逆柱は嫌われている   作:星天さん

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柱合裁判…②

「「御館様の御成です…」」

 

ひなき、にちか、二人が耀哉の手を引いて現れると俺を含めた柱達は横一列に並び、片膝をついて頭を下げた。鬼殺隊に入ったばかりの炭治郎は、どうしていいのかが分からない様でオロオロしていた。オロオロしている炭治郎に俺と同じ様に頭を下げれば良いと教え、炭治郎は俺を真似て頭を下げた。

 

「よく来たね。私の可愛い剣士たち」

 

相変わらず、落ち着いた良い声をしている。さっきまで俺や禰豆子に憎悪を持っていた連中は、耀哉の声を聞いた瞬間に憎悪が収まった。

 

「お早う皆。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと。嬉しく思うよ」

 

「お館様におかれましても、御創建で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」

 

「フフッ…。ありがとう御影」

 

あの野郎…俺が珍しく挨拶してやったのに、笑いやがった。幸い、他の奴らには耀哉の笑い声には気づいてないようで、ずっと頭を下げていた。ただ、蜜璃から耀哉への挨拶をしたかったと視線で訴えてきた。

 

「恐れながら御館様、柱合会議の前に竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士についての御説明をしていただきたく存じますが、よろしいでしょうか?」

 

風柱は耀哉に、炭治郎についての説明を求めた。耀哉は炭治郎と禰豆子の事を知ってから、二人を容認していたと言った。耀哉が二人を容認していた事を知ると、柱達に動揺が走っていた。耀哉が柱達に二人を認めて欲しいと言うが、耀哉の提案に賛成側と反対側に別れた。風柱に至っては、俺、義勇、炭治郎の処罰を求めた。賛否両論の中、耀哉は鱗滝のじいさんからの手紙を1部抜粋して、ひなきに読ませた。万が一、禰豆子が人を食った場合、鱗滝のじいさん、義勇、真菰、片方の水柱、炭治郎が切腹するという一文で締め括られた。

 

「切腹するから何だと言うのか、死にたければ勝手に死に腐れよ!何の保証にもならない!!」

 

風柱の一言に炎柱が同調した。

耀哉は禰豆子否定側に、禰豆子の為に五人の命がかけられ、禰豆子否定側にかけられた命に釣り合う何かを差し出せるのかを尋ねた。耀哉の一言に、禰豆子否定側は何も言えなくなった。

 

「それに炭治郎は──鬼舞辻と遭遇している」

 

炭治郎が鬼舞辻無惨と遭遇したと分かった瞬間、音柱、風柱は炭治郎に鬼舞辻無惨の能力、姿、根城を聞き出そうとしていた。だが、鬼舞辻無惨と戦っていない炭治郎に姿以外の事が分かるはずも無く、炭治郎は俺に助け舟を出して欲しそうな表情で見てきた。仕方なく、耀哉に柱達を鎮めるように目で訴え、耀哉に鎮めてもらった。

 

「やっと見せた鬼舞辻の尻尾を掴み損ねたくない…。炭治郎達を認めてくれるね?」

 

「人間なら生かしますが、鬼は出来ません。鬼を滅してこその鬼殺隊、鬼は殺すべきだ」

 

「御影…私が君に命じた任務の報告をしてくれるかい?」

 

風柱は頑なに認め無かった…面倒臭いと溜め息をついていると耀哉が俺に任務の報告をする様にと言うと、全員に視線が俺に向いた。愛崎姫乃は憎悪丸出しで俺を睨み、愛崎姫乃教の信者である奴らは俺が今から言う事を信じないって顔をしていた。

 

「御館様から命じられた竈門炭治郎 及び 竈門禰豆子の監視任務の報告をさせていただきます…。竈門禰豆子は紛れもない鬼ですが、人を襲う素振りは全く無く、年相応の少女と言っても過言では無い行動をしていました。そして、那田蜘蛛山では竈門炭治郎と共に傷を負いながら十二鬼月である下弦の伍と戦いました。下弦の伍との戦闘により血を流していた禰豆子は、飢餓状態になっても可笑しくない状況にも関わらず、近くに居た俺、義勇、血を流していた炭治郎を襲う事は無かったです」

 

耀哉から命じられた任務の報告を終えると、一瞬だけ場が静まり返った。場が静まり返ったのは一瞬だけで、俺の報告に信憑性が無いと風柱を筆頭に愛崎姫乃教の信者達が批難してきた。非難する声を無視して、俺はその場を立ち上がり、耀哉に近づいた。

 

「にちか、大きめの桶を持ってきてくれるか?」

 

「え、あ、はい、分かりました」

 

俺は屋敷の中に入りながら、近くに居るにちかに大きめの桶を持ってきてくれる様に頼んで陽の光が入らない奥に進んだ。耀哉の屋敷に入った事に煩く騒ぐ風柱達を無視して、禰豆子が入った箱を優しく畳の上に置いた。

 

「桶で何をするつもりだい?」

 

「禰豆子が人を襲わない証明」

 

「持ってきました御影さん!」

 

「ありがとう、にちか。それじゃ、始めるからにちかは耀哉の隣に戻りな」

 

にちかを耀哉の隣に戻らせてから、禰豆子に出てきてもらう為に箱を数回叩いた。箱を数回叩いてから直ぐに、禰豆子は少し眠そうな目をしながら箱から出てきてくれた。

 

「ムー?」

 

「眠いところ悪いな、今から禰豆子が人を襲わない証明をしなくちゃいけないから協力してくれるか?」

 

「ムー!」

 

禰豆子がこくりと頷き、俺は逆撫を抜いた。

 

「ウッ…」

 

「ムー!?」

 

俺は逆撫で自分の腕を斬り、畳に血が付かないように、にちかが持ってきてくれた桶の中に血を垂らした。俺が腕を斬ると思ってなかった炭治郎、禰豆子、耀哉達、柱達が驚愕した表情で見ていた。俺の血は稀血の中でも極上、先の戦いで血を流していた禰豆子にはご馳走の筈だが──禰豆子は泣いていた。

 

「鬼が…泣くだと?」

 

禰豆子が泣いた事に誰もが驚きを隠せず、目を見開いて禰豆子を見ていた。禰豆子が泣いて、俺は直ぐに腕を止血して持っていた包帯で斬った腕に巻いた。

 

「ムー!ムー!」

 

包帯を巻き終えると、禰豆子は俺の胸をポカポカと殴った。まるで[自分を大切にして]と訴えているみたいに、ポカポカと殴ってきた。俺は禰豆子にごめんと一言謝りながら、目に溜まっている涙を拭き取り、箱の中に戻ってもらった。

禰豆子が泣くという驚きはあったものの、禰豆子が人を襲わないという事が証明され、禰豆子の斬首は無くなり、柱合裁判は終わった。炭治郎と禰豆子の二人は治療の為に蝶屋敷へと運ばれ、産屋敷邸から居なくなった。

 

「これから柱合会議を始めようと思うんだけど、腕は大丈夫かい御影?」

 

「ちょっと斬り過ぎて縫わないといけないみたいだ。まあ、蔦子さんに後で縫ってもらうから大丈夫だ。柱合会議くらい参加出来るから出るぞ?」

 

「無理はしないようにね?」

 

「ハイハイ」

 

ひなき、にちかの二人からも心配されながら柱合会議を行う部屋に移動した。移動している間、蟲柱はずっと俺の腕を見てくるし、愛崎姫乃は炭治郎を逆ハーレム要因に加えたいのか、余計な事をしやがってと言う様な視線を向けてきていた。




大正コソコソ話!

透也は仲の良い柱には名前呼び、仲の悪い奴・どうでもいい奴は○柱 又はフルネームで呼ぶ!

大正コソコソ話!!

禰豆子が泣いた時、透也は誰よりもパニックになっていた!






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