妹紅さんは私を抱えあげるとそのまま上へのぼっていった。
地面がどんどん遠くなる。
「やっ…ちょっ…わわっ」
離してーと足をバタバタさせる。
「心音!?お、落ち着けって…」
妹紅さんの体がぐらっと傾く。
強い風がふいて妹紅さんの体は突然真っ直ぐにもどった。
「妹紅さんと…そちらは心音さん、でしたっけ?」
「なんだ。お前か。」
「お前とはなんですか。清く正しい射命丸文ですよ?」
文さんは手帳とカメラを持っている。
きっと異変の取材にでも行くのだろう。
肩のカラスを乗せたまま緑で覆い尽くされている竹林の写真を取っている。
「何か異変の手掛かりとか…ないですかね?」
彼女はちらっとこちらを見る。
「ないです。私たちも今出発したとこですので。ね、妹紅さん。」
私が妹紅さんのほうを向くと彼女は呟いた。
「今日の夕飯は焼き鳥だな…」
「なんで今っ!?」
私は驚きの声をあげる。
文さんの距離が少し遠くなった気がするが…気のせいかな?
「鳥は食べないで下さいよ…兎にして下さい。」
むすっとした声で文さんは言う。
そっか…鳥だもんね…
「でも兎だと鈴仙さんが悲しみますよ?」
「じゃあ鳥だったらいいっていうんですか…」
「兎もおいしいしな。何ならいいんだって話だが。」
「牛とか豚とか?」
「それでも同じような話になりますよね?」
そこまで話したとき、話が脱線していることに気付く。
こほん、と一つ咳払いをして文さんが言った。
「とにかく!無いとわかればあなたたちに用はありません。」
そう言って逃げるように遠くの方へ飛び立っていってしまった。
「よし、着いたな。」
しばらくの間、あの格好で我慢していると妹紅さんはやっと地上へ降り立った。
目の前には大きな鳥居が立っていた。
博麗神社…だと思う。
「ここに犯人がいるんですか?」
「おそらくいないだろうな。」
妹紅さんの後に続いて鳥居をくぐるとギャーギャーと騒ぐ声が聞こえた。
「おいおい霊夢、異変だぜ?」
「こっちも困ってるの。お嬢様が急かすのよ。」
「そうですよ霊夢さんっ!早く行きましょう!」
ぐいぐいと霊夢さんの手を引っ張る魔理沙さんと咲夜さんと早苗さん…だっけ?
がいた。
「どーせあんときみたいに60年がどうとか…ってやつじゃないの?
人里とかここは影響ないわけだし。
そもそも長生きのやつも来てないしー。」
「いるぜあそこに。」
突然指さされる。
4人が同時にこちらをみる。
「あ?あー…これは異変だってさ。
永淋が言ってた。ていうか鈴仙は来てないのか?」
妹紅さんが言う。
「異変か…あーあ、めんどいなあ…」
「ちなみに鈴仙はきてないわよ。」
霊夢さんと咲夜さんが続けて言う。
鈴仙さんどこいったのかなー?
「ていうかあんたは竹林のパトロールでもしてなさいよ。
人間がいるかもしれないし。」
その言葉に妹紅さんはばつがわるそうに頭をかいた。
「いや…それが…私も道が分かるかどうか…」
「なんとかならないんですか?」
「竹が成長していないのなら……」
その場の全員は竹林の方をみる。
明らかに私達が出てきたときに比べてさらに増えている気がする。
風に揺られてごうごうと大きな音をたてていた。
「…だめね。」
はぁ…と全員がため息をつく。
「心音さんは覚えてないんですか?」
早苗が聞く。
「妹紅さんちから永遠亭までなら覚えてるんですが…」
「覚えてる?私といったの1回だけだろ?」
「今は頭がからっぽですから。」
そう言って私は自分の頭を小突く。
「ていうか私達、家に帰れるのでしょうか?」
「あ」
「私のとこは無理よ。」
「私の家もやめてほしいわね。」
「私のとこは別にいいですよ?信仰集めに協力してくださるなら。」
「私ん家は狭いからなー」
妹紅さんが呟いた瞬間冷たい言葉を発する4人。
妹紅さんはくるりと向きをかえた。
「慧音んとこ行くか…」
「帰る家もないですしね。」
私達は大きなため息をついた。
心音「異変がこの話でもついにはじまりましたね」
作者「そーだね」
心音「返事が適当ですよ。」
作者「眠い……」
心音「えっ。この時間に?」
作者「うん。来週も投稿できるといいね。」
心音「そうですね。」
作者「読んでくださった方、ありがとうございました!」