逆柱は嫌われている   作:星天さん

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それぞれの役割

白也が協力してくれたお陰で血鬼術が解け、居心地の良かった世界から抜け出すことが出来た。俺が目覚めるのを心配そうに待ってくれていた獪岳に一言謝り、状況を判断しようと周りを見渡した。

血鬼術に掛かる前は綺麗な内装の無限列車だったが、今では気持ち悪い程肉々しい内装に変わっていた。変わったのは内装だけでなく、肉壁から生えてくる触手が未だに眠っている乗客に襲いかかろうとしていた。

俺と獪岳は触手が乗客へ襲いかかる前に、刀を抜いて気持ち悪い触手を斬った。

 

「どうしますか師範!!」

 

「俺達は此処から後ろの車両に乗っている乗客を守るぞ!!前の車両は炭治郎や柱二人が戦っているみたいだ!!」

 

前車両で炭治郎達や柱二人が戦っているのを霊圧探知で感じ取った。人員が足りている前車両は任せ、手薄になっている後ろの車両を守る事にした。俺達は直ぐに行動を移し、無限列車の所々から眠っている乗客を狙って生えてくる触手を斬った。

 

「何故、此処にお前がいる──────御影透也!!」

 

「歳上の先輩には敬語付けろ炎柱?」

 

俺はその場に留まり獪岳を先に最後尾の車両に行かせ、挟み撃ちにしていく形で触手を斬っていたら、物凄い速度で俺の元に炎柱がやってきた。俺を見るや否や、めちゃくちゃ嫌そうな表情で見てきた。俺もこいつとは会いたくなかったから、同じ様に嫌そうな表情で炎柱を見た。

 

「姫乃を傷つけ、図々しくも柱の座から降りようとしない輩に敬う気持ちが無いから敬語は付けん!!」

 

「あっそ…」

 

「それよりも俺の質問に答えたらどうだ!!何故、この無限列車にお前が乗っている!!」

 

「はあ…。答えないと面倒くさそうだから言うが、御館様から直々に頼まれたから此処に居る」

 

耀哉からのお願いだから無限列車に来ているだけで、誰が好き好んでお前らと一緒の列車になんて乗りたくなかった。吐きかけた言葉をグッと飲み込んで、愛崎姫乃教の信者の質問に答えてやった。耀哉からの指令で来ていると炎柱に言ったら、疑いの目で俺を見つつも、俺が此処に居る理由に納得してくれた。

 

「お前が此処に居る理由は分かった。だが、くれぐれも俺の邪魔や姫乃には近づかないと誓ってもらおうか!!」

 

「はいはい…邪魔をしませんし、愛柱にも近づかないんで…さっさと責務を真っ当しろクソガキ」

 

「お前に言われずともそうする!!」

 

耳が痛くなる様な馬鹿でかい声を出して、炎柱は俺が居る車両から居なくなってくれた。苛つく気持ちを発散させる為に、俺は無限に生えてくる触手を斬り刻んだ。

 

 

獪岳と共に乗客を狙う触手を斬りまくっているが、次から次へと生えてきてキリが無かった…。やはり、この触手地獄を終わらせるには触手を操っているであろう鬼を倒すしかない。鬼を霊圧探知で探していると、伊之助と炭治郎が運転席に居るのを確認した。

 

「獪岳、今しがた炭治郎と伊之助が運転席に居るのを確認した。二人が居る所に鬼が居るはずだ!!お前は今から運転席に向かい、二人を援護してこい!!」

 

「俺が此処を離れると師範が一人に!!」

 

「俺の心配は要らねぇよ。だから、二人の事を頼む」

 

獪岳は師範思いの良い奴だと、胸を張って自慢を出来る程優しい奴だ。俺の指示に渋々だが聞いてくれて、炭治郎と伊之助の元へ行ってくれた。

 

「さて、もうひと踏ん張りするか…」

 

炭治郎、伊之助、獪岳に鬼討伐を託して、俺は鬼が倒されるまで乗客の命を守り続ける為に刀を振るった。

 

 

俺と伊之助は列車と融合した下弦ノ壱の首を斬る為に、列車の運転席に来ていた。互いに技を出して運転席の床を斬るが、鬼の首に届かず表面の肉しか斬れ無かった…。鬼の血鬼術で夢の世界に飛ばされては戻ってくるの連続で、どうすれば鬼の首を斬れるのかを考えていた。

 

「辞めろ…俺の邪魔をするな!!」

 

安全な所に避難させていた運転手が、鋭利な物を持って走ってきた。運転手は自分の近くに居た伊之助を鋭利な物で刺そうとしていた。伊之助を守ろうとした時、運転手の背後に黒い影が一瞬見えた。運転手の背後に黒い影が見えた瞬間に、運転手は突然力無く前のめりに倒れた。

 

「全く…何をしてんだお前ら」

 

「獪岳さん!!」

 

「お前は貝殻!!」

 

運転手の背後に見えた黒い影は獪岳さんだった。

獪岳さんがなぜ無限列車に居るのかと聞いたら、御館様からの指令で透也さんと一緒に俺達にはバレないように無限列車に乗り込んだと話してくれた。獪岳さんは、透也さんから俺達の援護に向かえと言われて来てくれたみたいだ。

 

「さて、後輩であるお前らに花を持たせてやるから鬼の首を斬るぞ」

 

「獪岳さんが斬った方が早いのでは?」

 

「妹を助ける為に強くなりたいんだろ?十二鬼月の首を斬る経験を積んでおけ炭治郎」

 

獪岳さんに鬼の首周りにある目と自身の目が合うと、強制的に血鬼術に掛かってしまうと説明した。説明が終わると獪岳さんは【見なきゃ問題は無い】と言い、獪岳さんは目を閉じた。

 

「雷の呼吸…陸ノ型・電轟雷轟」

 

獪岳さんは目を閉じたまま、鬼の首がある中心に飛び込み、周りにある目が付いている触手を全て斬った。目を閉じたまま正確に目が付いた触手を全て斬った事に、伊之助と共に驚いていた。

 

「お膳立てはしたんだ、さっさとこいつの首を斬れ!!」

 

「は、はい!」

 

「わ、分かってるわ!」

 

獪岳さんの凄さを実感していたら、早く首を斬れと怒られてしまった。俺と伊之助は直ぐに呼吸を整えて、鬼の首に技を繰り出す準備を整えた。伊之助から表面の肉は斬るから、俺は鬼の首を斬るように言われた。伊之助が最初に動き、鬼の首周りの肉を斬り、骨を顕にした。

 

「ヒノカミ神楽・碧羅の天!!」

 

俺の刃は鬼の首に届き、列車と共に鬼の首を斬った。

鬼の首を斬った瞬間、鬼の凄まじい断末魔ととてつもない揺れが襲った。鬼と融合していた列車は線路を脱線して、横転しそうになった…。

 

──────縛道の六十一・六杖光牢

 

横転しそうになる列車の両側面に光り輝く何かが、横転しそうになる列車を支えた。一体何が起きているのかと考えていたら、列車を支えている光り輝く物は透也さんがやったと獪岳は言った。

 

「炭治郎く〜ん!!大丈夫!!」

 

遠くの方から姫乃さんと煉獄さんが此方に向かっているのが見えた。二人を見た獪岳が小さく舌打ちをして、透也の元に戻ると言ってこの場から姿を消した。獪岳さんに御礼を言い忘れ、また会えたら獪岳さん、獪岳さんに俺達の援護に向かうように言ってくれた透也さんにもきちんと御礼を伝えようと思いながら、ヒノカミ神楽の影響で動かせなくなった体を休ませた。




読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

煉獄瑠火の生死について

  • 透也との出会いで生存
  • 原作通り死亡
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