私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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短めです。


アンタレス(3)

 最後の扉を潜るとそこには無数のアンタレスの眷族……などは無く。

 部屋の中心に他の眷族より少し大きめな蠍型の魔物(モンスター)が二匹とその存在感を見せつける漆黒の大型魔物(モンスター)が立っていた。

 

「アレが……アンタレス……」

 

 圧倒的な存在感を放った漆黒の魔物(モンスター)にヘスティアは言葉を失った。

 

「……私が最後に見たヤツよりも遥かに成長している」

 

 アルテミスのその一言で全員は息を呑み込む。

 そして次の瞬間、二匹の眷族がその口を開かれ、そしてその同時に無数の火の矢が放たれた。

 

「クッソ!! いきなりかよ!?」

 

 その攻撃に一番早く動いたのはヴェルフだった。

 彼はポーチから一枚の羊皮紙を抜き、高らかに叫ぶ。

 

「『土精結界(アースバリア)』ッ!! うぉおおお!!」

 

 その瞬間、琥珀色の壁が彼らの周りに現れた。

 

「……ゼェゼェ」

 

 発動時にヴェルフが咄嗟に追加した精神力(マインド)のお陰で壁は彼らを守る事が出来たが……その壁はもう既にボロボロな状態になった。

 

「先にあの二匹を優先して落とします! その間に私、リオンそしてベル・クラネルがアンタレスの注意を引きます」

 

 攻撃が止むその瞬間と同時にアスフィがそう叫んだ。

 

『ハイッ!』

 

 神達の護衛を任された除いたメンバーは一気に飛び出した。

 

「喰らいなさい!」

「『火球(ファイヤーボール)』!」

 

 飛び出したメンバーを援護する為にネリーとリリルカは魔剣やスクロールを使って二匹の眷族に攻撃を仕掛けた。

 

「「ッ!?」」

 

 だが二人が放った攻撃は敵の目の前に唐突に消えた。

 それを見たアスフィは直ぐ様に状況を分析した。

 

 ———(攻撃の射程が短い? ……いいえ、スクロールの射程は兎も角、ネリーが使用した魔剣の射程は十分に足りている筈です)

 

「「このッ!」」

 

 再びネリーとリリルカが攻撃を仕掛けた、だが結果は同じだった……眷族の目の前に唐突に攻撃が消えていたのだ。

 

 ———(……あの二人が使ったのは火系統の魔剣やスクロールだった……もしかして火属性無効? ……いやあの消え方は……まさか!?)

 

「火系統の攻撃を使うのは辞めなさい! あの魔物(モンスター)は恐らく火属性を吸収する力を持っていますッ!」

 

『!?』

 

 アスフィの叫びを聞いたネリー達は直ぐ様に別系統の魔剣やスクロールを使い始めた。

 そして今度こそ彼らの攻撃は眷族に届くのでした。

 

「これで……ッ!?」

 

 突然にアンタレスから凄じい殺気を感じたアスフィ。

 嫌な予感を感じた彼女は直ぐに【タラリア】を使って回避行動を取った。

 するとアスフィの元居た場所に圧縮された熱線が放たれた。

 

「アスフィさん!?」

 

 ベルの叫び声が響き渡る。

 

「私は大丈夫です! 貴方は敵に集中して下さい!」

 

 その後もアンタレスの攻撃がアスフィに集中していた。

 

「———星屑の光を宿し敵を討てッ! 『ルミノス・ウィンド!』」

 

 リューが詠唱を完成させたと同時にアンタレスに無数の光の玉が襲い掛かった。

 

 ———ズドンズドンズドン

 

 そんな音と共に上がった煙はアンタレスの本体を隠した。

 

「……!?」

 

 ———キィィィイイインッ

 

 そんな煙の中からアスフィと同様に圧出された熱線がリューを襲う。

 

「クッ!?」

 

 その威力はなんと事前に貼ったバリアやリュー自身の発展アビリティを一瞬で貫通する程だった。

 だが幸いに致命傷を受ける前に彼女はなんとかギリギリ回避する事が出来た。

 

「これ程とは……」

 

 煙が晴れるとそこには完全に無傷でリューを睨んでいるアンタレスの姿があった。




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