逆柱は嫌われている   作:星天さん

15 / 35
これにて那田蜘蛛山編を終了とさせていただきます。
次章は[柱合会議編]に入らせていただきます。

柱合会議に入る前に現柱を紹介します。

岩柱・悲鳴嶼行冥 逆柱・御影透也

双水柱・冨岡義勇 ・鱗滝錆兎

炎柱・煉獄 杏寿郎 風柱・不死川実弥

蟲柱・胡蝶しのぶ 恋柱・甘露寺蜜璃

愛柱・愛崎姫乃 霞柱・時透無一郎

蛇柱・伊黒小芭内 霞柱補佐・時透有一郎

以上が現鬼殺隊柱になります。


招集

村田の元を離れ、薄暗い那田蜘蛛山の中を駆け抜け、炭治郎の元に急いだ。那田蜘蛛山に入る前に霊圧感知で感じた気配は4つ、4つの中で一際大きな気配を感知していた。大きな気配を持つ鬼の所に、炭治郎と禰豆子が居る事を感知した。あの鬼が残した遺言が正しければ、炭治郎と禰豆子が戦っている鬼は十二鬼月だ。炭治郎達にとって強敵だ、この戦いで炭治郎と禰豆子は必ず生還出来るって根拠は無いけど…何故か分からないが二人は必ず生還すると勘が訴えていた。

 

「透也…」

 

「驚いた…義勇か。お前も那田蜘蛛山に来ていたのか」

 

「ああ、御館様からの命でこの山に来た。透也は長期任務では無かったのか?」

 

「竈門炭治郎及び竈門禰豆子の監視をする任務だ」

 

普段から無表情の義勇だが、俺が炭治郎達の監視をしていることを伝えると動揺していた。目をキョロキョロさせながら何かを言おうとオロオロしている義勇は、小さい子が迷子になって困っている様な感じで可愛い…。

 

「耀哉から禰豆子を監視しながら守ってくれと言う任務だから、二人に危害を加えたりしないから安心しろよ」

 

「そうか…」

 

二人に危害を加えるつもりは一切ないと伝えたら、義勇は安心したのか、ホッと息を吐いた。とりあえず、義勇に炭治郎の元に増援に向かうと伝えると、義勇も一緒に行く事になった。

 

「そういえば…」

 

「どうした義勇?」

 

「透也に会う前…猪の頭を被った人間?に会った…」

 

義勇は俺と合流する前、鬼に顔を握り潰されそうになっている伊之助を助けて来た事を話し始めた。俺は伊之助の命を救ってくれた事に感謝すると、任務が終わったら鮭大根を作って欲しいと頼み込まれた。義勇の頼みを承諾したら、ムフフと不気味な笑い方をしていた。

 

軽口を叩き合いながら薄暗い那田蜘蛛山の中を移動していると、炭治郎と禰豆子の気配が徐々に近くなっていた。1分もしない内に炭治郎と禰豆子の元に辿り着くと、二人は地面に倒れ伏せ、全身真っ白な鬼だけが立っていた。倒れている炭治郎に真っ赤な糸が覆いかぶさり、炭治郎に次々と傷を与えていた。

 

「義勇!」

 

「分かっている!」

 

炭治郎に覆いかぶさっている真っ赤な糸を義勇に斬らせ、俺は炭治郎と禰豆子を回収した。炭治郎と禰豆子を回収した俺は、義勇の間合いに入らないように下がり、二人を地面にゆっくりと降ろした。

 

「み…かげさん…」

 

「良く…頑張ったな炭治郎、禰豆子」

 

「後は任せろ…」

 

「次々と現れて僕の邪魔をするゴミめ!!」

 

俺達の登場に全身真っ白な子供の鬼が怒りだし、攻撃を仕掛けようと俺達に向かって手を翳した。手を翳すと真っ赤な糸が渦を巻きながら現れた。

 

「僕の邪魔をするゴミは殺す!! 血鬼術・刻糸輪転!!」

 

鬼が放った血鬼術は俺達に近づくにつれ、大きくなっていた。迫り来る血鬼術に俺と義勇は全く動揺せずに、当たったら体がバラバラになりそうな血鬼術を対処する為に動いた。

 

「透也は炭治郎の治療を頼む…」

 

「はいよ」

 

俺は珠世さんから貰っていた消毒液を自分のハンカチに垂らし、糸で切られている顔や手足の傷を拭いた。消毒液が染みて痛そうにしている炭治郎には我慢してもらい、傷ついた部分を全て拭いてから包帯を巻いた。

炭治郎の手当が終わる頃、義勇は鬼を倒し終わっていた。義勇が倒した鬼は首と肉体が離れ灰になりそうにも関わらず、鬼の肉体は俺…いや、炭治郎と禰豆子の元に来ようとしていた。だが、灰に変わる方が早く、俺達の元に着く前に鬼の体は灰に変わり、その場に残ったのは鬼が着ていた衣服だけになっていた。

 

「那田蜘蛛山から鬼の気配は無くなったな…」

 

「そうか…。任務はこれで終わりの様だ…」

 

「そうだな、あとは炭治郎と禰豆子をどうするかだ。もう1人来ている奴にバレたら面倒だ」

 

俺がそんな事を言った瞬間、面倒事が俺を嘲笑いながらやって来た。負傷している炭治郎と禰豆子を抱えようとした時、蟲柱が禰豆子を殺そうと、刀を抜き襲いかかって来た。俺は蟲柱の刀を弾こうと逆撫を抜こうとしたが、義勇が蟲柱の刀を代わりに弾いてくれた。

 

「何故、邪魔をするんですか冨岡さん?今、御影さんが抱えている女の子は鬼ですよ?」

 

「チッ!! 面倒なのが来やがった。義勇、俺はこの二人連れて逃げるから後はよろしく」

 

「待ってください御影さん!刀を収めますので、話を聞いてください!」

 

「この場は俺が持つ…二人を頼む」

 

今更何の話するのか検討はつかないが蟲柱を無視して、義勇にこの場を任せて、炭治郎と禰豆子を抱えて移動した。

 

 

 

 

 

私は罪を犯しました…。

ちゃんと貴方の言葉に耳を貸さず、柱合会議で会う度に傷つける言葉を吐き続けていた自分を殴りたいと思う程後悔をしていました。

 

「あの鬼は殺さないので、そこをどいてもらえませんか冨岡さん?」

 

「先程、透也に話があると言った…。透也に何の用だ?」

 

「ただ、聞いて欲しい話が「また、透也を傷つけるつもりか?」違います!! 私は御影さんと話がしたいだけです!!」

 

「聞いて欲しい話?罵倒の間違いでは無いのか? 他の柱と共に透也に柱を辞めるようにと迫っていたのは誰だ…。 また、透也を傷つけるつもりなのか?」

 

冨岡さんの言ったことに私は反論出来ず、ただただ俯く事しか出来なかった…。冨岡さんの言った通り…私は他の柱達と一緒に柱を辞めるようにと、御影さんに言ったことがありました。当時の私は唯一の肉親である姉を傷つけられ、まともな判断が出来ておらず、噂を鵜呑みにしてしまい、御影さんを傷つけた。

 

「俺にとって、透也は大好きな姉を救ってくれた大恩人。俺はお前とは違い、姉を救ってくれた大恩人に対して感謝が出来る人間だ…。だから、透也を傷つける人間を、透也に近づけさせる訳にはいかない!!」

 

更にかけられた冨岡さんの言葉に私は、鎹鴉からの指示が来るまでその場から動けず固まっていました。

 

 

 

 

俺と禰豆子は、御影さんに抱えてもらいながら那田蜘蛛山の中を移動していた。ヒノカミ神楽で体中に痛みが走っている俺の体を御影さんは労わってくれて、優しく抱えてくれた。

 

「ごめんなさい御影さん…。御影さんも疲れているのに運ばせてしまって」

 

「お前ほど疲れてねぇよ。それより、舌噛むからあまり喋らない方が良いぞ?」

 

御影さんの指示通りに止まるまで話さないようにしようとした時、空から女の子が降ってきた。降ってきた女の子の手には刀が握られ、禰豆子を斬ろうと刀を振り下ろそうとした。御影さんに避けるよう言おうとしたけど、俺が言うよりも早く刀を避けた。

 

「あっぶな!」

 

「・・・・・・」

 

女の子は一度だけ刀を振り下ろしただけで、それ以上は刀を振るう事は無かった…。女の子が攻撃してこないと分かった御影さんは、再び俺と禰豆子を抱えたまま動き出そうと足を動かそうとした時…チャリンという音が聞こえた。

その音が聞こえた瞬間、足を動かそうとしていた御影さんの足が止まり、嬉しい匂いと悲しい匂いが御影さんから感じた。

 

「待ってください御影さん…。私を覚えてますか?」

 

「ああ…覚えてる。大きくなったなカナヲ…それをまだ持ってるとは思わなかった」

 

御影さんは暖かく優しい表情で、女の子の問いに答えていた。

 

 

 

 

 

─自分で決められなかったら、この銅貨で決めたらいい

 

─カナヲはシャボン玉好きか?

 

─これはラムネって言ってな、甘くてシュワシュワで美味いぞ

 

私の記憶にある御影さんの顔は、何時も優しい表情をしていた。私が何かをした時、褒めながら撫でてくれた手はとても暖かった。だけど…ある日を境に御影さんは蝶屋敷に来なくなった。

 

○逆柱は花柱・胡蝶カナエを囮に使い上弦ノ弐から逃げ帰った

 

○逆柱は瀕死状態の花柱・胡蝶カナエを襲おうとした

 

○逆柱は女を見境なく手を出す獣

 

カナエ姉さんが上弦ノ弐との戦いで負傷し、蝶屋敷に帰ってきてからそんな噂が流れていた。その噂を耳にした師範は、御影さんに蝶屋敷への立ち入りを禁じた。蝶屋敷の立ち入りを禁じてから今日まで、御影さんには一切会えなかった…。

だけど、今日会う事が出来た。やっと会う事が出来た御影さんの顔は、あの時と変わらず優しい顔だった。

 

「御影さんの噂を聞きました…」

 

「そうか…」

 

「私は…御影さんがあんな事する筈無いと思ってます…」

 

『カァー!伝令!竈門炭治郎 及ビ 鬼ノ女ノ子 竈門禰豆子を捕縛シ本部へ連レ帰レ!!』

 

鎹鴉からの伝令を聞き、私は日輪刀を収めた。私が日輪刀を収めると、御影さんは抱えている二人をゆっくり降ろした。二人を降ろすと、御影さんは抱えていた女の子に小さくなって木箱の中に入る様にと優しい言葉遣いで指示していた。

 

「何故此処に逆柱様が?」

 

「任務だ、それより炭治郎達を回収に来たんだろ?丁重に運べよ?」

 

「は、はい!!」

 

二人を回収しに隠がやって来た。

御影さんは二人を丁重に運ぶ様に隠に指示を出すと、隠は強くうなづいて二人を御影さんから受け取り、本部へ連れて帰って行った。二人が連れてかれると、御影さんは自分の鎹鴉から何かを言われていた。鎹鴉の話が終わると、御影さんはゆっくりと私の元に来て、私の頭に手を乗せた。

 

「ありがとう…カナヲ」

 

感謝の言葉と同時に、頭を撫でてくれた。私の頭を撫でてくれた御影さんの手は、とても暖かかった。




読んでいただきありがとうございます!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。