私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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37話?です。

7/6》 本作のTS要素があんまりにも薄く、意味をなさない為、タグを外させて頂きます。TS目当てに本作を読み始めた方々に大変申し訳ないと思っており、未熟な私をどうか許してください。引き続きどうぞよろしくお願いします。


天然vs兎

 ホームのリフォームの打ち合わせをしていたレフィーヤが宿に戻った時、彼女が見たのは倒れている主神とそれを看病しているベルの姿だった。

 

「……ただいま」

「レ、レフィ姉! 神様が! 神様が!」

「あ、うん。取り敢えず落ち着いて? ね?」

「うぅ……」

「で? それでなんでヘスティア様が倒れたの?」

「そ、それは僕にようやく魔法が使える様になったからって理由なんだ……」

「ベルに魔法?」

「うん! これだよ」

 

 ベルはレフィーヤに自分のステイタスを見せた。そこには確かに魔法が書かれている。

 

「おぉ、凄い……っていうか一つで二つなのね」

「そうなんだよ! レフィ姉と同じ魔法じゃないかって僕は思うんだ!」

「……そっか、そりゃヘスティア様は倒れるよね」

 

 暫くするとヘスティアは意識を取り戻した。

 

「神様!」

「おはようございます、ヘスティア様」

「……レフィ君、聞いておくれ。ボクは悪い夢を見たんだ」

「悪い夢……ですか?」

「そう! とっても悪い夢だ!」

「……どういう夢ですか?」

「それがね、なんとベル君が夢の中でキミの魔法に似た魔法を取得したんだ。いやぁ〜、夢で良かったよ!」

「「……」」

「神様、夢じゃないですよ! 僕ちゃんと魔法を取得したんだよ!」

「HAHAHA、何言ってるんだいベル君。そんなわけ無いじゃないか」

「ヘスティア様……」

「……なんだい?」

「現実を見ましょう」

「無慈悲!!!!」

 

 そんなやり取りがあったものの、いつもの様に3人で夕飯を食べたレフィーヤたち。いつも通りに落ち着いているレフィーヤ、やけ食いをしているヘスティア、そしてソワソワしているベル。

 

「……ベル君、魔法の試し打ちは明日にするんだよ?」

「も、もちろんです」

「……約束だよ?」

「はい、明日ですね明日」

「ならよし!」

「はい!」

 

 一方レフィーヤはそんなベルの様子を見て、この子、みんなが寝た後にこっそりダンジョンに行く気だねと気づいていた。そして予想通りにベルはベッドから抜け出し。こっそりと一人でダンジョンに向かう。そしてそんなベルの行動に気づいたレフィーヤも彼の後を追いダンジョンに向かうのだった。

 

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 今、ベル・クラネルは自分の魔法を試したくてうずうずしている。内心では主神であるヘスティアと姉のレフィーヤに謝りつつも、結局彼は一人でダンジョンまで来ていた。

 

「ごめんなさい、神様、レフィ姉。でもやっぱ早く試したい!」

「えっと、詠唱と魔法名を唱えればいいんだよね?」

 

『轟け』

不滅の雷(ユピテル)

 

 その時彼が想う魔法は姉と同じ魔法の矢だった。そしてそれによって、頭上に数本の雷の矢が現れた。尚、彼は気づいていない、最初に魔法の矢を使った姉は一本しか出せなかったのに対して自分は既に複数の矢を出していた事に。これは彼が魔法の矢は複数で出す事が当たり前と想ったからだ。

 

「行け!!」

 

 現れた魔法を見て更にテンションを上げた彼がそう命令した瞬間。魔法は凄まじいスピードで現れたコボルドたちを貫いた。

 

「ははは、凄いや!」

「よーし、もっとだ!」

「それそれ!」

 

 延々と魔法の矢を敵の撃ち込むベル。そして魔法で貫かれた魔物達はなす術もなく崩れ落ちる、そんな光景が暫く続いていたが。

 

「ふぅ……は、ははは。これが……僕の魔法……さてと、みんなにバレる前に早く……帰らな……いと……」

 

 満足したベルが宿に戻ろうとした瞬間。彼は唐突な脱力感に襲われた。魔法が使える者なら一度は味わう精神疲弊(マインドダウン)。そしてそのまま彼は倒れ、意識を手放した。

 

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 ベルを遠くから見守っているレフィーヤは倒れた弟に呆れていた。ベルは精神疲弊(マインドダウン)の事を知らない訳がない、何故なら彼は昔何度か倒れた自分を見た筈だから。

 

「……知識として知っているのと実際に味わうのでは違うって言うべきかな?」

 

 呆れながら彼女はベルのもとに駆け寄る。

 ふっと彼女は思った、そのまま宿に連れて帰るのはいいけど、それはそれで骨が折れるから……。魔法を使えば簡単だが、誰の目があるかわからないのでやめる事にした。

 

「……ポーション持って行くの忘れちゃったし、どうしよう……」

「……そこに居るのはレフィーヤ、お前か?」

「ほぇ?」

 

 突然彼女に喋りかけたのはリヴェリアだった。その後ろには少しボロボロなアイズも居た。

 

「り、リヴェリア様にアイズさん? 今戻ったのですか?」

「ああ、少しやる事があってな」

「……それはアイズさんがボロボロの理由に繋がるって事ですよね?」

「そう言う事だ、だが詳細はまた後日にだ。お前こそ、こんな時間に何をやっている? 夜通しの探索か?」

「あ、いえ。この子が抜け出しちゃって……」

 

 レフィーヤは倒れているベルをリヴェリアとアイズに見せた。

 

「……ベルだ」

「むっ、これは精神疲弊(マインドダウン)か、もしかしてお前の弟は魔法を取得したのか?」

「はい……」

「それで我慢出来ずにここまでやって来たのか? やれやれ、困った奴だ」

「……ベルが魔法を? すごいね……」

「まあ、魔法を使えると喜んでぶっ倒れるまで使う馬鹿はうちにも居る」

「はい、それでこの子を連れて帰りたいので、私はこれで……」

 

 レフィーヤがベルを背負おうとした時にアイズが彼女を止めた。

 

「待ってレフィーヤ……、私その子に償いたい……」

「償うですか? でもアイズさんは既に謝りましたってヘスティア様が言ってましたよ?」

「うん、ベルには謝ったけどそれでも足りないと思って……」

「ふむ、なるほどな……、ならレフィーヤ、少し私と話さないか? その間にアイズはその子に償えばいい」

「私は別に構いませんが……」

「どうやって償えばいいの?」

「それはな———」

 

 アイズにベルを任せたレフィーヤとリヴェリアは地上に出る事にした。けどレフィーヤは何か言いたげにリヴェリアを見ていた。

 

「なんだ? 弟が心配か?」

「いえ、アイズさんが付いてますので心配はしてませんが……その……、うちの弟とアイズさんで遊ぶのやめて欲しいんですが……」

「何がだ?」

「ですから、なんでアイズさんに膝枕をさせてるんですか!?」

「なんだ? 嫉妬か?」

「違います!!」

「……なら別にいいではないか。ベルもアイズの様な美少女にああやって膝枕されたら喜ぶ筈だ」

「……多分羞恥心で死ぬと思いますよ?」

「まさか、その筈は———」

 

 リヴェリアが言葉を言い切る前に後ろから叫び声が聞こえ、白い何かが自分たちを追い抜いた。

 

『だぁあっぁぁああぁああああああああああああああ!!!!!!!!!』

 

「ほら?」

「……そうだな」

 

 暫くするとアイズも彼女達に追いついた、けれど彼女の顔はしょんぼりしていた。

 

「……逃げられちゃった」

「……うちの弟がすみません」

「ぷっ、くくくく」

「むっ!」

 

 笑うリヴェリアにポカポカと殴るアイズ。レフィーヤはそんな彼女たちを見て苦笑を浮かべた。





ここまで読んで頂きありがとうございます。
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