私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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うーん、なかなか進まないです…



胃痛の妖精

 ヘスティアの爆弾発言の連続の果て、我慢できなかったロキはいつの間にか手に持っていたハリセンを使ってヘスティアの頭を叩いた。

 

「うぅ……痛いよぉ……ロキの馬鹿阿保無乳……」

「ドアホなのはどっちや! ……それと最後のは関係ないやろ!」

「悪かった! 悪かったよ! で、でも自慢したかったさ! へファイストスが己の壁を超えて作ってくれた作品を!」 

「気持ちはわからなくもないけど、タイミングが最悪や! 見ろ! レフィーヤたんがまた動揺しとる!」

 

 ロキが指を指した方向ではぐったりとしたレフィーヤと彼女を支えているベルとリヴェリアが居る。そんなレフィーヤの手には白金の杖が大事そうに抱えてある、同時にその手が凄く震えている。

 

「借金がやばい借金がやばい借金がやばい借金がやばい———」

「レフィ姉! お願いだからしっかりして!」

「レフィーヤ、深呼吸だ。そうすれば少しは落ち着くはずだ」

 

 女神達は喧嘩をし、若き妖精は涙目で震えており、彼女の弟とリヴェリアは心配そうに彼女に話しかけ、そんな光景を見たフィンは苦笑し、そしてこういった

 

「あははは……これから先、苦労しか思い浮かばないな……」

 

 頑張るんだ、『勇者(ブレイバー)』キミなら出来る! 

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 しばらくした後、ようやく全員が落ち着いたのを見て、フィンは声をあげた———

 

「それでこの話はもう終わりでいいかな? ……僕としては終わって欲しいんだけどね」

「そうやな、まあ、他の秘密も聞きたいんやけど、流石に今日は胃が持たん。続きは後日に聞くことにするわ」

「ああ、確かにそうだな。当の本人たちもこの調子だとな」

 

 視線を送った先には小さく震えながらブツブツと言葉を発している少女、そんな彼女に泣きながら抱きしめて居る1人の女神、そして心配そうにしている少年。

 

「……ほなまあ、ヘスティア、うちらは一旦戻るで、悪いけど続きは明日に頼むわ」

「グスッ……うん、わかった……キミに言うのはちょっとアレなんだけど……味方になってくれて、その……ありがとう……」

「ロキ様、フィンさん、リヴェリアさん。今日は色々助けてくれてありがとうございます!」

「神ロキ、フィンさん、リヴェリア様。本当にありがとうございます……あと色々申し訳ないです」

「うん、まあ……頭が痛くなる話やけど、うちとしては新しい下界の子供の新しい可能性が見られるから問題ないで」

「君たちの成長楽しみにしているよ」

「ああ、私もだ。……それと私はお前たち2人に様々な事を教える事自体が楽しみだ、ふふふふ」

「お、お手柔らかに?」

「僕もリヴェリアさんから教えて貰うのが楽しみです!」

 

 そんなやり取りを終えて、ロキたちは部屋から退室した。残されたヘスティア側はぐったりとしている。

 

「この一日だけで色々な事があって凄く疲れた……」

「お疲れ様、レフィ姉」

「ベルもね、【ガネーシャ・ファミリア】への訪問は大変だったでしょ?」

「そうでもないよ、間近にああいうやり取りを見られるのはそうそうないから楽しかったよ」

「そういえばシルさんのお財布は?」

「昨日、レフィ姉をここに送り届けた後。あの財布はミアさんの所に返したよ、ついでに届ける事が出来ない事も謝ったしミアさん凄く心配していたよ」

「ありがとうね、今度寄るときにシルさんにも謝らないとね」

「うん!」

 

 そう言って嬉しそうにはにかむ弟を見て、思わずレフィーヤは彼の頭を撫でた。ふわふわな真っ白の髪を撫でられたベルは恥ずかしそうだがそれでも嫌がる素振りを見せなかった。

 

「ぼ、ボクを忘れないでおくれ!」

「……忘れていませんよ、特に借金を作る事を」

「わーーん! ベル君、ボクを助けて!」

「ご、ごめんなさい神様。でも一回は怒られた方がいいと僕は思います」

「わーーーん! ベル君の裏切り者!」

 

 このあと滅茶苦茶お説教をした。

 

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 ———翌日。

【ロキ・ファミリア】のホームを後にし、久々の自分たちのホームに戻ってからダンジョン探索を行うレフィーヤたち。二人でダンジョン探索を開始しょうとした矢先に、急にベルが固まっており、そんな弟を不思議そうに見たレフィーヤであるが、すぐ様その原因を知ることになる。

 そこにはアイズをはじめ【ロキ・ファミリア】の幹部たちが居たから。

 

「あ、アイズさんたちだ……」

「……昨日はあんなに堂々としたのになんで今は固まってるの?」

「昨日はレフィ姉の事でいっぱいいっぱいだから、気にしてる暇がなくて……」

「……な、なるほどね」

「……レフィーヤ?」

「え?」

 

 急に自分たちに声をかけたアイズ。続いてリヴェリアにフィンそしてアマゾネス姉妹。

 

「む? お前たちも今からダンジョンか?」

「これは偶然だね」

「アルミラージくんだ! やっほー!」

「恥ずかしいからやめなさい!」

 

 軽く挨拶をして、そして彼らの目的を聞いてみるとどうやらアイズが折った剣の代金を集めるため、ダンジョン探索を行う予定のようだ。そんな彼らを見送り、ダンジョン探索を開始した。

 

「4000万ヴァリスを集めるために下層を攻略かぁ……」

「ぼ、僕たちには無理だよね」

「今の私たちはそうだね、でも将来的に絶対行くことになると思うよ」

強制任務(ミッション)だっけ? 一定評価を貰ったファミリアに発生するギルドからの任務」

「そう、正解。よく勉強したね」

「そうしないとエイナさんが許してくれなくて……」

「どんまい?」

「……凄く他人事みたいに言って」

「だって他人事だもん」

「なんでそこだけきっぱり言うの!?」

「お姉ちゃんは時に心を鬼にし、弟を見捨てる必要があるんだよ?」

「そんなのやだよ!?」

 

 軽口を言い合いながら探索を行う二人。レフィーヤは新しい杖のおかげで魔法の威力が段違いになり。ベルも同様にナイフのおかげで今まで苦労した敵を次々と倒していた。

 

「凄いね、この武器……」

「うん、まあ、凄いのはわかるけど……値段を考えると気が気じゃないって言うか?」

「その杖は材料費だけだよね? 僕のより安いんじゃないかな?」

「まあ、そうなんだけど……それでも1億ヴァリスなんだよね……」

「うわぁい、安いなぁ」

「金銭感覚麻痺ってるね?」

「そ、そんな事ないよ」

「うっそだー!さー洗いざらい吐きなさい!」

「聞こえない聞こえない」

「こら待ちなさい!」

 

 探索を終えて、地上を目指し笑い合った姉弟に新しい出会いが待っている。





ここまで読んで頂きありがとうございます。

アイデアが湧いてこない…

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