デート・ア・ライブ~二天龍を従えし者~   作:眠らずの夜想曲

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第2話~作戦会議?一応やっとく?~

―――フラクシナス。

 

 

現在、俺は琴里をデレさせるのにはどうすればいいかの会議に出席している。

進行をしているには神無月だ。

 

 

「よく集まってくれました、諸君。緊急事態につき、司令に代わって私、神無月がこの場を仕切らせていただきます。―――刃くん、しばらくお付き合い頂けると幸いです」

「あぁ」

 

 

俺がうなずくと、神無月は満足げに首肯して言葉を続けた。

 

 

「では、早速本題に入りましょう。以前から司令の身体について知っていた者、今回の件で始めて知った者……様々いるでしょうが、どうか協力をお願いします。―――今日の議題は、二日後に迫った五河司令と刃くんのデートプラン作成です。各々持ち寄った情報を紹介しあい、司令が心から楽しいと思える一日を演出するのです」

 

 

そう言って、神無月が部屋に並んだクルーたちを見回し―――すぅっと大きく息を吸う。

 

 

「……ヤイバ。少し耳を塞いでおきたまえ」

「ん?」

 

 

令音がそんなことが言ってきた。

なんだ?

どうしてだ?

 

 

「―――さぁ諸君。親愛なる〈ラタトクス〉機関員諸君。我らが愛しい女神の一大事だ。日頃の御恩に報いるときだ。司令が!!五河琴里司令が!!我らの助けを必要としている!!それに応える気概はあるか!?」

「「「「「応ッ!!」」」」」

 

 

神無月がよく通る声で叫ぶと、円卓に着いていたクルーたちがそれに応えるように一斉に大声を上げた。

うるさい。

 

 

「司令に褒められたいか!?」

「「「「「応ッ!!」」」」」

「司令の笑顔が見たいか!?」

「「「「「応ッ!!」」」」」

「司令に四つん這いされたのち、ブーツの踵で尻を重点的に蹴られたいか!?」

「「「「「お……ぅ?」」」」」

 

 

さすがにそこまで変態(アブノーマル)ではないようだ。

 

 

「今こそ!!我らが愛を示すとき!!謳え、高きその御名を!!」

「「「「「KO・TO・RI!!KO・TO・RI!!LO・V・E・KO・TO・RI!!」」」」」

 

 

ブリーティングルームが熱狂に沈む。

なんだここは、まるでアイドルのライブ会場ではないか。

はっきり言おう。

この〈ラタトクス〉には同志(ロリコン)がたくさんいるのだと。

 

 

「よろしい!!では報告を開始せよ!!司令の希望、司令の願望、それら全てを成就させ、我らが司令をデレさせん!!」

「「「「「了解(ヤー)!!」」」」」

 

 

神無月の声に応え、クルーたちが手もとのコンソールを操作したり、持参した資料を繰ったりし始める。

 

髪に白髪の混じり始めた、痩身の男が発言をする。

 

 

「副指令!!私が!!」

「よろしい、発言を許可する!!」

「はっ!!何より基本はプレゼント!!好みがわかっている分、通常の精霊よりもポイントがわかりやすいと言えましょう!!司令の大好物といえば皆さんもご存じ、

チュッパチャプス!!これのオリジナルフレーバーを作成し司令に献上すれば―――

!!」

「NON!!短絡的に過ぎる!!我ら程度の知識で、司令のチュパ愛を超越できると思ったか!?心せよ!!相手の愛するものこそが、最も贈るに難きものであると!!」

「……っ!!も、申し訳ありませんッ!!」

「次!!」

「はっ!!」

 

 

神無月にの号令に合わせ、別のクルーが立った。

丸眼鏡が特徴的な、いかにも次元を超えてくれそうな人だ。

3次元から2次元にな。

 

 

「司令の中学校の友達、早乙女加奈ちゃんからの情報によりますと、どうやら司令は最近携帯のアプリのブタさん育成にはまっているらしく―――」

「何やってんだおまえ!!」

 

 

俺はつい叫んでしまった。

だが、もの凄くイイ顔でビッ!!と親指を立ててきた。

 

 

「ご心配なさるな。口止め料は十分支払っておりますし、〈ラタトクス〉のことがバレぬよう、ちゃんと『琴里ちゃんに付きまとう変態ストーカー』を演じておきました!!」

「なんだそりゃ!?」

「はァ……はァ……ね、ねぇ君ィ、さっきいっそに歩いていた子と友達なんだよね……?お、お小遣いあげるから、あの子のこと詳しく教えてくれないかなァ……?」

「なんで加奈はそんな明らかに変態な奴に友達の情報を売ったのかな……」

「なんでもご病気のお母様がいるらしく、どうしてもお金が必要だったとかで。さんざん悩んだ末の決断でござりました。未だ後悔に枕をぬらしているご様子です」

「今度……会いに行って謝ろう」

 

 

じゃないと加奈がかわいそうだろ。

 

次いで、中年の男が席を立つ。

 

 

「副指令、それでは私が」

「よろしい。期待していますよ」

「はっ。―――まずはこちらをご覧ください。五月二日の映像です」

 

 

と、男が手元のコンクールを操作する。

すると円卓の中央に設えられていたモニタに、艦橋の映像が映し出された。

艦長席に、琴里が腰かけている。

どうやら何か仕事を終えたところなのだろう。

琴里は「んん……っ」と伸びをすると、手を肩をさすりながら口を開いた。

 

 

『ふぅ……疲れた。たまには温泉でも言ってゆったりしたいわね』

「「「「「……っ!!」」」」」

 

 

その光景に、居並んだクルーたちが騒然となった。

 

 

「お、温泉……だと……」

「はっ。確かに司令は仰いました。―――そこでわたしが提案するのがこちらです」

 

 

言うと同時に、モニタの映像が古風な温泉宿のものに切り替わる。感溢れる休息を!!月見ヶ原温泉三泊四日コース!!源泉かけ流しの天然温泉が、司令の凝った肩と心を解きほぐしてくれることでしょう」

「な、なるほど……!!」

「しかも、それだけではありません。この温泉、時間制ですが―――混浴があるのです!!」

「「「「「な……ッ」」」」」

 

 

再び、クルーたちが旋律が走る。

男は鬼気迫る調子でバッと両手を広げた。

 

 

「調査の結果、司令が刃くんと最後にお風呂に入ったのは今からおよそ五年前!!」

「もうそんなに入っていないのか……」

 

 

男が熱っぽく語るように続ける。

 

 

「日頃は男女を意識しない兄妹間なれど、久方ぶりの入浴で刃くんは意外な妹の成長に気付き、司令もまた、兄の身体に不思議な感情を覚える……!!理性とは裏腹に高鳴る鼓動。不意に肌が触れ合うたびに意識しあう二人……!!無論、このシーンはカメラの数をいつもの倍にして記録します!!」

「「「「「お、おぉ……ッ」」」」」

 

 

クルーたちが色めきたつ。

女性機関員も何人かいるだが、なぜか一緒になって興奮気味に鼻息を荒くしていた。

そっちの方が目的なんじゃないか?

 

 

「―――そして迎えた最後の夜。楽しいひとときもやがて終わる。そんなとっき、司令は勇気を出してこう言うのです。『……ふん、今日くらいは一緒に寝てあげてもいいわよ』」

「「「「「……っ!!……っ!!」」」」」

 

 

クルーたちがもだえるように身を捩る。

 

 

「どちらからともなく手が触れ合い、いつしか重なる身体と身体。そしてついに触れる唇と唇ッ!!嗚呼っ、おめでとうございます!司令!!おめでとうございます……!!」

 

 

円卓に着いている、令音以外のクルーが全員感極まったように涙を浮かべている。

 

 

「刃くん……司令を頼みます……」

「お願いします、どうか彼女を幸せにしてあげてください」

「一ついいか?」

「何でしょう?」

 

 

涙を流しながら問い返してくる。

 

 

「三泊四日だとさ、確実に琴里のリミットを過ぎるだろ」

「「「「「……あ」」」」」

 

 

クルーたちがポカンと口を開け、顔を見合わせた。

 

 

「―――思い出したんだけどさ」

「……言ってみたまえ」

 

 

混乱しているクルーたちの代わりに、令音が反応してくれた。

 

 

「いつだったかは忘れたが……CMでやっているのを見て、栄部のオーシャンパークに連れてって、言ってたな。うん」

「……ん、そうか。ならそこでいいんじゃないかな?」

 

 

令音が軽い調子でうなずきながら言う。

 

 

「うし、じゃあ、決まりだな」

 

 

俺がそう言うと、神無月が難しげに眉を歪める。

 

 

「オーシャンパーク……ですか。まぁデートスポットとしては王道ではありますが、明確なプランも示さずに、はい決定というわけには……」

 

 

他のクルーも神無月と同意見らしかった。

皆、承諾しかねるといった様子で口をへの字に結んでいる。

 

 

「……オーシャンパークなら琴里の可愛い水着姿が見られるのだがね」

「「「「「………っ」」」」」

 

 

しかし令音の一言に、皆が息を詰まらせた。

結構簡単に決まりそうだな。

みんな欲望に忠実と言うわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――翌日。

 

 

六月二十一日、水曜日。

祝祭日でも振り替え休日でもないのだが、来禅高校は臨時休校となっていた。

しかも、その理由が学校にいる生徒と教師が全員倒れ、意識不明状態に陥ったとかで。

幸い症状の重い生徒はいなかったらしい。

今回の件から、高校はガス管等の徹底検査をするらしく、今週いっぱい臨時休校が決定された。

 

今日は、十香と四糸乃と合流して、水着を買う予定だ。

令音から資金は渡された。

 

 

「ヤイバ!!」

『やっはー!!おっまたせー』

 

 

五河家の隣に聳えたマンションから、そんな声が響いてきた。

どうやら十香と四糸乃が来たようだ。

視線をそちらに向けると、淡い色のキャミソールとスカートを纏った十香と、サスペンダースカート姿の四糸乃が立っていた。

 

 

「それじゃあ、行こうか」

「うむ!!」

『おっけーだよー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――水着ショップ。

 

 

「そういえばヤイバ。水着とは一体何なのだ?」

「水着ってのはな、見ずに入るときに着る服のことだ」

 

 

ショップに着くと、十香が目をキラキラさせながら訊いてきた。

まさか、水着の存在も知らないとは……

 

 

「水に……?それだけのためにわざわざ着替えるのか」

「そうだぞ。水に濡れたら服が濡れて気持ち悪いだろ」

「おぉ、なるほど!!ヤイバ、さてはおまえ天才だな?」

「別に俺が考えたわけではないが……」

 

 

それにしてもカラフルだ。

もう六月も後半だからな。

店側もちょうど売り時なんだろうな。

 

まず駆けだしたのは十香だった。

不思議そうに店内を見回し、首を傾げる。

 

 

「それで、ヤイバ。水着というのはどれのことなのだ?」

「そこらへんの全部だ」

「な、なんだと……?」

 

 

十香は目を剝いて両手をわななかせる。

恐る恐るワンピースタイプの水着を手に取って、眺めて、手触りを確かめるように生地を撫でてから、何かに気付いたようにハッと顔を上げてくる。

 

 

「なるほど、そうか。これの上に何かを着るのだな?」

「いや、それだけだぞ」

 

 

十香は戦慄に染まった顔を向けてくる。

 

 

「こ、これでは身体が隠しきれないぞ!!なぜこんなに面積が小さいのだ……!?」

「うーん……動きやすいからじゃないか?」

「ぬ、ぬぅ……確かにすかもしれんが、これではまるで鳶一折紙のナントカスーツではないか……さすがに少し恥ずかしいぞ」

「まぁ、どれか気に入ってのを試着してみろよ」

 

 

四糸乃は恥ずかしそうに首肯した。

それを見た十香も、頬を染めながら、「特別だぞ」と唇を動かした。

そしてぐっと拳を握り、四糸乃に向かってファイティングポーズを取った。

 

 

「よし……では勝負だ、四糸乃!!」

「え、えと……お手柔らかに、お願い……します」

 

 

あれ?

一体何の勝負をするんだ?

 

 

「勝負にあったら何かあるのか?」

「うむ。今日私と四糸乃とで、より刃をドキドキさせた方に、刃とデェトする権利をくれるらしいのだ」

「へぇ……」

 

 

令音の奴、何吹き込んでんだよ。

別にデートくらいいつでもするんだが。

 

 

「ところでヤイバ。ヤイバは一体どうやったらドキドキするのだ?走るのか?いっぱい走るのか?」

「それはドキドキするだろうが……」

 

 

でも少し走った程度じゃあドキドキしないぜ。

 

四糸乃の左手のよしのんがカラカラ笑い声を上げた。

 

 

『あーはは、違うよー。男の子をドキドキさせるっていったら、一つしかないじゃない』

「ぬ?ではどうするのだ?」

『んー、ま、四糸乃の敵に塩を送るってのは本意じゃないけどぉ?何もしらないコに勝ってもつまんないしねー。ほいほい十香ちゃん。ちょっとこっち来たんさい』

 

 

言って、よしのんが手招きをする。

そして十香が顔を寄せると、俺に聞こえないくらい小さな声で、何かひそひそと話している。

そして、

 

 

「な……ッ!?」

 

 

話が終わるのと同時に、十香の顔がボンッ!!と赤くなった。

 

 

『ま、どーせ四糸乃には勝てないと思うけど、せいぜいがーんばってねー』

 

 

よしのんが、四糸乃を引っ張って店の奥へ歩いていく。

十香は呆然とした様子でその背を見送っていた。

 

 

「おーい、十香、大丈夫か?」

「はふん!!」

 

 

俺が肩に触れると、十香が変な声を上げて身体を震わせた。

 

 

「十香?」

「ぬ……いや、すまん。なんでもないぞ。しかし……そうか、困ったな。ヤイバはああしないとドキドしてくれないのか……」

「一体何を聞いたんだよ……」

 

 

十香はそう言いながら、水着を持って更衣室に入っていった。

四糸乃の方を見ると、まだ水着を選んでいた。

どうやら、四糸乃はワンピースタイプを希望しているのだが、よしのんが熱烈に露出度の高いセクシーな水着を推しているようだった。

 

そんな様子を見ていると、十香の入った更衣室のカーテンが、バサッと開け放たれた。

 

 

「ヤイバ!!」

 

 

言って、ワンピースタイプの水着を着た十香が、少し恥ずかしそうにその肢体を晒す。

 

 

「おぉ……」

 

 

正直、侮っていた。

ワンピースタイプ?

はっ、ビキニのがいいに決まっている。

そう思っていた俺を殴り飛ばしたかった。

確かに、ビキニほどのセクシーさはないが、十香の無垢な美しさが強調され、もの凄く良かった。

 

 

「ど、どうだ、ヤイバ!!ドキドキしたか!?」

「あぁ……いつもとは違う良さがあるぞ」

「そ、そうか!!ヤイバがそう言ってくれるなら……うん、頑張るぞ!!」

 

 

言って、十香がうれしそうに微笑む。

 

 

「そうだ十香。これを着てみてくれ」

 

 

最初に見た時から目をつけていた水着を十香に渡す。

ビキニタイプだ。

色は黒。

漆黒といってもいいような純粋な黒一色。

十香の髪の色に合うと思ったのだ。

 

 

「わ、わかったぞ!!」

 

 

俺から水着を受け取り、再び更衣室に戻っていった。

 

しばらくすると、再び更衣室のカーテンが開け放たれる。

 

 

「こ、これでどうだ!!」

 

 

そこには、先ほどとは全く印象の異なった十香がいた。

俺が今し方手渡した、大胆ながらも大人っぽいデザインのビキニを身に纏い、頬を桜色に染めながら、おへそや太股を手で隠そうとし―――しかしそれはでは意味がないと手を退かし、を落ち着かない様子で繰り返す。

 

 

「す、すごすぎる……」

 

 

俺は女の子の水着を見慣れているつもりだった。

『ハイスクールD×D』の世界では、リアスや朱乃、黒歌がものすごくきわどい水着を着ていたからだ。

アレはもはや何も着ていないに等しかった……

そちらの方がドキドキするものだとばかり思っていた。

 

だが、その考えは今日を持って破棄しよう。

 

今の十香の水着は、明らかにリアスたちの水着よりも布面積は確実に多い。

だが、逆にそれが十香の魅力を引き立てていた。

リアスたちは、肌を晒すのに恥じらいがなかった。

だから、恥じらう、という行為が見れなかった。

 

だが、十香は違う。

肌を晒すことに慣れていない微妙な恥じらいがもう最高だった。

 

 

「ヤイバ、これ、これは似合うだろうか……?」

 

 

十香がもじもじと内またを摺り合わせながら訊いてくる。

 

 

「最高だ!!」

「そ、そうか!!」

 

 

十香はそう言って、更衣室に戻った。

服に着替えるためだろう。

そんな時だった。

 

 

「刃……さ―――ん……!!」

 

 

蚊の鳴くような声で四糸乃が俺のことを呼んだ。

 

 

「刃……さん……た、たす……けて……ください……っ」

 

 

声は三つ目の更衣室の中から聞こえてきた。

俺はそこまで行き、カーテンを開ける。

そこには、

 

 

「や、刃さん……」

 

 

服ははだけていて、半裸状態になった四糸乃が、ビキニタイプの水着に腕を通した状態で、胸元を押さえながら涙目になっていた。

その様は、四糸乃の小さな肢体と相まって、俺の魂(ロリスピリッツ)を刺激してきた。

たまらない……ッ!!

 

 

「か、片手だと……上手く、着られません……」

 

 

四糸乃が弱弱しく言ってくる。

もう……どうにでもなっちまえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――フラクシナス。

 

 

休憩スペースで長椅子に腰掛ける。

あぁ、疲れた。

 

あのあと、二人に水着をプレゼントし、昼食を摂ってから帰宅した。

その後、令音に呼び出されて再度プランの確認をした。

途中に、十香と四糸乃を呼んでの夕食を挟んだとはいえ、結構な時間がたった。

 

 

「お隣、よろしいですか?」

 

 

頭上から声をかけられた。

そこには手に紙コップを持った神無月がいた。

 

 

「あぁ」

 

 

俺がそう言うと、神無月はにこりと笑ってから腰掛けてきた。

 

 

「いかがですか、刃くん。明日への自信のほどは」

「まぁ、あると言えばある。ないと言えばない。再封印に関してはそこまで危機感を覚えていない」

「……といいますと?」

「再封印は確実に成功させる自信がある。だが、邪魔が入らないとは限らない。鳶一折紙。この前屋上にいたASTの隊員なんだが……どうやら〈イフリート〉に思い入れがあるようでな。そいつがどう行動するかによって、状況も変わると言える」

「鳶一折紙、ですか……こちらでも警戒しておきましょう」

「頼むよ……あと一つ」

「何です?」

 

 

神無月は不思議そうに首を傾げる。

 

 

「琴里が精霊になったとき―――五年前の映像に何か移っているはずだ。ノイズのようなナニかが。きっと、そいつが黒幕だ。そいつを探せ。そいつがこれからも人間を精霊に変えていくだろう」

「どういうことですか?」

 

 

真剣な顔で訊いてきた。

 

 

「それは俺もまだわからない。だが、これだけは言える。その映像に映っているであろうノイズは精霊だ」

 

 

俺はそれだけ言い残し、休憩スペースを離れた。

明日の琴里とのデート楽しみだな。

 

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