私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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お久しぶりです、短いですが書く事が出来ました。


矢の雨の後処理

 襲い掛かる魔物(モンスター)を全て殲滅した後、私はゆっくりと地上へ降りた。

 周りを確認するとそれはもう酷い状態だった。

 木が倒れ、地面が抉れ、そして散らばる魔石の数々。

 

「……やり過ぎちゃった」 

「本当だよ! 全くキミって奴は……」

 

 呆れた顔でヘスティア様が声をかけた。

 

「うぅ……」

「……でもよく頑張ったよ、キミが介入してから村人に大きな被害はないよ」

「……はい」

 

 一方アルテミス様は暗い表情で破壊された森を見つめた。

 

「アルテミス様……もしかして私はやっていけない事をやったのでしょうか?」

 

 思わずアルテミス様に質問をした。

 

「いや、違う……先程この村を襲った魔物(モンスター)……アレは間違いなくアンタレスの眷族だ」

「えっ!?」

 

 アルテミス様から帰って来た言葉は予想外な言葉だった。

 あの黒いのがアンタレスの眷族!? 

 

「もうここまで来たって言うのですか!?」

「いや……ここまで来たのは奴の眷族だけの様だ」

「ですが眷族だけと言ってもあの数は最早災害ですよ!?」

 

 アルテミス様は静かに頷いた。

 一刻も早くアンタレスをどうにかしないといけないんだ……。

 そう考えると横からヘスティア様が私の頭を優しく撫でた。

 

「キミの気持ちはわかるけど焦ってもいい事はないよ。ボク達は今出来る限り最速で行くのだけれど、それには限界があるんだ……だから今は我慢しておくれ」

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 今日はここで野営すると決まってから私たちは別行動に別れた。

 

 ベルは村人達の手伝いを積極的に行った。

 またこの場所にあの魔物(モンスター)が襲って来る可能性がある為、彼らは別の村や町まで避難するつもりらしい。

 

 ヴェルフさんとリリちゃんは村に滞在していた冒険者達と一緒に散らばっている魔石やドロップアイテムの回収を行なっている。

 

 旅に慣れているヘルメス様は一人でテントの設営している……よく旅をしているだけあって手際が凄くいい。

 

 ヘスティア様は村の女性たちと一緒に夕飯を作っている、ウチの主神は庶民派だから話が合うのかな? 

 

 私はと言うとアルテミス様と一緒に近くの川で魚を捕まえに来ている。

 

「よいしょッ!」

 

 軽く魔法で魚を捕まえる。

 

「そんな事も出来るのか……」

 

 呆れた目で私を見つめるアルテミス様、その手には果物が沢山入っているカゴがぶら下がっている。

 

「便利ですよ?」

「私が知っている魔法はそこまで便利なモノではない筈……」

「そう言われても……」

「なるほど……ヘスティアは苦労するのだな……」

 

 今のやり取りでどうしてそうなるのかな!? 

 いや、まあ、確かに心当たりしかないんですけどね! 

 

 それから暫くは沈黙が続いた。

 そのせいか風で揺れる木や流れる水の音がやけに大きく聞こえる。

 

「あの……気になる事を一つ聞いてもいいですか?」

 

 その静けさを破ったのは私だった。

 

「……別に構わない」

「ベルが引き抜いたあの“槍”……アレについてです」

「…………」

「あの槍は一体なんなんですか?」

 

 例え答えは知ってても、私はやはり本神から真実を聞きたい……。

 

「その疑問に答えてもいい、だが私からも一つ聞きたい……」

 

 帰ってきたのは予想外な答えだった。

 

「……お前は一体……なんなんだ?」

 

 真っ直ぐな瞳でアルテミス様は私に問いかけた。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「おい、リリ助! こっちは終わったぞ!」

「此方も回収出来る分は終わりました」

 

 リリは今ヴェルフ様や村の方々と一緒にレフィ様が魔法を放った後の森の跡で魔石の回収作業を行なっています。

 その範囲が広過ぎて骨が折れてますが、まあ……借金の足しになると思うと文句は言えません。

 

 それにしても…………

 

 ———「あのエルフヤバかったな……」

 ———「ああ、一瞬でこうだからな……マジで羨ましい……」

 ———「俺だってあのぐらいの魔法があればなぁ……」

 ———「エルフも凄かったがあの少年も凄かったぞ」

 ———「あの少年も可愛い見た目しているのになぁ……」

 ———「アイツらは義理の姉弟らしいぜ?」

 ———「おいおい、どんな教育したらあんなのが出来るんだよ……」

 ———「まあ、あの旅の冒険者達はオラリオ出身らしいし」

 ———「流石のオラリオでもあんなのがウジャウジャ居るわけじゃねえよ!」

 ———「まあ、空を飛んで魔物(モンスター)を殲滅するエルフと凄まじい速度で魔物(モンスター)を切り捌いたヒューマンだろ? 確かにアレがオラリオの冒険者の基準だと思うとゾッとするぜ」

 ———『ハハハッ、違いねぇ』

 ———「お前ら、無駄口を叩かないで手を動かせッ!!」

 ———『ヒィイイイィッッ!! すんませんッ!!』

 

 耳を澄ませると周りの人達からレフィ様やベル様の話題が絶えなかった。

 彼等はそれぞれの印象を抱いて、あの二人の話をしている。

 

 憧憬……。

 恐怖……。

 そして嫉妬……。

 

 彼等個人個人の胸にある想いは何か……リリは知りません……ぶっちゃけどうでもいいです。

 

 ただ先程のあの二人の戦いを見て、この胸にある想いが更に熱くなっている……。

 

 追いつきたい……。

 

 一緒に肩を並べたい……。

 

 キラーアントの包囲で震えて泣いている自分はもう嫌だ! 

 

 ミノタウロスの前に情けなく逃げている自分はもう嫌だッ! 

 

 何も出来ないまま逃げている自分はもう嫌だッッ!! 

 

 いつも立ちはだかる理不尽の前に屈する事もなく立ち向かう英雄達(ベルとレフィ)みたいになりたいんですッ! 

 

「……焦ってもいい事はないぞ」

「ヴェルフ様……」

「まあ、俺も同じ気持ちだ……あの二人に置いてかれたくない……だから俺は凡人らしく凡人にしか出来ない努力をするつもりだ。だから一緒に頑張ろうぜ、リリ助」

 

 隣に立っているヴェルフ様は笑いながらそう言った。

 凡人らしく……かぁ……。

 

「御言葉ですが、ヴェルフ様は凡人じゃないので凡人には失礼かと」

 

 一歩ずつ、確かな一歩ずつ。

 

 前へ進もう……。

 

「おいこら、どう言う事だ!?」




ここまで読んで頂きありがとうございます。

仕事がドタバタしすぎて前みたいに毎日更新が厳しいので暫く亀更新になります……。
そして待っていてくださる方々、本当にありがとうございます!!
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