ガラッと慧音さんの家の扉を開ける。
「慧音!」
妹紅さんは家の中に向かって叫んだ。
が、そこに彼女の返事はなかった。
「いないのか…どこいったんだ?」
「生徒さん達と話してたりしてるんですかね?」
私がそういうと同時に家の扉が開かれた。
「ねぇ…これなんとかしてよ…」
弱々しい鈴仙さんが男の子を引きつれて立っていた。
私達は涙目の男の子を横目に話をしている。
慧音さんの家に勝手に上がりこんでいるわけだがいいのだろうか…
「お前…ついに人間に手を出し始めて…」
「違うわよ!」
鈴仙さんはバン!と勢いよく机を叩いた。
そして男の子を指さす。
「この子が…」
「ねぇお姉さん、お父さんがいないの…」
鈴仙さんの言葉を遮るように男の子は言った。
妹紅さんのもんぺの裾をぎゅっと握る。
そして妹紅さんを見上げた。
見た目は…五歳くらいだろうか。
「あのなぁ…異変が起きたのはさっきのことだろ?
いないって言ってもそんなすぐ帰ってこないだろ。」
「でも皆が竹林がもっさもさだーって…
お父さん竹林にいっちゃったの。皆、諦めてって。」
「あー…」
妹紅さんは頭をかく。
こちらに向かって困った顔をしている。
「結局行かないといけないってことか?」
「霊夢さんたちの解決次第になりますが。」
「でもあいつら解決なんてぱぱっとやっちゃいそうだけど。」
「そうだな…」
妹紅さんは少し考えると男の子の肩を持って目線を合わせた。
そしてできるだけ優しい声で言った。
「あのな、こういうことは巫女さんがやるんだ。
私達はそれを待ってるだけでいい。今日中には解決するから。な?」
「うん……」
男の子は頷いた。しかしその顔はまだ暗い。
妖怪に声をかけるほどこの子は周りに冷たい反応をされたのだろうか。
親…か。忘れてしまったであろう親のことを考える。
「……?」
なぜだか心臓がドクン、と跳ねたような気がした。
「どうしたの?」
「なんでもないですよ。」
私は適当にごまかす。
そしてわざと明るい声で言った。
「私、この子のお父さん探しに行きたいです!」
「え?」
「だって竹林の中には他の人もいるでしょうし。」
「でもねぇ…」
「ま、行くか。」
男の子のキラキラした瞳に耐えかねてか、妹紅さんが言った。
鈴仙さんはじとーっと妹紅さんを見ていた。
それに気づいた妹紅さんは目を逸らす。
「ありがとうお姉ちゃんたち!」
その言葉に私達は行かなくては、という使命感を感じた。
ちょっとというか、かなり小さい子に弱いんじゃないかと思った。
「はぁ…どうすんのよ。」
鈴仙さんが言った。
私達2人はつい、言ってしまったのだが迷わないという保証がない。
私達が迷ってしまったというのなら目も当てられない。
ミイラ取りがミイラに、というやつだ。
「っていうか妹紅さん子供の扱い上手ですね。」
慌てて話を逸らす。
「慧音の真似だよ。いつもこんなことしてるから…」
「私がどうしたって?」
突然後ろから声がした。
「男の子が私の家から出てきてびっくりしてきてみたら…
お前たちは人の家でなにをしているんだ…」
慧音さんがやれやれと首を振って立っていた。
「…と、ここで説教をしたいところだが
お前たちに一つ、頼みがある。」
「異変のことかしら?」
「察しがいいな。そうだ。幸い人里に影響は及んでいないが、
はやく解決してくれ、という苦情が多々あってだな…」
「霊夢さんたちが動いてますよ。」
「そうか。それはよかった。」
先ほどの心配そうな顔から安堵の表情になる。
「それじゃ、私達は行きますね。」
「そうか…って家には帰れるのか?」
「……」
完全に忘れていた。
私達は思いっきり頭を下げた。
「「解決しなかったら泊まらせて下さい!!」」
「別に構わないが、そんなに必死にならなくても…」
頭を上げると慧音さんが少し、困ったような顔をしていた。
作者「この三人は話し方が皆違うから書きやすいね。」
心音「そうですか?ちょっと分かりにくいところもあると思うんですけど」
作者「そこは目を瞑ってください。ね?」
心音「もっと上手に書けるようにしてくださいよ」
作者「頑張りますよ。では、読んでくださった方ありがとうございました!」