私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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なんとか書けたので投稿します。


後衛潰しは基本。

 遺跡から放たれた魔法はゆっくりと我々に落ちて行く。

 本来はもっと早く落とせる筈なのにわざと速度を落としたと言わんばかりに力の差を見せ付ける未だ見ぬアンタレス。

 

 ———アレが地上に落ちたらここの一帯が間違いなく地獄と化すだろう、なんとしてもあの魔法を止めないと。

 

 ノームの言葉が脳内に響くと同時に私は声を荒げた。

 

「アレは私がなんとするッ! 他のみんなは一刻も早くここから退避を!」

 

 私の声を聞いた他のみんなは驚く表情を見せた。

 

「ここはレフィ君に任せよう! 駄々捏ねると尚更彼女の邪魔になるだけだ!」

「神様ッ!」

「ベル君、ここは我慢するんだ!」

 

 私の援護の為にヘスティア・ナイフと“槍”を構えたベルはヘスティア様によって止められた。

 

「……キミはアンタレスを倒すと言う使命がある、それにキミの姉はあの程度で傷付けるような子じゃないってキミが一番わかる筈だッ!」

「ッ!!」

「役割分担だよ、ベル君」

「……はい」

 

 みんなは渋々だがヘスティア様の指示通りに退避を始めた。

 

 ———「2人共、被害を最小限で頼むよ?」

 ———『四大元素の渦(テトラ・ボルテックス)』で吹き飛ばすしかあるまい。

 ———「もしソレを使った場合遺跡突入までに精神力回復が間に合うかな?」

 ———かなりギリギリと思うのだが、最悪エリクサーを消費するしかなかろう。

 ———「……痛い出費だなぁ」

 ———それぐらい我慢しろ。

 ———ムッ? 我が覚えている限り今回の出費はあのヘルメスが負担するのでは無かったのか? 

 ———「じゃあ、いいか!!」(ならば問題ない!)

 

「行くよッ!!」

 

 今までと同じ様に魔力を放出、固定、圧縮、制御、その繰り返しを何十回も行う。

 だが今までとは違って一度の過程に掛かる時間が大幅に短縮された。

 これは恐らくイフリートとノームのオーブに慣れたからなんだろうね。

 

 ———これで良い、これ以上重ねると魔力の無駄になるぞ。

 

 ノームがそう言うと、私は魔法の重ね掛けを辞めた。

 魔力の無駄遣いは極力減らす、これからが長いんだからね。

 

《シュゥゥッッ》

 

 そんな音が完成された魔法から聴こえて来た、今まで維持するだけで精一杯だったから気にしていなかったが、この魔法ってかなり物騒だよね……。

 

 けど今はそんな事を考えてる暇はない、私の役目はあの落ちてくる敵の攻撃に目掛けてこの魔法を叩き込むだけだからね! 

 

 —————『さぁッ! 混ざり合え! 世界の理を作り出す四大元素達よ!』

 

四大元素の渦(テトラ・ボルテックス)ッ!!』

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 遠くから見守っている僕らはソレを見た、レフィ姉が放った魔法が極大の魔法を飲み込んだ瞬間を。

 

「なっ!?」

 

 そんな魔法を見てアルテミス様が驚きを隠せなかった。

 

「ヘスティア! アレは一体なんなんだ!?」

「いやぁーボクに聞かれても……ねぇ?」

 

 神様はそう言って僕を見た。

 まあ、僕も正直あの魔法の正体がなんなのかさっぱりわからないんだよね……。

 そもそもレフィ姉曰くあの魔法は偶然で出来た魔法らしい。

 術者が味方と判断した者には一切ダメージ入らないし、そもそもあの魔法は削るとか貫くとかそんなじゃなくて何かが違う感じだと思う。

 レフィ姉曰く分解に近いらしいけど……正直あんまりわからない。

 

「けどボクは思うんだ。あの魔法が有ればキミの”槍“を使う必要なんて無いじゃないかってね」

「……ああ、そうかも知れない」

 

 件のアンタレスを倒せるとなるあの魔法って本当なんなんだ? 

 でもまあ、姉が凄いのは今に始まった事じゃないしね。

 

「……これでアスフィさんと合流だけですね……ッッ!?」

 

 すると突然嫌な予感が僕を襲った。

 違和感を感じた僕の視線の先は此方にやって来る姉の姿が居た。

 

「レフィ姉ッ! 逃げてッ!!」

 

 僕がそう叫ぶと刹那に紅いなにかが姉の肩を貫いた。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 痛い……痛い痛い痛い痛いッッ!! 

 痛い!! 熱い!! 

 なにこれ!? 何が起きてるの!? 

 

「ア……アアアアァァッッ!!!」

 

 早く回復しないとッッ。

 

『ひ……回復(ヒール)!』

 

 だが何も起こらなかった……それどころか———。

 

「……え?」

 

 今まで問題無く発動した魔法が全て解除され、私はそのまま地上へ落下し始めた。

 

「なんで!? なんでなんでなんで!?」

 

 ———愛しい子よ! 此れは呪いだ! ……。

 ———クッ!? なんとしても解呪を……。

 

 イフリートやノームの声が突然と途切れた。

 

「レフィ姉ッ!!」

「レフィ様ッ!!」

 

 落下した私を受け止めたのはベルとリリちゃんだった。

 だが再び激痛が私を襲った。

 傷の痛みでは無く、まるで私の身体の内側から焼かれている様な痛みだった。

 

「ウウゥゥッッ……アァアァアア!!! 身体がッッ!! 熱いッッ!!」

回復(ヒール)ッ! 回復(ヒール)ッッ!!」

 

 すぐ隣からリリちゃんがスクロールを唱える声が聞こえた気がした、傷の痛みは徐々に引いていたが、身体が焼かれている感覚は未だに私を襲い掛かってる。

 

「どう!?」

「ダメですッ! 傷口はもう塞がれている筈なのに未だに苦しそうです!!」

「な、なんで!?」

「わ、わかりません!!」

 

 ベルの焦っている声と泣きそうなリリちゃんの声がハッキリと聞こえている。

 

「私の……事は……後……今すぐ……離脱……してッ!」

「レフィ姉は寝てて!」

「その通りです! 無理に喋るの辞めてください!」

 

 何故か私が怒られた……。

 

「リリ、しっかり捕まってて!」

「ハイッ!!」

 

 その声を最後に私は意識を手放す。




ここまで読んで頂きありがとうございました。

赤い槍の魔法は実は再登場です。
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