私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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勢いに任せて3話目


弟は最高に可愛い

 お爺ちゃんに拾われてから数年が経ちました。周りの村人たちからの私の評価は“あのエロ爺を止められる唯一の存在”として扱われた。まあベルはお爺ちゃんを止めようとしても巻き込まれるだけだしね。

 

 そんな日々を過ごしてたら気が付けば魔法を使える様になった。それを知ったみんなはそりゃもう大騒ぎになった(主にベル)。どうやら『神の恩恵(ファルナ)』が無くても魔法を使える人は居るらしい。まあ才能ってやつだね。

 

 魔法が使える私を見て、ベルも自分で何かの力を手に入れたいと私に相談したのだった。そんなベルに私は適当にトレーニングメニューをやらせた。主に素振りを1000回に村の周りを10周や他の訓練も毎日するようにと伝えた。

 

「自分で言っといてアレなんだけど。マジで毎日休みなしでこの訓練を続けるとか、我が弟ながら頭おかしいと思わない?」

 

「ハハハ、それだけベルが本気って事じゃろ。まあおかしいと言えばお主もそうであろう」

 

「え? そんな事ないと思うけど?」

 

「いやいや、お主は4属性の魔法を自由自在に使えるとかもう完全にぶっ壊れキャラじゃからのう」

 

「うっ、つ……使えるとしてもどれも威力弱いし、いざ高威力を出そうと思ったらすぐに気絶しちゃうし」

 

精神疲弊(マインドダウン)は仕方なかろう、むしろ『神の恩恵』なしでそこまで出来たのならワシは十分と思うんじゃがな。お主が冒険者になったらきっと化けるぞ?」

 

「うん、まあ……否定できないかも……」

 

「それにしてもお主がベルと一緒にオラリオに行くとはのぅ、正直びっくりしたわい」

 

「だって……あの子が悪い人に騙されないかと心配で……そもそもあの子の性格は絶対冒険者向きじゃないですよ?」

 

「確かにそうじゃな、だがお人好しのベルだからこそ何か成し遂げる可能性があるとワシは思う。それにお主が隣に居るんじゃ、何も心配しなくていいだろう」

 

「その期待が重いんですよ……はぁ……」

 

「そろそろ寝たほうが良い、明日からオラリオへ旅が始まるからのう」

 

「……うん、そうするね。おやすみお爺ちゃん」

 

 次の日は私とベルはオラリオ行きの馬車に乗ってここから少し長い旅が始まる。

 

「ね、ねえ、レフィ姉。オラリオに着いてもすぐにダンジョンには行けないんだよね?」

 

「何回説明すればいいの? まずはファミリアを探さないとギルドに登録出来ないしダンジョンに潜れない。だからまずは宿を確保した後にギルドに行って、団員募集中のファミリアを紹介して貰う。でもまぁ……ベルはちょっと厳しいかもね」

 

「え? なんで? 僕はたくさん訓練したし、レフィ姉が出した課題もちゃんとやったんだよ?」

 

「それは知ってるし、私もそれを高く評価してる。でもね、初対面ではベルは弱そうな奴としか見ない連中とか絶対に居ると思う。そんな連中にベルが馬鹿にされるかもよ?」

 

「そ、そっかぁ……僕ってそんな弱そうに見えるんだね。かなりショックなんだけど…」

 

「でも私はそれでもいいと思う、ベルの価値を見出せない連中なんて無視すればいいし、それにベルの凄さを理解した時、あの時受けさせておけば良かったと後悔させてやりましょう!」

 

「うん! あ、でもレフィ姉はすんなり決まりそうだね」

 

「私はベルが入るファミリアに入るから立場的にはベルとあんまり変わらないよ」

 

「あ、あははは、足を引っ張らないように頑張ります」

 

 それから何気ない雑談をし、たまに馬車を襲おうとする魔物を退治し。私たちはオラリオに着いた。

 

 これからは私たちの冒険の日々の始まり……。






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