私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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短いと思います。

3期のキービジュアルを見ました!メインヒロインのアステリオス君可愛いですね!


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 レフィーヤと合流し、探索を再開したベルとリリルカ。だが合流後、迫り来る敵は殆どがレフィーヤが魔法で迎撃したため、ベルはリリルカと一緒に魔石の回収を行った。リリルカの目があるせいか、レフィーヤは使用する魔法を炎の矢に絞っている。

 

 一方、リリルカは内心あり得ないぐらい焦っている。まさか昨日、自分を殺そうとしたエルフが今回狙った獲物の姉だなんて夢にも思わなかった。リリルカの予想だと昨日遭遇したエルフは彼を助けた女給同様に偶々彼の知り合いでそう簡単に遭遇しないと思ったから。幸い、遭遇時に魔法で姿を変えた為レフィーヤは自分の事には気づいていない。だから、リリルカは計画を辛うじて続行出来ると判断した。だがもしバレた場合、自分は目の前にあるキラーアント同様に魔法の矢に貫かれて殺されるだろう。そしてよく見ると目の前のエルフは魔導師特有のローブや杖以外に目立った装備など無く、まさに今までリリルカが知ってる魔導師の姿。だが違いが有るとすればレフィーヤという少女は今までリリルカが見た普通のレベル1魔導師とは違い常に動きながら魔法を連発している。その上に彼女の魔力が尽きる気配は未だにない。弟が非常識なら姉もまた非常識であると納得せざるをえない。

 

「———取り敢えずこれぐらいでいいかな?」

 

 暫くするとレフィーヤはそう言ってきた。だがリリルカは未だ彼女に余裕がある事に気づいた。

 

「レフィ姉はもう終わるの?」

「ううん、ベルと連携しながら探索するつもりだよ? いくらステイタスが上がっても技や連携は磨かないと役に立たないでしょ?」

「確かにそうだね……、レフィ姉は後衛を任せていいよね?」

「いいよ」

「じゃあ、リリは中衛で僕を援護してね!」

「……は、はい」

 

 嫌です! とリリルカは心の中で叫んでいた。もし万が一この場でナイフを盗もうとしてバレたらレフィーヤの魔法の矢が避ける暇も無く自分を貫くだろうと確信しているからだ。

 そうやって、後ろに居るエルフに気を付けながらリリルカはサポーターとしての仕事を全うしたのだった。…………ベルとレフィーヤが気づいてない時は少し魔石をちょろまかしたが。

 

 そしてその日の探索を終えて、ベルは昨日と同じくリリルカに半分の報酬を与えようとした。勿論、リリルカはそれに反対し、そして報酬をくれるならそれは3等分にすべきだと主張してきた。レフィーヤはそれに賛成し、ベルは仕方なく引き下がった。

 こうやってリリルカの怒涛の日々が始まるのであった。

 

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 リリルカと別れ、ベル達はいつものようにホームに戻るのであった。けどホームに着くとそこには主神ヘスティアの他にへファイストスがいた。

 

「やぁ、お帰り二人とも!」

「あら、帰ってきたわね」

「へファイストス様!?」「!?」

「久しぶりねレフィーヤ。そして初めましてねベル・クラネル」

「は、初めまして!」

「早速で悪いんだけど、貴方の姉と二人で話したいわ。ヘスティアもいいわね?」

「え? 姉とですか?」

「ボクは構わないよ? ほらベル君、暫く外に行こうか」

「え、えぇ!? ま、待ってください神様!」

 

 ヘスティアとベルがホームから出て行き、レフィーヤとへファイストスだけが残されていた。

 

「……あの、すみません、まだお金の用意出来てません」

「なんでそうなるのよ……。今日は貴方の杖を見にきただけよ?」

「……鍛治師が自分から武器を見にくるなんて初めて聞きました」

「そうね、貴方の弟の武器だけなら私は来ないわ、自信あるんだもの。けど貴方の杖は違う。私が下界に降りて初めて作った神秘な物。それがその杖よ? はっきり言って定期的に見ないと不安が残るわ」

「……聞いてはいましたが、やっぱりこの杖は特別なんですね」

「……その杖が出来たのは奇跡に近いわよ? 本来はありえないと言っても過言ではないわ」

「そんなあり得ない武器をただのレベル1に与えて大丈夫なんですか?」

「ただのって……。貴方の事は先日ヘスティアから聞いたわ、有り得ない魔法を使えるってね。そんなあり得ない貴方が普通とでも言うつもりかしら? そうだとしたら貴方、全魔導師に喧嘩を売ってるわよ? ……いや、もう売ってるわね」

「……なんか最近こういうの多い気がします」

「諦めなさい、貴方を守るには必要な事よ。ヘスティアも信用している神々にまた話すつもりらしいし」

「……何から何まで申し訳ないです」

「まあ、私も貴方とヘスティアが悲しむのは見たくないから協力するけどね」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、杖を見せて貰っていいかしら?」

「あ、どうぞ」

 

 へファイストスが杖を受け取ると、彼女はその杖の状態に驚いた。透明だった宝石が今は綺麗に四色の光に輝きそれだけでは無く、へファイストス自身の未熟さ故に歪に出来てしまった杖が紛れもなく主と共に成長している。

 

「……ありがとう、杖にはなんの問題もないわ。けど少しでも不調があったら直ぐに私に言って頂戴、直ぐに見てあげるわ」

「はい、ありがとうございます」

「……その杖と貴方が何処まで行くのか。楽しみだわ」

「が、がんばります!」

「主人が杖に願うように杖は主人の願いを叶えてくれるわ。どう? 浪漫を感じるでしょ?」

「い、いいえ、そういうのはわかりません」

「あら、残念ね。それじゃあ、これから杖は定期的に私に見せて頂戴ね」

「は、はい……」

 

 そう言ってへファイストスは【ヘスティア・ファミリア】のホームを後にしたのであった。

 

 その夜レフィーヤがふわふわと杖の上に座りながら本を読んでいたのを見たヘスティアは再び発狂し、ベルは何回目かわからないキラキラした瞳で姉をみていた。





ここまで読んで頂きありがとうございます。

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