドゥルも頭を悩ませるが、俺ですら理解できない。が、ジョセフやアブドゥルに聞いたのだが、『
「……ジョセフさん、もう一度言ってくれませんか?」
「
つまりここは過去の世界、しかも約30年前の日本にいることになる。1987年といえば、俺がまだ生まれてまだ間もない頃だ。タイムパラドックスにでも陥ったのか、いや陥ってしまったのだろう。そう納得しなければ、辻褄が合わない部分があまりにも多すぎる。
「……ジョセフさん、それにアヴドゥルさん。俺はこの時代、
「何を言ってるんじゃ、それでは未来から――」
「その通りです。俺は2020年、とある中小企業で社畜として過ごしていたはずなんです。が、気がつけば俺は気を失い、お孫さんの承太郎君に蹴飛ばされて目覚めました。その時にスタンド能力に目覚めたというべきか……。いや、とにかくです。2020年では公衆電話はほぼ撤去されてますし、女子高生もお洒落をしまくっていますよ」
「ふむ……。何とも不思議じゃが……、にしてもこのスマホというものは凄いのぉ~! 電話は出来んのかのぉ?」
「電話は出来ませんし、ネットも勿論繋がるはずがありませんね。電波が立ってないでしょ? 圏外ですので、残念ながら使える機能は写真くらいですね」
俺はスマホを使いジョセフやアブドゥルを撮影してみせ、更には動画も撮影できることを見せた。「OH MY GOD!」と言いながら興奮するジョセフは、俺のスマホを取り上げると色々と操作してみせ始めるのだが――。
「ん? 何じゃこれは?」
俺に見せてきたのは、検索エンジンの画面だ。そんな馬鹿なはずがない! 何故ネットが使えるかどうか分からないが、ま、まさか……。
「す、すみません! ちょっと貸してもらえませんか!?」
俺は思わず手に取り、すかさず市外局番を入れ、ある番号に電話をかける。
――Prrrrr……Prrrrr……ガチャ……
『はぃ、もしもし?』
っ!?
こ、この声は、ま、まさか……!
「お、おばあちゃん?」
『はぃ? どなた様でしょうか?』
「っ!? い、いえ……、あ、朝倉さんのご自宅でしょうか?」
『えぇ、そうですが?』
「……す、すみません、で、電話番号を間違えたようです。あ、ありがとうございます……」
『いえいえ。間違いは誰にでもありますので……』
――ツー……ツー……
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……!」
1年前、俺の祖母は死んだ。死因は癌であり、俺は大のおばあちゃん子だった。まさか祖母の元気な声を聞けるなんて……、畜生……。ハハハ、たった数秒だけですら俺にとって十分すぎるほどだ。祖母の声がまた聞けた、聞けたんだ……!
ジョセフやアヴドゥルの目の前で咽び泣き、スマホを再びジョセフに手渡した。「……電話出来ますね」とだけ言うと、ジョセフは俺の肩をポンポンと叩き、心情を察してくれたのかある助言をしてくれた。
「良いか、大輔。二度と自宅に電話するな」
「っ!?」
「もしワシが人生をやり直せるならば、ワシの友人を一人である場所に向かわせなかったであろう。死は受け入れねばならんのじゃ。でなければ、お前は『成長』せんぞ? 良いか、辛くなったらワシ達に何でも話すがいい。ワシでよければ……、ワシを父親だと思うがいい」
「……ジョセフさん、見ず知らずの俺を……」
「ガハハハハハ! こう見えても年齢を重ねているからのぉ~! ……とにかくじゃ、ワシと一緒に行動しなさい。何とか元の時代に戻れるような方法を考えようではないか。スピードワゴン財団に協力してもらえば、きっと大丈夫じゃ! ガハハハハハ!」
そう言うとジョセフは俺を優しく、そして力強く抱き締めてくれた。
俺はジョセフの胸の中で何度も祖父の名を叫び、泣き続けた。