私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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後先考えずに好き放題で書いてるせいで苦戦している。


神月祭

 退院した日から数日が経ちました。

 ここ数日間は特に大きい出来事が起きる事なく、精々ロキ様が【ロキ・ファミリア】の女性団員全員を港町(メレン)に連れて行くの見送る事ぐらいかな? 

 

 それからは淡々と進み、私としてはようやくレベル3の身体に慣れた頃です。

 ベル達とは相変わらずダンジョンの攻略に励んだ。

 ベル個人はたまにベートさんと模擬戦をやってたりもするけどね、それも二日に一回のペースで……あの子大丈夫なのかな? 

 それとして、ヴェルフさんのお陰でベルの装備もかなり一新された。

 それとベルと言う名の幸運の兎がいるお陰でドロップアイテムを拾う回数がかなり上がっている……他の冒険者の場合は知らないけど。

 

 そして今は———。

 

「予想以上にだいぶ賑わってるね……」

 

 今日は早めにダンジョンの攻略を終わらせて、今夜に開催される神月祭に来ています。

 

「それなりに古いお祭りですからね、態々外より都市(オラリオ)に来る程人は来ていますよ」

「へぇ〜」

 

 様々な屋台を見回りながら、私達は祭りを楽しんだ。

 

「モグモグ……怪物祭(モンスターフィリア)とは違う賑やかさだね」

あっち(怪物祭)は比較的に新しい祭りですからね」

「なるほどねぇ〜……あっ、美味しいねこれ」

 

 先程買った焼きそばを食べながらベルは感心した。

 

「おい、ベル。あっちのたこ焼き食べに行こうぜ!」

「えっ!? ちょっと待ってよ!? まだ焼きそば食べ終わってないって!」

「そんなのレフィーヤやリリ助にあげればいいだろう! ほら行こうぜ!」

「待っ!? ああ、もう! レフィ姉お願い!」

 

 焼きそばを私に預けてからベルは先に走り出すヴェルフさんを追いかけた。

 

「あの人達元気ですね……」

「まあ、お祭りだし?」

 

 リリちゃんと二人で苦笑いをしながら待っていると、同じく食べ物を買いに行ったヘスティア様が帰って来た。

 

「やぁ、お待たせ! みんな大好きじゃが丸君だよ! ……ってあれ?」

「ベル様達ならどっかのたこ焼きを買いに行きました」

「あははは……」

 

 ヘスティア様はなるほどと納得して、手に持ったじゃが丸君を私達に配った。

 

「……こんなに食べたら太りそう」

「キミたちはかなり動くからコレぐらいは別にいいんじゃないか?」

「リリはムチムチのレフィ様も見たいです!」

「やめて!?」

 

 その後も色んな出し物や店を見て、バベルの中央広場にやってくると何やらイベントが行われている様だ。

 

『さあさあ、我こそは強者と思う者なら名乗りを上げろ! この伝説の槍を引き抜く真の勇者は誰だ!』

 

 ステージの上には胡散臭そうな神、ヘルメス様が高らかにそう宣言した。

 

「ヘルメスは一体何やってるんだか……」

 

 その言葉を呆れた顔で見ていたヘスティア様は思わずため息を吐いた。

 

「また詐欺の一興ですかね?」

 

 冷めた目でステージを見上げるリリちゃん。

 

『これは選ばれし者にしか抜けない伝説の槍、手にした物には貞潔たる女神の祝福が約束されるのだろう!』

 

 楽しそうにヘルメス様はそう語った。

 

「へぇー伝説の槍か、興味があるな」

 

「伝説の〜」って言葉に強く惹かれたヴェルフさん。

 

『更に更に更にッ!! 抜いた者には豪華世界観光ツアーにご招待だッ!! そしてこれは既にギルドから許可を貰っているのだッ!!』

 

 ヘルメス様は証明書を見せびらかすかの様にその紙を掲げた。

 豪華な景品の正体を知った周りの観客は大いに盛り上がった。

 

「なんか胡散臭いですね……」

「……そこは否めないね」

 

 私とヘスティア様は何か裏がありそうな雰囲気を感じつつも次々と挑戦する冒険者を見守っている。

 

「でもまあ、楽しそうじゃないか! やってみようよ!」

 

 ヘスティア様は嬉しそうに笑いながらステージの方に走り出した。

 

「ヘスティア様もやっぱり神ですね……」

「ああ、見える地雷に突っ込むその姿勢はまさに神だな……」

 

 リリちゃんとヴェルフさん走り出した女神を呆れた目で見つめた。

 まあそうだよね、裏があるとわかっていながらも嬉しそうに踏みに行くんだから。

 だがある意味害はないとわかっててやってる可能もあるけどね。

 

「レフィ姉、早く行こうよ」

 

 名前が呼ばれた事に気づいて、私も彼らと一緒にステージ前に向かうのでした。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「クソッ! 全く動かねえッ!」

「それは残念だ。さあ、次の挑戦者は誰だ!」

 

 ステージの上には18階層でベルと戦った冒険者、モルドが挑戦中だ。

 彼が不満そうにステージから降りると、ベルは彼に声を掛けた。

 

「こんばんは」

「……なんだ【未完の少年(リトル・ルーキー)】か、お前もあれに挑戦するのか?」

「ええ、でも僕もダメそうですね」

「それはどうだか……」

 

 モルドさんはそのまま自分の仲間の方に歩き出した。

 ちらっと見るとその仲間達に揶揄われたみたいですね。

 

『テメェらも同じだろうが!!』

 

 そんな彼の怒鳴り声が聞こえていた、どうやら仲間達もダメの様です。

 

 ステージの上には必死に槍を抜こうとしているヴェルフさんやまさか槍を固定している結晶まで持ち上げるリリちゃんの姿が有った。

 

「上がりました!!」

「ごめんよ、リリちゃん。槍を上げるじゃなくて抜く必要があるんだ……」

「ムゥッ……」

 

 アレで【怪力】無しだもんね……取ったらどうなる事やら……。

 渋々とステージから降りたリリちゃんはそのままヘスティア様に宥められた、リリちゃんは任せちゃって大丈夫みたいだね。

 さて、次は私の出番だ……。

 

「おっと、次の挑戦者は最速記録(レコードホルダー)の片割れ、【理外姫(アンリアル)】のレフィーヤちゃんだ!!」

「よ、よろしくお願いします」

「さ、レフィーヤちゃん。キミの勇姿を見せてくれたまえ!!」

 

 そして私が槍を掴んだ瞬間、目の前にありえないぐらい量の情報が飛び出た。

 最近はちょくちょくこうなっているからこれは恐らく新しいスキルである【精霊眼(エレメンタル・サイト)】の効果だ、制御が利かないので扱いにくいのだがまさかこんな所で発動するとは思わなかった。

 ただ今まで見た情報とは違い、圧倒的に情報量が多い。

 何百何千も重複された見た事のない完成度の術式の数々、だがそれも恐ろしいぐらい綺麗に並べてあった。

 それは人の身で見てはいけない、“超越者”の所業。

 

 ———おい、泥人形! 

 ———ああ、コレは良くないな、我が制御しょう。

 

 突然と響いたノームとイフリートの声。

 すると圧倒的な情報量が突然と目の前から消えた。

 そして気がつけば、鼻から血が流れ出した。

 

「レフィーヤちゃん!?」

「レフィ君!?」

 

 ステージの上に座り込んだ私に駆け寄ったヘスティア様とヘルメス様。

 

「ヘルメス、キミは一体何をしたんだ!?」

「いや、コレの事はオレはなんも知らないぞ! マジで!」

 

 二人の神が言い争いを続ける中で私は冷静に精霊達に語り掛けた。

 

 ———「い、今のは?」

 ———単なる修行不足だな。

 ———その駄竜の言う通りだが、アレは仕方なかろう。

 ———確かにそれもそうだな。

 ———だが、まさか“こんなモノ”が下界にあるとはな……これは厄介な事になるぞ。

 

 厄介な事? 

 それは一体なんの事だろう? 

 現実に引き戻されると私はリリちゃんと共にステージ近くのベンチに座っていて、ベンチの隣にはヴェルフさんが立っていた。

 そしてステージの上にはベルが丁度槍を引き抜いたのだった。

 

「……抜きましたね」

「ああ、完全に抜いたな……」

 

 半笑いでベルを見つめたリリちゃんとヴェルフさん。

 魔道具(マジックアイテム)である指輪の術式を見る事が出来る【精霊眼(エレメンタル・サイト)】……何故この眼が槍を触れた瞬間に発動してしまったのか……精霊達は心当たりがあるらしいが、多分教えてくれない。

 

 あの槍は一体……なんなの?




ここまで読んで頂きありがとうございます。
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