私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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短いですがオリ展開全開……にしたい所ですね

次話はまたしばらくお待ちください。


アンタレス(7)

「ヴェルフ様!腕とナイフの回収が終わりました!」

 

血に染まっていた布を大事そうに抱き締めていたリリルカを見て、ベルを背負っていたヴェルフは小さく頷いた。

 

「いいぞ、リリ助!よし、ささっとズラかるぞ!」

 

撤退を始めた二人に合わせて、ベルの回収を手伝っていたリューとアスフィをはじめた【ヘルメス・ファミリア】団員達も一斉に動いた。

 

「アンタレスの攻撃だけでも脅威だと言うのに……この狂信者共までも相手していかないといけないとは……」

「ですが、幸いな事にヤツは身体の再生に力を入れている……この隙を逃すと……次はない」

 

周りを見渡して顔を顰めたアスフィにリューはそう言った。

神を喰べたアンタレスの再生力は確かに強化されていたが、流石に身体が二つに切られた為その再生に多少の時間が必要となった。

 

「喰べた神の影響か……」

 

その再生に時間が掛かるのは神格に関係していると撤退の指示をしたヘルメスが言った。

 

「もしもさ……もしもアレがヘルメス様やとかアルテミス様が喰べられた場合って……」

「……アレの再生が直ぐに終わり……そしたら俺たちが次々と殺されるだろうな」

 

不安げなルルネの言葉を答えたのはキークス。

その最悪の展開を想像した残りの団員達の顔色は真っ青に染まった。

 

「そんな事を考える暇が有ったら、もっと早く足を動かしなさい!」

『!?』

 

アスフィの言葉を聞いた彼らは不安を押し殺し、走る速度を早めた。

 

『早くこっちにッ!』

『みんな!』

 

そんな彼らの耳にはヘルメスとヘスティアの必死な叫び声が鮮明に聞こえていた。

 

彼らの目的地は直ぐそこだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスフィ達が撤退している横目で、アーテは不満そうな表情で動かないアンタレスを見ていた。

 

「もっと暴れてよー!」

 

不満を隠さない主に対してローブの人物はようやく口を開いた。

 

「……お言葉ですが、あの色ボケ女神から貰った“予備”の餌ではこれが限界かと」

「むぅー、やっぱあの時アルテミスを捕まえられなかったのがダメだったね」

「……返す言葉もございません」

 

ローブの人物はアーテに頭を深く下げていた。

 

「興醒めだしもういいよ」

「……ハッ!」

「じゃあ、もう飽きたし帰ろっか!」

 

アーテはニカっと笑った。

 

「……アレは如何なさいますか?」

「うーん、アンタレスはもう弄れないしここに置いておくよ。あっ!ついでにあの子達も置いておきましょ!」

 

アーテはアスフィ達の撤退を邪魔している狂信者達に指を刺した。

 

「……文句が来そうですが、宜しいのですか?」

「いいのいいの!そんな他人の事を気を使い過ぎると楽しい事を楽しめないでしょ?」

「……貴女様の仰せのままに」

 

アーテはローブの人物から視線を外し、逃げているアスフィ達を再び見下ろすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

———「お願い……」

 

朧げの意識の中で誰かが僕を呼び掛けた。

だけどもう僕にはその呼び掛けに答えられる力も残っていなかった。

 

———「お願い……」

 

「……ごめん」

 

それを言った後、僕の意識が再び闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルソス遺跡の上空に一人の少女が遺跡を見下ろした。

 

「……術式構築」

 

彼女の右手には琥珀色の魔力、その左手には紅色の魔力が徐々に集まり出した。

 

「演算領域拡張開始……拡張完了」

 

彼女は両手に集まった魔力をゆっくりと混ぜ合わした。

 

「……演算完了……術式展開」

 

混ざり合った二つの魔力の塊を中心に凄まじい数の魔法陣が展開された。

 

『擬似流星』(フェイク・メテオ)

 

ポツリと呟かれたその言葉の後に突然と天空から小さな火の球が凄まじい速度で遺跡に堕ちた。

 

「……残り時間、6分34秒」

 

翠色に煌めくを持つ瞳の彼女は遺跡に突入したのだ。




ここまで読んで頂きありがとうございます。
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