私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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アンケートが圧倒的に後衛ww
でも思ったより召喚士とテイマー路線も結構人気ありますね……どうしますか………。


野生の剣姫が現れた。

殺伐とした17階層を後にした私達を迎え入れたのは自然豊かな18階層だった。

 

「本当にここは……ダンジョンの中?」

「綺麗………」

「うんうん、私もすごく感動したんだ………こんな綺麗な場所がダンジョンの中にあるなんてね」

 

ベルとリリちゃんは周りの景色に見惚れた。

その気持ちは凄くわかるよ!

ちなみに桜花さん達は18階層に着いた途端一斉に気絶した。

 

「コイツらどうするの?」

「ベル様を運んだ時みたいに浮かせるにはどうでしょう?」

「まあ、それが一番だよね」

「ですです」

「あははは」

 

運ぶ方法は決まったとして、どうやって泊まるか決めないとね………まあ野営しか選択ないけどね。

 

 

 

 

「じゃあ、次は野営する場所を探しましょう」

「此処には町があると聞きましたが?」

 

ヴェルフさん達の守りはベルに任せて、私とリリちゃんは周辺の探索を行う。

 

「あぁーあるにはあるけど、ボッタクリだよ?」

「ボッタクリですか?」

「うん、売る場合は買い叩かれて、買う場合はぼったくられる。それがここの常識だって」

「そんなにですか!?」

「ティオネさん曰く、ここの宿一泊で地上で1ヶ月は生活出来るって」

「ゲッ!?」

「どうする?」

「野営しましょう!ただでさえ借金塗れのリリ達がそんな町に泊まったら絶対に破産します!」

 

まあ、リリちゃんはそう言うだろうなぁって思ってた。

 

「それにしてもどう言う場所がいいのでしょうか?」

「うーーーん、普通なら水場が近い所がいいんだけどね」

「リリ達はスクロールやレフィ様がいるので水には困らないですし」

「そうなると………!?」

 

すると森の方から気配を感じた。

 

「誰ッ!?」

 

森の中から姿を現したのは…………。

 

 

 

「レフィーヤにリリルカ。何故お前達が此処にいる!?」

 

 

 

リヴェリア様だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私達はリヴェリア様を連れて、みんなの所に戻る事にした。

 

「まさかここでお前達と出逢えるとは………」

「私達もです」

「それでアイズ、お前はそこで何をやっているのだ?」

「ベルに膝枕」

「何故に今?」

「………ベルが疲れてるから?」

 

そう、戻っていたら何故かアイズさんが居て、そして何故かベルに膝枕をしている。

 

「アイズ、お前はどうやってここに?」

「素振りしていたらゴライアスの雄叫びを聞こえたから、来た」

「それで?」

 

うんうん。

 

「ここに来たら、ベルが辛そうな顔をしているの見つけた」

「ほう………」

 

まったくこのアルミラージ!!結局、エリクサー飲まなかったのね!

 

「ずっと辛そうなのは可哀想だから私が気絶させて膝枕してあげた」

『何故!?』

 

どう言う結論なの!?

 

「………アイズ」

「?」

「この遠征が終わったら、お前の為に特別な授業を用意する」

「!?」

 

アイズさんの顔が絶望の色に染まる、リヴェリア様の座学は厳しいからね………。

 

「………ベルの事はすまなかったな二人とも」

「い、いいえ………」

 

リリちゃんは気絶しているベルの顔を見て、ベル様は白目で気絶してると私に報告して来た。

それは報告しなくてもいいから。

 

「とりあえずコイツら全員を我々の野営地まで連れて行く」

「わかりました」

「アイズ、お前は先にフィンにこの事を伝えてくれ」

「う、うん………」

 

アイズさんは直ぐに立ち上がり、そのまま走り出す………だが彼女は何故か途中で止まり、すごい早さで私達の前に戻って来た。

 

「………リヴェリア、頑張ったら授業を無しにして?」

「………量を減らしてやろう」

「うぅー!!」

「ほら、行かないと量を倍にするぞ?」

「り、リヴェリアの馬鹿!………『目覚めよ(テンペスト)!!』」

 

アイズさんはそのまま駆け抜けて、モノの数秒でその姿が見えなくなった。

 

「………魔法の無駄遣い」

「お前が言うのか?」

「………え、えへへへ」

 

野営地に向けて移動を開始した。

残された荷物はそのままリリちゃんが背負い、気絶している人達は私が『浮遊(フライ)』で運ぶ。

 

「疲れているのにごめんね?」

「このぐらいは平気です!」

 

と本人は言っているが、流石に可哀想なので荷物にも少し浮かせる事にした。

 

「それにしてもベルがレベル2になるのは予想はしていたが、まさかもう18階層まで来るとはな」

「……まったく不本意ですが」

「そうだろうな………特に原因が“コレ”ならば尚更だろう」

「それについては………」

「後で私と一緒にフィンの所に向かおう」

「はい」

 

リヴェリア様は私が渡した極彩色の魔石を見つめた。

 

「所で何故此処に留まるのですか?」

「ああ、それはな………恥ずかしい話だが遠征から帰る途中にポイズン・ウェルミスの怪物の宴(モンスターパーティー)に巻き込まれ、かなりの団員が奴らの毒に侵されてしまったのだ」

「そ、そんな!?私の『解毒(キュア)』のスクロールではダメなのですか!?」

「いや、寧ろ凄く助けられている。本来アイツらの毒は特効薬では無い限り治すのが難しい筈だった。だがそれでも数が足りなかったのだ………」

「数が………ですか?」

「ああ、毒に侵されたのは【ロキ・ファミリア】だけではなく、【へファイストス・ファミリア】の鍛治士達もだ……向かっている時に何束も使ったせいでもあるが、やはり30束では足りなかった様だ」

 

製作時間が足りなかったからそれしか作れなかったよね………。

 

「では、私が治します!元は私の魔法なので効果は同じです!」

「そうしてくれると助かる………だがベートにはどう言えばいいのか」

 

ベートさん?

 

「ベートさんがどうしました?」

「フィンの命令で一人で地上へ行ったのだ、特効薬の確保のためにな」

「………やっぱ治すの無しにします?」

「いや、フィンと相談して決めよう」

 

どうなるのやら……。

 

 

 

 

 

 

 

 

野営地に着くと私達はみんなに歓迎されていた。

同盟だけあって顔見知りが多い………特にベルだ。

ベルは直ぐに誰とでも仲良くなれるから【ロキ・ファミリア】の中でも知り合いが多い。

 

「おいおい、寝てるぞコイツ」

「図太いヤツだわ」

「おーい、ベルっち起きてー」

「まあ、今ぐらい休ませろや」

「冒険者になってからまだ二ヶ月しか経ってないのにもう此処まで来たのかよ」

「コイツ絶対やべえ兎だわ」

「見た目は可愛いのにな」

「違いない」

『ハハハハ』

 

眠っているベルのお見舞いに来た【ロキ・ファミリア】の団員達が笑いながらテントを出た。

その後、【へファイストス・ファミリア】の団長である椿さんがヴェルフさんの見舞いに来た。

 

「ヴェル吉を守ってくれて、ありがとうございます」

 

彼女は真剣な顔で私に頭を深く下げた。

 

「守ったのは私じゃなくてベルなんだけどね………」

「無論、お前の弟にも後で礼は言う、だが肝心な弟はそこに倒れているではないか」

「それもそうですね」

 

ちらっと視線を動かす。ベル以外に、私の隣でスヤスヤ眠っているリリちゃんそして一番奥に眠っているヴェルフさん。

隣のテントには【タケミカヅチ・ファミリア】の人達が休んでいる。

 

「それじゃ、手前は此処で失礼させて貰おう」

「はい」

 

そう言ったが椿さんはテントの入口に立ち止まった。

 

「………手前が一年以上も掛けた苦労が、経ったの二ヶ月ちょっとで塗り替えられたか………」

「………」

「【ロキ】の連中や手前はいいのだが、お前達に対して嫉妬を覚えた連中は多々居るだろう。だから気をつけよ」

「………気をつけます」

「うむ!」

 

椿さんと入れ替わる形でリヴェリア様がやって来た。

 

「レフィーヤ、フィンが呼んでいる。直ぐに来れるか?………ふむ、どうやら厳しいようだな」

 

リヴェリア様は私の右手を見ながらそう言った。

 

「す、すみません」

「いや、気にしなくていい。離せないのか?」

「えっと………凄い力で握られまして………」

 

私の右手は現在、リリちゃんに握られて。

離したくても離せない状態になっている。

 

「だが、お前が遭遇したアレについて早めに詳しい話が聞きたい身としてはリリルカには少し我慢して貰おう」

「状況が状況ですからね…………少しを時間ください」

 

リリちゃんの乱れた心を落ち着かせる為に、少し『鎮静化』の魔法を彼女に掛けた、私は握った手を引き離し、代わりに自分の上着を彼女に被せた。

 

「これでよし!」

「………そんなモノまで作ったのか?」

「便利ですよ?」

「………そうか」

 

 

 

 

 

 

ボクらを襲った数々の魔物(モンスター)を一瞬で倒されていた。

 

「次に行きましょう」

 

そう言いながら助っ人である覆面のエルフ君は振り返らずに歩き出した。

 

「す、凄いです………」

「なぁ、エルフってこんなのばっかか?」

「もう、ポックったら。セインに失礼でしょ?」

「それって本人の前で言うのかい?」

 

小人族(パルゥム)の魔導士君、小人族(パルゥム)の双子達そしてヘルメスのような胡散臭いエルフ君が今回の探索メンバーとして同行していた。

その他には青髪の女性ヒューマン、【万能者(ペルセウス)】君とヘルメス(ハエ)も居る。

 

「ねぇ、魔導士君。こんなメンバーで本当に大丈夫なのかい?」

「ふぇ!?だ、大丈夫です!皆さんは強いので!」

「その通りだよ、ヘスティア。俺の眷族(こども)達に任せれば大丈夫さ!」

 

なんかハエがうるさいなぁ。

 

「所で魔導士君、君はなんて名前なんだい?」

「ああ、彼女の名はメリルって言うんだ!」

 

ダンジョンのハエってうるさいんだね。

 

「名前は?」

「え?え?め、メリルって言います」

「そっかぁ、可愛い名前だね」

「あれ?ヘスティア?君には俺の声が聞こえないのかい?」

「帽子を少しとって貰っていいかい?」

「えっ?は、はい」

 

メリル君を撫でてみるとリリ君とは違う柔らかさがそこにあった。

 

「………心が癒されるなぁ」

 

あわあわと恥ずかしがる小人族(パルゥム)を撫で続けるとボクの心が段々穏やかになった。

 

「メリル君、キミはウチに来る気ないかい?」

「ほぇ!?」

『ッ!?』

「あんな主神だと、苦労するだろう?ボクがキミの面倒を見ようじゃないか!」

「えっ?えっ!?」

 

隣から恐る恐るボクに声をかけたヘルメス。

 

「な、なぁー。ヘスティア………もしかして凄く怒ってるのかい?」

「あはははは、もしボクがそんなに怒ってるなら、それはアポロンの件以来って事になるね。そう思わないかい?ヘルメス(ハエ)

「な、なんか呼び方が違わないか?」

「いいや、そんな事ないぞ。ヘルメス(ハエ)

「めっちゃくちゃキレてるじゃないか!?」

 

なんか一人で騒ぐヤツが居るけど、無視だ無視。

もう巻き込まれたのなら、頑張って目指そうじゃないか!

あの子達が待っている18階層へ!




ここまで読んで頂きありがとうございます。

18階層の話はようやく半分って所ですかね?
その後は直接アポロン路線かオリオンを挟むかまだ悩んでいます。

リリルカの戦闘スタイルはどれがいいですか?

  • 剣で近接スタイル
  • スクロールやクロスボウで遠距離
  • 精霊やモンスター契約して召喚士かテイマー

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