私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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なんか気づいたら書いていたのでそのまま投稿します。


常識なんて捨てるんだ!

「え? アルミラージ君のファミリアの事? なんで?」

「そうよね、治療もしたし、【ガネーシャ・ファミリア】の事も手伝ったし、もう十分じゃない?」

「そこのバカゾネスどもの言う通りだ! おいロキ、どう言う事だ!」

「ワシも気になるな」

「え!? ガレス、事前に話聞いてないの?」

「その通りじゃ」

「……私もこれの事聞いてない」

「えー、アイズも!?」

 

 ロキの発言に驚いた幹部たちが騒ぎ出す。そこで今度はロキが爆弾発言を口にした。

 

「うちはドチビのファミリアと同盟組む事になる」

《!?》

 

 その発言を聞いて、フィンとリヴェリア以外の人物は驚きを隠せなかった。

 

「えー!? な、なんで急に同盟なんて!?」

「そうよ! どう言う事ですか団長!」

「頼む落ち着いてくれ、ティオナ、ティオネ!」

「んなこと出来るか! なんでこんな雑魚どもと同盟なんて組まなきゃいけねえんだ!」

「それはロキが説明すると思う」

 

 フィンは混乱した若い幹部たちを宥める。一方、ガレスとアイズはさほど驚いていない雰囲気だった。

 

「ふむ、これは驚いたのう」

「ふっ、その割には落ち着いてるではないか」

「ロキが何かをやらかすのはこれが初めてじゃないからのう」

「まったくその通りだから、否定できない」

「……びっくり」

「……アイズ、お前は本当に驚いているのか?」

「うん、予想外だった」

 

 混乱している【ロキ•ファミリア】の幹部たちだが、もちろんヘスティア側も同じ状況である。

 

「起きたら、同盟の話なんて……どう言うことなの?」

「あれ? 神様、同盟でしたっけ? 僕は傘下に入る形で納得しましたが」

「……ボクもそう聞いたんだ。ロキ、説明してくれ」

「待って!? 私、【ロキ•ファミリア】の傘下に入る話なんて聞いてないよ!?」

「あれ? そうだっけ? 話したつもりだったんだけどね。ごめんよ、すっかり忘れてた、主にステイタスのせいで」

「うぅ……そ、それでもやっぱり一言欲しかったです」

「レフィ姉、本当にごめん。今度からちゃんと報告するから」

「約束だよ?」

 

 ロキは双方の混乱が収まるのを待ち、再び発言をする。

 

「ドチビが言った通り、最初はうちの傘下に入るって話やったけど。なんかうちの勘が働いてな、対等な立場のある同盟の方が、メリットがデカくなるってな」

「それまでどんだけ時間かかると思ってんだ! それまでに雑魚のお守りなんて俺はごめんだ!」

「そこは気にせんでええ、同盟絡みが嫌なら嫌って言えばええんやし、それでベートには関わらせないとうちが約束する」

「チッ、撤回するつもりねえのかよ」

「うちの我儘なのは理解してとる、だけどこれはもう確定やな」

「おい! これ話し合いの集まりじゃねえのかよ!?」

「あーはいはい、まずうちはベルたんとレフィーヤたんを気に入っている、それはわかるやろ?」

「うん」「ええ、まあ」「……あぁ」「うむ」「……うん」

「本当ならうちに入って欲しいんやけど、ベルたんたちはそれは絶対嫌がる」

「……ヘスティア様から離れるつもりはありません」

「僕も神様と一緒がいいです」

「ほらな? それにな無理矢理で入れようとしたら逆に逃げられるかもしれんし、逃げ道はないけどたった2人しかおらんファミリアに戦争遊戯(ウォーゲーム)で仕掛けたらそれはそれでうちらの品位が疑われるからやるつもりはないで」

「それだったらやっぱり傘下でいいんじゃないの?」

「最初はそれでも良かったんやけどな、それでうちはこのドチビがとんでもない爆弾を隠しとると気づいたんや、それをええ加減喋って欲しいやわ」

「先からドチビドチビ、同盟を組みたいならちゃんと敬意を払うべきとボクは思うんだけど? おん?」

「調子に乗んなや! ベルたんとレフィーヤたんの為や! そうやなかったら、自分はもううちの家から追い出すわ!」

「なんだと!!」

「……ヘスティア様、ステイ」

「うぐぐ、……レフィ君がそう言うなら」

「へへん! レフィーヤたんはうちの味方みたいやな!」

「神ロキも、ヘスティア様の言う通り、同盟を望む場合は少しは敬意を払うべきと私は思います。例え双方の立場が違っても」

「うぐっ……」

「ロキ、彼女の言う通りだよ、すまない、神ヘスティア、ベル・クラネルにレフィーヤ・ウィリディス」

「ぐぬぬぬ、……ほんまに悪かった。ヘ……ヘ、ヘスティア」

「うわぁ、見てベル君、レフィ君! 鳥肌たったよ!?」

「こんちくしょ!!」

 

 そんな話がしばらく続いたあと、フィンが口を開く。

 

「そろそろ口喧嘩をやめて欲しい、忘れてはいけないけどレフィーヤ・ウィリディスはまだ本調子じゃないんだ」

「「ぐっ」」

「それで女神様が隠してる秘密ってなんなの?」

「あたしも知りたい!」

「……もしかしてその子たちの強さの秘密?」

「もしそうならそれってズルじゃん?」

「まあ、ズルではないんやろ。ズルするなら天界に戻されるからな。ほなヘスティア、いい加減喋れや」

「あーうん。彼女には了承を貰ってる。秘密は単純だよ。彼女の魔法について」

《魔法? (あ゛!?)》

「なんか約一名がキレてるのがよくわからないんだけど。そう、彼女の魔法。レフィ君、見せてくれるかい?」

「はい」

 

 そうお願いされたレフィーヤは詠唱なしでベートを殴った時に使った炎の矢を出した。

 

「え?」」

「詠唱……してない?」

「おい! どう言うことだ!?」

「……やっぱり何か、感じる」

「これは驚いたね」

「ほう、やはり教育しがいのある子だな」

「がはは、これはまた驚かせてくれるわい」

「無詠唱魔法かぁ! これは確かに神々がテンションを爆上げになるやつやな」

「いいやロキ、違うんだ。そんな単純な話じゃない」

「は?」

 

 そしてすぐさまに風、水、土からできた矢を召喚したレフィーヤだった。

 

「う、嘘……魔法が4つ使えるなんて……」

「……リヴェリア以上のびっくり箱だね」

「攻撃特化だが、彼女は立派な魔導師に育ててやらないとな」

「リヴェリア、君はもう彼女を教育する方針だね……」

「……違う」

「アイズ?」

「5階層で彼女は土壁の魔法も使った。だから魔法は5つ持っている」

「……あぁ、あの時は確かに土壁を出したなこいつは」

「5つ!? すごいすごい!」

「うひゃぁ、こんな子を見逃すなんてあの門番の子らまた説教やな!」

「だから、違うんだ」

「なんや? また何かあるのかいな?」

 

 今度はレフィーヤは様々な魔法を見せた。付加魔法、回復魔法、補助魔法などなど。

 

「お、おい……ヘスティア! レフィーヤたんどんだけ魔法使えるねん!? もう12個超えてるんやぞ!? これ以上はリヴェリアが壊れてまう!」

「……一つ」

「は?」

「彼女が使える魔法は最初からたった一つなんだ」

「んなわけあるか! そんなの聞いたことないわ!」

「……彼女の魔法は無限の可能性を持つ魔法、4つの属性を好きな効果、好きな形で発動する魔法なんだ」

 

 その場に居た全員は絶句した。ヘスティアが言ったのは爆弾発言どころじゃないからだ。

 

「……うちは降りてええんか?」

「ダメだ! もう聞いたからにはキミも道連れだ! ボクの苦労を理解して!!」

「こんな爆弾どころか核爆弾並みの威力の秘密あるなんてうちは知らんわ!」

「好奇心は神すらも殺すって言うからね! もうキミはボクの仲間さ!」

「嫌やあああああああ!!!!」

 

 一方、他の幹部たちはずっと固まっている、目の前に居るエルフの少女が如何に自分の常識からかけ離れているのか理解出来なかった。リヴェリアに至っては立ちながら気絶している。

 ベルはそんな【ロキ•ファミリア】を驚かせた姉をキラキラした目で見ていて。そして当の本人は、最初は居心地悪そうにしていたがベルの視線を感じ、彼に微笑んだ、どう? お姉ちゃん凄いでしょ? と。





ここまで読んで頂きありがとうございます。

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