「あら、めずらしい。」
案内された部屋に入ると部屋の真ん中にレミリアさんは座っていた。
「どうも…」
どこもかしこも真っ赤なこの館に、私は落ち着かなかった。
「さて、一体何の用かしら?」
「紫さん…です。何か、言ってませんでしたか?」
私がそういうとレミリアさんはふふ、と笑った。
「貴方は本当に外に帰りたいのねえ。
そんなに今の外の世界は素敵なのかしら。」
「いえ。帰らなくちゃいけない気がして。でも本当は私が帰りたいだけです。」
帰っても辛いかもしれないし、ここの人とも多少は仲良くなった。
でも帰らなくちゃいけない、そんな気がした。
そして何より、私が帰りたかった。
結局は自分のわがままなのである。
へらっと頼りない笑顔を浮かべた。
「そう。きっと帰れる、そんな運命が見えるわ。
ただ何故、紫は貴方に目をつけたのかしら…?」
レミリアさんの言い方からすると外にはもっと不思議な人もいるのだろう。
だとすると何故私を連れてきたのだろう?
疑問は増えるばかりだ。
「お姉様!心音がきてるんですって!?」
部屋のドアを思いっきり開けた音がした。
「フラン、ドアが壊れちゃうじゃないの。」
「ごめんなさいお姉様。」
フランちゃんには宴会のときに
『また一緒に遊んでね!』
と言われていたのだった。
それで私が来たのだ、と思ったのだろう。
「心音、さあ一緒に遊ぼ!弾幕ごっこだよ!」
やはりそうらしい。
フランちゃんはキラキラとした目でこっちを見ている。
「ごめんなさいね。今日は別の用事で来たんです。」
「そうよフラン。それに心音は弾幕ごっこ出来ないのよ?」
レミリアさんが困った顔で説得しようとしているが、
フランちゃんは聞く気がなく、「弾幕ごっこ!」とはしゃいでいる。
「いいのよいいの。ほら、イッショニアソビマショウ?」
その時フランの目が光ったような気がした。
その瞬間私は危険を感じた。
「…っ!?心音、逃げるか避けるかしなさい!」
レミリアさんが言うと同時にフランちゃんが弾幕と思われるものを出す。
……逃げるしかないね。
避けることの出来ない私は逃げることを選んだ。
「咲夜ー咲夜ってばー」
レミリアの声が聞こえる。
どうでもいいことを考えていると私の横すれすれを光る玉が通りすぎていく。
いつ当たってもおかしくない。いや、当たらないのが不思議なくらいだ。
「はあっ…はあっ…」
でもそろそろ体力の限界だった。
私が倒れそうになり、前を向くと
いつの間にか外にいた。
そこにいた二人に向かって倒れこむ。
「え!?」
「心音!なんで?」
外では門番さんと鈴仙さんが喋っていた。
2人はとても驚いていた。勿論私はもっと驚いていたけど。
しばらくして落ち着くと、私は2人にさっきまでの話をした。
~少女説明中~
「ああ。咲夜さんですね。」
話が終わると門番はまずそういった。
私と鈴仙さんは納得した。
それなら私が一瞬で移動していたのにも説明がつく。
でも私を1人で運ぶなんて大変だっただろうなあ…筋力ハンパないだろうな…
「じゃあ心音って意外とラッキーだったのかしら?」
「そうですね。咲夜さんは別の仕事をしていましたし。
心音さんは人間なのでお嬢様も心配したと思いますよ。」
門番がそういったとき、
ドゴォン!!
「「「!?」」」
紅魔館から凄い爆発音がした。
「フ、フランちゃんっ!?」
「ナンデニゲタノ?イッショニアソボウヨ。」
紅魔館から脱出したフランちゃんがこちらにだんだんと近づいてきた。
軽くいや、かなりホラーである。
「外だから大丈…ああ!今日は曇りだ!」
「れ、鈴仙さん!なんとかして下さい!」
「だんだん私の扱いが雑になっていく!?それよりあんたのご主人の妹なんでしょ!?」
「えぇっ!?心音さん…」
「無理ですよ!」
「ですよねー。」
3人で思いっきりパニックになっていると、上から何かが降ってきた。
「水?」
「いや、雨…」
雨が降ってきたと思ったらそれはすぐにザーザーと大雨になった。
「パチュリー様だ!」
門番さんの顔が明るくなる。
「あっ!フランちゃんは?」
気がついて振り返るとそこにフランちゃんの姿はなかった。
かわりに1人、人影が見えた。
「フランは館に入れといたから安心してちょうだい。
っていうか3人とも取り乱しすぎよ…」
レミリアさんの落ち着いた声が聞こえた。
「お嬢様!?雨…大丈夫ですか!?」
「大丈夫。心配しないで。傘をさしているから。」
レミリアは申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさいね。うちのフランが。
たまにこんな風に狂ってしまうから外には出さないようにしてるんだけどね…」
「いえいえ。いいんですよ。誰も怪我してないですし。」
「そう…ありがとう。またフランと遊んでくれる?」
「勿論です。」
レミリアはにっこりと笑った。いつもとは違う、子供らしい笑顔だった。
「お嬢様は妹様のことになると必死になりますよね。」
「そ、そんなことないわよ。」
門番さんが笑うとレミリアさんはあわてて顔を隠した。
しばらくするとサアァっと雨がやんで、太陽が顔を出した。
「ほら、心音。もうすぐ昼よ。姫様が待ってるわ。」
鈴仙さんはやっと帰れるーとでも言ったように伸びをして帰る気満々である。
「またいらっしゃい。」
「いつでも待ってますよー!」
そんな2人の声を背中に私は引きずられていく。
「ちょっと…あの、私まだ行きたいところが…」
「ほら!帰る帰る!今日のご飯、心音に作らせるわよ!」
「えぇー」
そんなこんなで私は竹林まで引きずられていったのでした…
作者「結構早く投稿できたかな。」
心音「これで!?」
作者「うん。でも次はもっと早くしたいです。」
心音「そうして下さい。ではここまで読んで下さった人、ありがとうございます!」