私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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いつもの衝動的に書いてる物。


お祭りの屋台ってテンション上がるよね

「あれ……もう朝?」

 

 昨日、『猛者』と遭遇した私は恐怖で体が動けなくなった。正直、レベル7に睨まれるだけでアレほど生きた心地がしないとは…初めて知ったよ。

 そんな私の異変に気づいたベルは直ぐに全ての予定をキャンセルして、私に早めに休むようにと言い出した。そんな私はホームに着いた途端、緊張の糸が切れて恐怖によって今まで感じていなかった疲労に襲われ、直ぐに眠ってしまった。

 ソファーに視線を送ると気持ち良さそうにすやすやと眠る弟の姿があり、テーブルの上には料理が入った容器が置いてある。おそらくベルが私のために用意した食事だろう。昨晩そのまま眠ってしまったことに少し罪悪感を感じた。

 ベルが起きる前に、顔を洗うため洗面所に向かおうとした時——

 

「……んぅ……あれ? レフィ姉、起きたんだ……」

「あっ、起こしちゃってごめん」

「ううん、平気だよ。それより、レフィ姉の方はどう?」

「おかげさまでもう楽になったよ、ありがとう」

「ならよかった! あ、そうだ! ミアお母さんにご飯作って貰ったんだから後で食べてね。冷めても美味しいんだ」

「えぇ!? ミアさん、わざわざ作ってくれたの!? 悪いことしちゃったなぁ」

 

 身だしなみを整え、ご飯を食べた後。ベルは私に話しかける——

 

「レフィ姉、怪物祭(モンスターフィリア)を一緒に観に行かない?」

「うん? もちろん、いいよ。私も気になってるしね」

「本当? やった!」

 

 この弟、可愛いのである。

 

「後はヘスティア様と合流出来ればいいんだけどね」

「え? 神様も来るの?」

「え? うーん、そんな気がするだけだから」

「あ、そうなんだー」

「ま、まあそう言うこと! さあ、準備をして行きましょうか」

「えぇ!? ま、待ってよー」

 

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 モンスター調教が行われる闘技場へ向かう前に、私たちは先に『豊饒の女主人』に寄る事にした。

 

「あ、白髪頭たちニャ!」

「「おはようございます、アーニャさん」」

「おはようございますニャ。もしかしてミア母ちゃんを探してるニャ?」

「はい、昨日のお礼と謝罪を伝えたくて」

「わかったニャ、ちょっと待つニャ!」

 

 アーニャさんと入れ替わって、ミアさんが台所から現れる。

 

「どうだい体の調子は?」

「おかげさまでもうすっかり良くなりました、あとこれ、お代です」

「はいよ、それであんたらはこれからどうするんだい?」

「弟と一緒にお祭りを見て回ろうかなって思いまして、何かおすすめな物ありますか?」

「おっ、それは名案じゃないか。そうさね、あたしのおすすめの屋台は———」

 

 しばらくミアさんとお話しをして、そろそろ祭りに向かおうとしたらベルが見覚えのない財布を持って駆け寄ってきた。

 

「ん? なんであんたがその財布を持っているんだい?」

「シルさんが財布を忘れたらしくて、これを届けて欲しいってリューさんたちにお願いされて」

「あぁーなるほどね」

「まったく、あの馬鹿娘は……。……あたしからも頼むよ」

「はい、任せてください!」

「じゃあ、行こっか。ではミアさん、また」

「あいよ! シルのこと頼んだよ」

 

 ミアさんに見送られ、私たちは祭りに参加していくのであった。

 

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 ミアさんのおすすめ屋台料理を食べ歩きしながらシルさんを探している私たちでしたが、遠くから自分たちを呼ぶ声が聞こえてきた———

 

「おーい! ベル君! レフィ君!」

「神様!」「ヘスティア様!」

 

 小走りで私たちに駆け寄る女神、主神のヘスティア様。

 

「どこ行ってたんですか! 僕たち凄く心配してたんですよ!」

「そうですよ! 留守にすると言われていましたけど、でも何日も帰って来なかったらやっぱり心配です!」

「あははは、ごめんごめん。少し用事があったんだ、でも大丈夫! もう終わったのさ」

「それじゃあ、今日はホームに帰るのですか?」

「モチロンさ! いやぁー我が家のベッドが恋しくてたまらなかったよ」

「そうですか……、ではヘスティア様はこれからホームに帰るんですか? 私たちはこのお祭りを見回る予定なんですけど」

「いやいや、キミたちと一緒に祭りを楽しむに決まっているじゃないか! 眷属と初めての祭り、いい響きじゃないか」

「本当ですか? やったね、レフィ姉!」

「そうだね、でもシルさんを探すの忘れないでね」

「……ムッ? どう言うことだい?」

「あ、それがですね、実は僕たちは忘れ物をとある人に届けて欲しいって頼まれまして、今その人を探してる最中なんです」

「その割には随分と楽しんでいるではないか? まったくベル君は!」

「……実は、このお菓子は私が食べたくて思わず買っちゃいまして……」

「まさかのレフィ君!?」

「あははは、レフィ姉は昔から甘い物好きですからね、このお菓子を見た途端、買おう! 今直ぐ買おう! って聞かなくて」

 

 仕方ないでしょ!? だって見た事ないスイーツだよ!? 買わないなんてあり得なくない!? 

 

「あぁ、うん。なんかレフィ君の意外な一面が見られた気がしたよ」

「村にいた頃もよく行商人から甘い物を買い漁って、お爺ちゃんの財布を空っぽにしたり。大変だったよ」

「…ねぇ、その話やめない!?私の姉としての威厳が無くなっちゃうお話やめない!?」

「そんなに甘い物が好きなら食事量を気にしなくてもヤバいんじゃないかい?」

「ヘスティア様……それはそれ、これはこれ」

「本当、言ったもん勝ちだね、それ。……まあ、いいさ! 行こうか2人共! まずはシル君とやらを探しに行かないとね」

「「はい!!」」

 

 ヘスティア様を先頭に私たちのシルさん探しが続く。

 

「……あ、このクレープ美味しい」

「……レフィ姉」

「まだ食べるのかい!?」

 





ここまで読んで頂きありがとうございますございます。

っていうか話のペースが遅すぎる…こういうのやっぱ減らしてメインを進めるべきなのかな?

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