逆柱は嫌われている   作:星天さん

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コメント欄で御指摘頂いた事を参考にして、編集して再登校になります。


第4話 一幕②

「竹を噛んでいるからそう見えるだけで、禰豆子は町一番の美人と言われてるんです!醜女な筈は無いでしょ!!」

 

御影さんと別れてから、愈史郎さんの後ろについて歩き、珠世さんの元に辿り着いた。珠世さんの元に行く道中で愈史郎さんは禰豆子を醜女と言い、俺は愈史郎さんに禰豆子が醜女と言った事に撤回を求めて禰豆子について語った。

 

「戻りました珠世様」

 

「おかえりなさい愈史郎...。そして、初めまして珠世と申します」

 

「俺は竈門炭治郎と言います!隣に居るのは妹の禰豆子です!」

 

お互いに自己紹介をしてから、浅草で鬼にされた男性と一緒に居た女性の様子について聞いた。女性の方は何の異常も無いらしいが、男性の方は飢餓状態の鬼になってしまい地下にある牢屋に閉じ込める処置にしたと言った。

 

「あの...人の怪我を手当して辛くありませんか?」

 

「人の怪我を手当していてもつらくないですよ?普通の鬼よりかなり楽かと思います。私は、私の体を随分弄っていますから鬼舞辻の呪いも外しています」

 

「かっ、体を弄った?」

 

鬼になった以上、人の血を見てしまったら人を食べたいと思うのが本能だが、珠世さんは自分の体を改造して飢餓状態にはならず、少量の血だけで満足して鬼舞辻無惨の呪いも外していると話してくれた。愈史郎さんも同じなのかと聞くと、愈史郎さんは珠世さんが200年の歳月と研究によって、たった1人だけ鬼にしたらしい。

 

「愈史郎を鬼にしたのは、死にそうだったこの子を延命措置の為にしました。私は鬼舞辻無惨の様に、鬼を増やそうとは考えていません」

 

この言葉を発した時の珠世さんからは嘘、偽りの無い清らかな匂いがしていた。その匂いで、珠世さんは信用出来る人だと判断した。

 

「珠世さんは鬼を人に戻す方法を知っていますか?」

 

「はい、鬼を人に戻す方法を知っています」

 

「本当ですか!?教えてください!!」

 

鬼を人に戻す方法──鬼舞辻無惨によって鬼にされた禰豆子を人に戻す方法を知っていると言った珠世さんに、その方法を聞こうと近づいたら愈史郎に投げ飛ばされた。

 

「愈史郎...」

 

「殴ってはいません!投げただけです!」

 

「それもいけません」

 

珠世さんから改めて、鬼を人に戻す方法について話してくれた。

 

「どんな傷にも病にも、必ず薬や治療方法があるのです。ただ、今の時点では鬼を人に戻すことは出来ない。ですが、私たちは必ずその治療方法を確立させたいと思っています。治療薬を作る為にはたくさんの鬼の血を調べる必要があります」

 

鬼を人に戻す薬を作るには多くの鬼の血を調べなくては行けないらしく月に2、3回、透也さんに鬼の血の採取を頼んでいると言った。

 

「禰豆子は、他の鬼と比べるとどうなんですか?」

 

「禰豆子さんは今極めて特殊な状態です。二年間眠り続けたとのお話でしたが恐らくはその際体が変化している。通常それ程長い間人の血肉や獣の肉を口にできなければ、まず間違いなく凶暴化します。しかし、驚くべきことに禰豆子さんにはその症状が無い。この奇跡は今後の鍵となるでしょう」

 

禰豆子の状態について詳しく教えもらった後、透也さんとは何時から協力関係になったのか聞こうとした時だった...。

 

「伏せろ!」

 

ドンッ!!

 

愈史郎の声で全員が伏せた瞬間、突然家の中に毬が投げ込まれた。投げ込まれた毬はまるで生き物の様に暴れ回っていた。

 

「キャハハッ、矢琶羽のいうとおりじゃ。何も無かった場所に建物が現れたぞ」

 

「巧妙な物を隠す、血鬼術が使われていたようだな。そして鬼狩り達は鬼と一緒にいるのか?どういうことじゃ。それにしても朱紗丸。お前はやることが幼いぞ!お前のせいで着物が汚れたではないか!」

 

「うるさいのう、私の毬のお陰ですぐ見つかったのだから良いだろう。たくさん遊べるしのう。それに着物は汚れてなどおらぬ神経質めが」

 

愈史郎さんの血鬼術が施されていた札がヒラヒラと地面に落ち、俺と禰豆子が入ってきた所に二体の鬼が立っていた。

 

 

 

「香しい匂い…今まで出会った稀血とは比較にならない美味」

 

上弦ノ壱の攻撃を完全に防ぎきることが出来なかった俺は、体の所々に斬り傷を作っていた。俺は鬼にとって極上な血を流している稀血、今まで会ってきた稀血より美味いらしく、鬼舞辻無惨は俺を生け捕りにして、俺の稀血ドリンクサーバーを作りたいなんてほざいていた。

 

「名を聞いておこう」

 

「名を尋ねる前に自分から言うもんだぜ?」

 

上弦ノ壱と鬼舞辻無惨に手の内をあまり見せず、血を採取するだけで体は斬り傷だらけになっていた。斬り傷だらけになったお陰で、血の採取に成功し上弦ノ壱についての情報を集める事が出来た。上弦ノ壱は戦闘時、月の呼吸を使う事──そして、元鬼殺隊士である事だ。

 

「十二鬼月...上弦ノ壱・黒死牟...」

 

「鬼殺隊逆柱・御影透也」

 

「逆柱...貴様は一人を除いて今まで出会ってきた柱より強い...誇っていい」

 

「鬼の中で最強の上弦ノ壱に褒められるなんて光栄だな」

 

炭治郎達の所に向かった二つの鬼の気配は一つに減ったし、そろそろ潮時だな。鬼舞辻無惨と黒死牟の視界を潰して逃げる準備を始めた。

 

「悪いが、俺は此処で引かせてもらうわ...。破道ノ三十二・黄火閃」

 

避けられないように、瞬歩で黒死牟の目の前に接近して黄火閃を放ち、鬼舞辻無惨のいる所まで下がらせた。

 

「やはり...お前の放つ鬼道という術は厄介だ...」

 

「鬼殺隊にこんな厄介で不快な奴が居るとは!!」

 

「そりゃどうも、次に会った時は倒させてもらう──破道ノ九十・黒棺」

 

黒死牟を鬼舞辻無惨の元まで下がらせたのは、二人纏めて黒棺の中に閉じ込める為だ。俺の作戦は成功して、黒死牟と鬼舞辻無惨を黒棺の中に閉じ込める事に成功した。

黒棺の中から二人の苦しむ声が聞こえたのを確認してから、足跡を残さないように、空中を走って炭治郎の元へと向かった。

 

 

愈史郎さんのお陰で、両手の平に目があり、血鬼術で矢印を飛ばしてくる鬼に辛勝する事が出来た。ただ、矢印の鬼が死に際に放った矢印の血鬼術で体はボロボロになり、這って動く事しか出来なくなった。

 

「辛そうだな炭治郎」

 

「み...かげ...さん」

 

「相当苦戦した様だな──よく頑張ったな炭治郎」

 

御影さんは優しい声で労いの言葉をくれた。御影さんもボロボロで斬り傷だらけなのに、動けなくなった俺を抱えて禰豆子達のいる所まで運んでくれた。

 

「お許しください!!お許しください!!」

 

もう一人来ていた鬼が、何かに恐怖をしながら泣き叫んでいた。愈史郎さんが言うには、珠世さんの血鬼術で泣き叫んでいる鬼に、鬼舞辻無惨の名前を呼ばせて呪いを発動させたと言った。

 

「炭治郎、ちょっと下ろすぞ」

 

御影さんは、ゆっくりと俺を地面に置いて帯刀している刀を抜き、泣き叫んでいる鬼に近づき首を斬った。首を斬られた鬼は、御影さんに感謝の言葉と毬でもっと遊びたかったと言い残して灰になって消えた...。

 

 

「改めて、お久しぶりですね透也さん」

 

「こうしてちゃんと会うのは二年ぶり位だな、元気そうでなによりだ」

 

「透也さんは──ボロボロですね」

 

「まあな...。それよりも、そろそろ日が昇るから建物の中に入った方がいいぞ?」

 

「日が昇る前に地下室に行きましょう、そこで透也さんと炭治郎さんの治療をします」

 

珠世さんと愈史郎は眠りこけている禰豆子を連れて地下室に向かって行った。俺は、少し回復した炭治郎に立ってもらい、立ち上がった炭治郎に背中に乗ってもらい背負って地下室に入った。地下室に着くと禰豆子は目覚めていて、珠世さんに抱きつきながら愈史郎の頭を撫でようとしていた。

禰豆子の行動は、鱗滝の爺さんがかけた暗示で二人が死んだ家族に見えているらしい。

 

「炭治郎さんの治療をお願いしますね愈史郎、私は透也さんを治療します」

 

「分かりました珠世様!」

 

炭治郎は極度の疲労とあばら骨が折れていると診断され、俺の場合は、無数の斬り傷に血を少し流して貧血と診断された。珠世さんに包帯を巻いてもらいながら、今後についての話を聞いた。鬼舞辻無惨に場所が割れてしまっているこの屋敷を手放して別の場所に移動するらしい。珠世さんと愈史郎の今後の話を聞いてからポケットに入れていた採血短刀を渡した。

 

「鬼を作り出している張本人、鬼舞辻無惨の血と鬼舞辻無惨に多くの血を分け与えられた上弦ノ壱・黒死牟の血だ」

 

「!?、ほ、本当に採取したのですね...。愈史郎から聞いた時はとても驚きましたが...」

 

「かなり骨が折れたな。鬼舞辻無惨だけを採取するつもりが、上弦ノ壱を呼び出されたからな」

 

「透也さんのお陰で、鬼を人に戻す薬の研究がかなり進みます。炭治郎さん、禰豆子さんを人に戻す日はかなり近いと思います」

 

「本当ですか!?」

 

「透也さんが鬼舞辻無惨、上弦ノ壱の血を苦労して手に入れてくれたお陰で研究がかなり進みますので必ず禰豆子さんは人間に戻れます」

 

禰豆子が近いうちに人に戻せると聞いて喜んでいた炭治郎に珠世さんは、炭治郎に禰豆子を預けないかと提案をした。珠世さんの提案に、炭治郎は禰豆子と互いに顔を見合わせて少しだけ考える素振りを見せて答えを出した。

 

「珠世さん、ありがとうございます。でも、俺たちは一緒に行きます。離れ離れにもなりません。もう二度と」

 

「わかりました...。では、貴方達の武運長久を祈ります。透也さん、新たな住居に移転次第、茶々丸に手紙を届けさせます」

 

「分かった。治療、ありがとう珠世さん」

 

「じゃあな、俺たちは痕跡を消してから行く。お前らも、もう行け!!」

 

禰豆子を箱の中に入ってから、地下室を出ようと階段の方へと向かい、俺と炭治郎は珠世さんと愈史郎に再度礼を言ってから階段を登ろうとしたら、愈史郎が炭治郎の名前を呼んだ。

 

「炭治郎!!お前の妹に醜女と言った事を訂正する...お前の妹は美人だ」

 

「当然です!なんて言ったって町一番の美人ですから!」

 

炭治郎は嬉しそうに言いきって、階段を登って行った。

 

「素直になったな愈史郎」

 

「う、うるさい!お前もササッと行け!御影透也!」

 

「はいよ、またな珠世さん、愈史郎」

 

今度こそ、珠世さんと愈史郎に別れを告げてから地上に出た。地上に出ると、太陽が登っていて地上を照らしていた。

 

「御影さん!次の任務に行きましょう!」

 

「はいよ...。今行くから大きな声を出すな、肋折れてるだろ」

 

「長男なんでこの位我慢できます!」

 

「全く...我慢するなよ炭治郎。お前が長男だろうと、この場は歳上の言うことを聞いて甘えろ」

 

あばら骨が折れている筈なのに、元気に振舞っている炭治郎に溜め息を吐きながら次の任務場所へと向かった。次の任務は炭治郎と同じ新人隊士との合同任務らしい。 見込みのある面白い奴が良いなと、まだ見ぬ新人隊士に期待していた。

 

 

大正コソコソ話①

 

ボロボロになった透也の服は、透也が色んな事が起きると想定して二着色違いを持っている!!

 

大正コソコソ話②

 

炭治郎は珠世さんが笑みを浮かべる度に見惚れていた!

 




読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
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