逆柱は嫌われている   作:星天さん

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それぞれの役割

御影、村田、炭治郎、伊之助の四人は、襲いかかる隊士を相手に傷つけないように立ち回っていた。御影と炭治郎は襲いかかる隊士との戦いの中で、隊士達の背中に蜘蛛の糸がくっ付いているのを発見し、隊士達は蜘蛛の糸で操られている事に気づいた。御影と炭治郎は隊士を操っている蜘蛛の糸を斬るが、そこら中に居る蜘蛛達がくっつけるせいで、キリがない戦いを強いられていた。

 

 

「斬ってもキリがないな...」

 

「今すぐに、隊士達を操っている鬼の匂いを嗅いで向かいたいんですが、変な匂いのせいで鼻が上手く機能しません!」

 

隊士達を操っている鬼が居る場所を炭治郎の嗅覚で探してもらおうとしたのだが、風に乗って変な匂いが山に充満しているみたいで、鼻が効かないみたいだ。縛道で操られている隊士の動きを封じるのは簡単だが、俺はあくまでも炭治郎と禰豆子の監視、炭治郎の任務先で何かあれば死なない程度に援護するのが耀哉からの指示だ。だけど、流石に埒が明かないからどうするかと考えていたら、悠々と戦う伊之助が目に入った。

 

「おい伊之助!」

 

「何だ!水羊羹!」

 

「御影だ!それより、お前は鬼が何処に居るのか見つける事が出来るか?」

 

炭治郎は鼻、善逸は耳、今現在、俺の周りには五感の内の一つが優れている人間が近くに居る。もしかしたら、伊之助も炭治郎や善逸の用に、五感の内の何か一つが優れているかもしれないと刀を振っている伊之助に声をかけた。

 

「あ?出来るぞ?」

 

「なら、鬼を見つけて炭治郎と一緒に行ってこい!」

 

「はあぁぁ!!なんで俺様が権八郎なんかと!」

 

これから伊之助と炭治郎は合同任務になる事が有りそうな予感がしていたから、少しでも連携が取れるようになってもらいたくて一緒に行く様に言ったのだが、一人で行くと言って断られてしまった。仕方が無いから、伊之助に奥の手を出した。

 

「この任務が終わったら、腹一杯になるまで天麩羅を食わせてやる」

 

「本当か!?直ぐに片付けに行くぞ権八郎!!」

 

藤の花の家紋の家で食べた天麩羅を伊之助が気に入った様で、藤の花の家紋の家に滞在中は、毎晩ずっと天麩羅ばかりを伊之助は食べていた。伊之助は二本の日輪刀を地面に刺すと、両手を大きく広げて呼吸を整えていた。

 

 

 

 

「獣の呼吸・漆ノ型 空間識覚!!」

 

御影から腹一杯になるまで天麩羅を食わしてやると言われた伊之助は直ぐにやる気を出し、地面に二本の日輪刀を刺して大きく両腕を広げた。御影が思った通りに、伊之助は炭治郎達と同じ様に五感の一つ・触覚に優れていた。伊之助は自分で作り出した獣の呼吸で、優れた触覚を更に研ぎ澄まし隊士達を操っている鬼が何処に居るのかを探した。

 

「見つけたぜ!」

 

「炭治郎!!此処は俺と村田で引き受けるから、お前は伊之助と共に鬼が居る場所に行け!」

 

「で、でも御影さん!2人だけじゃ...」

 

「迷うな!今、お前がするべき事は俺らの心配じゃ無いだろ!!それに、俺らはお前に心配される程、弱くない!さっさと自分の責務をはたせ!!」

 

この場を御影と村田だけに任せて離脱する事を躊躇っていた炭治郎は、御影に喝を入れられていた。御影の言葉に炭治郎は糸で隊士達を操っている鬼の元へ伊之助と向かう事を決意し、伊之助と共にその場から離脱して鬼の元へと急いで向かった。

 

 

 

 

「行ったか──縛道ノ六十一・六杖光牢」

 

炭治郎と伊之助が完全にこの場から離れてから、糸で操られている隊士の動きを六杖光牢で封じ込めた。糸で隊士達を操っている鬼は、突然動かなくなった隊士に焦っているようで、隊士を必死に動かそうと糸を動かしているのが見えた。

 

「あいつらに任せて大丈夫なんですか?御影さんが行けば直ぐに終わるでしょ?」

 

「あのな...。そんな事してたら新人隊士が育たないだろ?死にそうになれば助けに入るが、死にそうじゃないなら新人に戦闘経験を積ませる為に戦ってもらうのが俺のやり方だ」

 

操られている隊士達の動きを封じ込める事が出来たことに、村田は安堵して地面にヘタリ込みながら、鬼退治に行かせた炭治郎と伊之助の事を心配していた。だが、村田の心配は杞憂に終わり、隊士達を操っていた糸は全て切れた。六杖光牢を解くと操られていた隊士達は、糸が切れた操り人形の様にグッタリしながら地面に倒れていった。

 

「休憩はお終いだ。さっさと次の所に行くぞ!」

 

此処より少し離れたところから、雷の音が聞こえてきた。満月が光り輝き、空には雲一つも無い夜に聞こえてきた雷の音を俺は雷の呼吸の使い手...道に取り残した善逸が来ていると判断した。あの三人が鬼と戦っている間に、存命している隊士を救助する為に動いた。

 

「あ、待っ────」

 

村田は自発的に来ると思って、少し前を歩いていたら村田の声が聞き取りずらくなった。村田が居る後ろに振り返ると、村田が居た所に糸の塊が出来ていた。糸の塊の横には、全身真っ白の美少女と言っても過言では無い女の鬼が立っていた。糸の塊からは村田の助けを求める声が微かに聞こえてきた。




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