【ヘルメス】の団員達はアスフィの指揮の元で次々と自爆特攻を繰り返す狂信者達を交戦しながらも何とか体制を立て直す事は出来た。だがそれでも狂信者の猛攻が止む気配は無かった。
「クソ! こいつらマジでキリがねえ!」
狂信者の自爆を往なしながらポックはそう言い捨てた。
「わかっている、それでもせめてセインの回収が終わるまで踏ん張りたい所よ……なッ!!」
前衛組のリーダーを務めるファルガーはそんなポックを宥めながらも目の前にいる男を蹴り離した。ファルガーが蹴ったその男は周りにいる狂信者達を巻き込みながら自爆していたが、それでも彼らは止まらない。
「……こいつらの頭マジでイカれてやがる」そんな光景を見ながらファルガーが言った。
「ファルガー! ポック! 避けなさい!」
「「!?」」
唐突にアスフィの叫びが聞こえた。その叫びを聞いた二人は直ぐ様にその場から距離を取った。
「くそ! こいつらの事完全に忘れちまった! ポック、無事か!?」
「あ、ああ。オレは無事だよ」
そこに現れたのは花型のモンスター、
『さあ!
その一声と共に
「……グッ!? このままジリ貧だ。俺の体がぶっ壊れるのが先か俺の盾がぶっ壊れるのが先かのどっちかしか無いか……」
そんなファルガーを見てエリリーは両手に装備した大楯を構え彼を支援しょうとした。
「ファルガー! あたしも庇うよ!」
「ダメだ!!」
「えっ!?」
「エリリー、お前は撤退時に必要不可欠だ、ここは俺に任せろ!」
「で、でも……」
「これぐらいは平気……ダァ!!!」
だがここで
「なっ!?」
「ま、マジかよ!?」
「全員退避いいぃぃぃ!!!」
「う、うわああああああ!!!」
大きな爆音と共にファルガー達が吹き飛ばされた。咄嗟の回避のお陰で軽傷で済んだものの
メリルは直ぐ様に詠唱を開始した。
『炎よ! 偉大なる聖なる炎よ! この小さな身に見合わない全てを焼き尽くす炎をここに!』
『リウォ・フレア!!!』
メリルの魔法は
「よくやったぞ、メリル!!」
「で、でも。このままじゃダメだよ! だ、団長、何かないですか!?」
「ええ、わかっています! ネリー、残った物は?」
「もう通常のポーションと魔力ポーションしかありません!」
「……奴らはここまま我々を見逃すわけない。ならばここは機動力がある私が囮になります、その内に逃げて下さい」
「む、無茶ですよ! いくら団長でもあの群れから逃げ出すのは困難なんです!」
「……ええ、わかってます。ですがこのままでは我々が一方的に全滅するでしょう。ならば団長である私が貴方達守るのが最適解です」
「あ、アスフィ…………!? また来るよ!!」
『逃すな! あんな雑魚共を一匹たりとも逃すな!!』
その時…………。
《ズド──────ーン》
「アリアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「…………!!」
レヴィスがアイズの懐に潜り込もうとした、アイズは回し蹴りで彼女を追い返した。
一方、蹴りを受けたレヴィスは狂信者がいる方向に飛ばされた、だが彼女はアイズの蹴りを受ける直前に咄嗟で剣を盾替わりにした為、直接攻撃を喰らわなかった。
「なるほど……アリア、確かに貴様は強い。ならば私のやるべき事はそんな貴様を超えるまでだ!」
レヴィスは近くにあった大きな魔石を握りしめ、そしてそれを食べた。
「魔石を……食べてる?」
アイズはそんなレヴィスの行動に絶句した。勿論、アイズだけでは無く、一瞬だけ思わず足を止めた【ヘルメス・ファミリア】の団員もまた言葉を失った。
…………そう、たった一瞬、たった一瞬でも彼らは思わず足を止めてしまった。その一瞬は今の彼らにとって、死を意味する事も忘れてはならない。
「……!? アスフィ!!」
周りより一足先に我に帰ったキークスは直ぐ様にアスフィを突き飛ばした。その直後に彼は爆発に巻き込まれてしまった。
「キークス!!」
「野郎!!」
「ネリー! キークスの奴にポーションを!」
「で、でも! は、ハイポーションはもうないですよ!?」
「そ、そんな……」
「メリルなら治せる!」
「わ、わたしの魔法じゃ即効性はないよ!?」
「クソ!!」
「ルルネ! 今すぐキークスを回収しなさい!」
「わかってるよ!」
「すまない……私にほとんどのハイポーションを使ってしまったばかりに……」
「セインは悪くないよ!」
「怪我人は黙ってろ!!」
レヴィスとアイズの登場で少し動きが鈍った
そこでファルガーは己の大剣と盾を構え、向かい来る敵を薙飛ばした。
「オラァアアアアアアアアア!! 俺の
ファルガーの行動にポックを始め他の団員達は彼を止めようとした。
「何言ってんだよ!! お前も来い!!」
「ファルガー!!」
それでもファルガーは彼らの声を気にせずにそのまま敵と戦った。
「……なら俺も!!」
ポックはファルガーに加勢しょうとしたその時、ポットは彼を引き留めた。
「足を止めちゃダメ!! ファルガーの為にもみんなで早くここから離れるの!」
「なっ……なにいって……」
「いいから早く!!」
「…………くそ、くそ!!!!」
他の団員が離れたのを見ていたファルガーは己が持っていたスキルを発動させた。
『クラウン・パレード』彼が持っている、挑発スキル。魔物人間関係なく敵と見做したモノを挑発し、その敵意を自分に向かわせるスキル。
(表現した時はこんなモンはいつ使うんだよと思ったがなぁ……。まあ、こういうのも悪くない)
「さあ! 来い! このド畜生共が!!」
彼は高らかに声を上げた。
(後は……頼んだ……)
ファルガーに向けて狂信者や
《ズド──────ーン》
「けっ! なぁに、カッコつけてんだよ、雑魚が!」
「ベート、お前は労いの言葉の一つでも出来ないのか?」
「うるせえよ!! 間に合ってんだから文句言うなよ、ババアがよ!」
「間に合ったのはレフィーヤのおかげだ、お前は何もしていないではないか?」
「あ゛ぁ゛!? んなもん、二度とごめんだ!!」
「意外と快適だったぞ?」
「そりゃお前はあのバグエルフの防御魔法貰ってるからだろうが!」
「それならば断ったお前が悪い…………さて、おふざけはここまでの様だ、いくぞベート」
「ッチ! 言わなくてもわかってるよ! オラァ! 雑魚が! お前はさっさと避難しろ!」
「ろ、【ロキ・ファミリア】!?」ファルガーは目の前に居る人物を見て言葉を失った。
「そうだ、だから後は我々に任せろ」
「ケッ!!」
ここに彼らの援軍がようやく到着した。
「よ……よかった。ま、間に合いました……。うん……でも……」
《アリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリアアリア》
《遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ遊ぼうあそぼうアソボウ》
《助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ助けて助けてタスケテタスケテ》
幻聴はここに来てからさらに悪化していた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。