鬱蒼と生い茂る竹林を抜けると永遠亭の裏側に出た。
相変わらず大きなお屋敷だ。
「わっかんねえな……」
妹紅さんがお手上げだ、という風に頭をかく。
「なんでわかるのよ。」
鈴仙さんがてゐさんに聞くと、
「さあね。」
と言ってどこかへ走って行ってしまった。
「なによあれ。」
鈴仙さんは腕を組んでつん、と横を向いた。
「ただいま戻りましたー……」
長い廊下に鈴仙さんの声が響いた。
「あら、早かったじゃないの。」
その近くの部屋から永琳さんが顔を出した。
手にはお茶とお菓子がのったお盆がある。
妹紅さんはなぜか嫌な思い出を思い出すかのような顔をしていた。
「はい。雨が降りそうでしたので。」
「師匠、そのお茶は?」
「ああこれ?」
永琳さんがお盆を持ち上げる。
そのとき、お茶がぐらっと傾いて大きな音を立てた。
熱々のお茶が周囲に飛び散る。
鈴仙さんが慌ててどこかへ走って行ったかと思えば雑巾を持って帰ってきた。
「大丈夫ですか!?」
「あら平気よ。私もいい雑用係をもったわねえ。」
「褒めてるんですかけなしてるんですか……」
文句をいいながらもテキパキと動いて辺りはすっかり元通りになっていた。
「永琳ー!凄い音したけどどうしたのよ?……ってなにもなってないじゃない。」
その近くの部屋から輝夜さんが顔を覗かせる。
「しかも妹紅までいるじゃないのよ。なんでいれたのよ。」
「異変解決に協力していただいたので。」
永琳さんを恨めし気に見ていたが、その言葉ですぐに得意げな顔になる。
「じゃあ私の下で妹紅はせっせと働いていたってことね。いい気味だわ。」
「あ?私はお前みたいなニートの下で働いていたつもりはないがな。」
「どういう意味かしら?仕事なんてあんたもしてないようなもんじゃないの。
私には『お姫様』という立派な仕事があるの。対するあんたは何よ。何もしてないじゃない。」
「お姫様ぁ?お前が?お前みたいな奴が姫じゃあ国の奴らは可哀想だなあ。」
ギリギリと二人は睨み合っている。
間にはバチバチと火花が散っているようだった。
それを永琳さんと鈴仙さんはしらっと見ている。
日常茶飯事ということなのだろうか。二人には仲良くしてほしいけどなあ……
ガンっと永琳さんが二人の頭を叩く。
物凄い音がしたが大丈夫なのだろうか。
「まったくもう。お客様がいるのに。お恥ずかしい。」
「私だってお客様だけどな……」
妹紅さんがぶつぶつと文句をいう。
「お客様ですか?」
私が訪ねると和室へと案内された。
先程まで輝夜さんがいた部屋だ。
「里の奴らじゃないか。」
妹紅さんが言ったように里の男の人達がそこに座っていた。
「でも師匠、どうして人間を中にいれたんですか?」
「ちょっと可哀想じゃないの。輝夜もいいって言ってたし。」
鈴仙はまだ不満がありそうだ。
「はい、お茶とお菓子です。まあこの異変も明日になれば収まるでしょう。」
「これはありがたい。」
「少し申し訳なくなりますね。」
永琳さんが言うと里の人達はにこにこと笑ってお茶を啜った。
この様子だと大丈夫そうだな、と少し安心できた。
「えっ?いない?」
私は人里の人達の前で唖然としていた。
あの少年が気になったのだ。まあ妹紅さんと鈴仙さんはいないけど。
「ああ。この中に息子のおる奴は一人もおらんよ。」
「え、じゃあまだ竹林のなかに!?」
ばっと外へかけ出そうとするも止められる。
「いや。今日はこれ以上はきとらんよ。」
「そう……ですか。ありがとうございました。」
釈然としない気持ちで部屋を出る。
いない、というのはどういうことだろうか。
あの少年の勘違いだったのならいいんだけれど……
作者「里の人達難しい……」
心音「実際どんなしゃべり方してるんでしょうね。」
作者「なんかキャラが意味不明なことになってる気がするけど……
気にしないでくださいね!」
心音「気になりますけどね。」
作者「今回も読んでくださった方、ありがとうございました!」