いつも誤字脱字報告ありがとうございます。
防壁を突破した
私は『
一瞬の油断も許されないこの戦闘に置いて一番重要なのは私自身の魔力残量だ。
ポーションホルダーにはマジックポーションが残り2本あるがそれでも即時回復は不可能……つまり今持っている魔力が尽きたその瞬間こそが私の敗北となる…………。
どれだけ魔力の温存や効率化出来るかが鍵となる。
「最悪に近い……よ……ねッ!!」
こちらは必死に走っているのにも関わらず
《キシャアアアアア!!》
魔力を温存しながら戦う事を強いられたこの現状では、下手に数でゴリ押しするのは不可能…………だったらどうすればいい?
—————『
それを更に!!
—————『
《ドガン!》
圧縮した『
「まだまだ!!」
—————『フレイム・アロー』×100
持っている魔法の中で一番魔力消費が少ないこの魔法を手の周りに集中させ。
—————『
ダメ押しで!!
「ハァアアアアア!!!」
《ズドン!》
あの日のベートさんにやったかの様に、自分の貧弱な拳に『フレイム・アロー』の威力を上乗せした一撃を
《グルッ!?》
今の一撃で奴を倒す事は出来なかった…………流石と言うべきか。
けど今ので
「ハァハァハァ…………ッ!?」
だがそれも長くは続かなかった。
—————全身に風の魔力を薄く纏わせて…………『
触手が私の足を捕らえようとした瞬間に。
—————足にだけ火の魔力を集中させ…………よし! 『
急加速で触手の攻撃を避け、距離を取った後数発の『フレイム・ランス』を撃ち放つ。
《ドンドンドンドン!!》
先から連続でずっと繊細なイメージが必要な魔法ばっかりで、正直キツイ…………。
《キシャアアアァアア!!》
魔法を喰らった
コイツは私を逃がす気が全くないとはっきり言える。
この戦いの先はまだ長い…………。
「ふぅ…………」
『
効かない効かない効かない…………。
自分が次々と放った魔法がこれと言って良いほど効果がない。
本当に精々奴の動きを一瞬だけ止める事が精一杯なのが悔しい。
マジックポーションは先程で最後の一本が無くなった。
魔力回復が全く追いつけていないこの状況の中でどうすればコイツをぶっ倒せるかを試行錯誤をしてる暇もない。
”とっておき“はあるにはあるのだが、失敗したら”死“…………いや、捕獲されて再び狂った精霊の器にされるのがオチなのだろうね…………。
だからと言って、”ソレ“以外の方法が全く思い付かない……。
「おい、なんだアレは?」
「あれって【
「マジでか!?」
「その後ろに何か追いかけてない?」
しまった!? ここに来て、他の冒険者と鉢合わせするなんて!?
でも、今から方向転換は間に合わない!!
「皆さん、この場から逃げて下さい!!!」
「はぁ?」
「何言ってるんだ?」
「さぁ?」
「アイツ、なんか必死そうだな」
警告はしたものの冒険者達はその場から離れる事はなかった。
このままではダメ! 彼らが死んでしまう!?
けど、私が再度警告を叫ぶ前に、
その瞬間、
「ぐあぁああああ!!!」
「な、なんなんだ!?」
「なんだコイツは!?」
「く、くそ!!! 俺はレベル2になったばっかりだぞ!?」
—————重複発動! 『業火の戦斧』『
圧縮した魔法で触手を切り落とし、その一瞬で防壁を張る。
「大丈夫ですか!?」
「うぅ…………いてぇよ……」
「こ、こいつ以外だ、大丈夫だ」
「た、助かった……」
「お、おい。アレは一体なんなんだ!?」
完全にパニック状態の冒険者達。
彼らの中の一人は傷ついた者の手当をしている。
「正直言って、わかりません。私もいきなり襲われたので…………」
「そ、そんな馬鹿な!?」
「ど、どうすればいいんだ!?」
「…………皆さんは他に上がる道を知っているのならばそこから逃げて欲しい」
「お、お前はどうするんだ!?」
「このままコイツを惹きつけます」
「死ぬぞ!?」
「いいえ、死にません。だってまだまだ死ねないのですから……」
《ミシミシミシ》
防壁がひび割れ始めた。
「くっ…………わかった」
「その前に傷ついた者は見せてください」
傷ついた冒険者に『
「お、お前……こんな物まで出来るのか!?」
「…………さあ、逃げて下さい」
「お、おう」
彼らは反対路へ走り出した。
だが一人だけ立ち止まった。
「…………伝言はあるか?」
「ッ!! ……あります。女神ヘスティアに”ベルたちは18階層を目指します“と伝えてくれますか?」
「…………ああ、必ず伝える」
彼は再び走り出した。
《パリィイイイイイイイン!!》
今日だけでもう何度目かわからない、自慢の防壁が砕け散る音。
「…………まったく…………自信を無くしちゃいますよ?」
《ギシャアアアアア!!》
繰り出された触手での攻撃を再び
「ハァ……ハァ……ハァ……」
どうやら魔力限界より体力の限界の方が先に来たみたい。
「…………最悪」
かなり重くなった足取りで
「…………一か八か…………か」
使わないと言いつつも結局使うしかないか…………。
そもそも馬鹿みたいに魔力を使う魔法だから失敗
—————まずは右手に火の魔力を集中させて、純度の高い魔力の塊を作る。
—————更にその上に大地の魔力を重ねる。二つの魔力が混ぜ合わせない様に注意しつつ、更にその上に水の魔力を。その上にも風の魔力を重ねた。
混ざり合わない様に魔力を積み重ねる。
二つや三つの属性は混ざり合っても平気なのに、何故か四つの属性は混ざり合うとお互いが反発するかの様に暴走する。
—————完成した四重構造の魔力を圧縮…………この時も下手をして混ぜ合わせない様に…………。
けどこの魔法はこの程度で完成する魔法ではない…………。
—————その過程を何度も繰り返し、最後は拳ぐらいまでの高圧力の魔力の塊が完成。
ほとんどと言っていいぐらい魔力がこの魔法に込められた。
だからお願い…………倒れて欲しい!!
私は振り返り、魔法を飛びかかる
—————『混ざり合え! 世界の理を作り出す四大元素達よ!』
そして最後に私は自分で決めたキーワードを叫んだ。
刹那に特大爆発の音と共に通路が崩落し、私の意識が闇の中に飲まれた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
最後の魔法は某MMORPGの魔法から名前を借りました。
リリルカの戦闘スタイルはどれがいいですか?
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剣で近接スタイル
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スクロールやクロスボウで遠距離
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精霊やモンスター契約して召喚士かテイマー