私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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気がついたら通算UA20万とお気に入り2000人を超えました、皆さん本当にありがとうございました!!

次から日常や番外編とかになりますかね。


尊き溢れる日常(7) ※

 目が覚めると見覚えのある天井があった。

 なんだろう、この天井は最近お世話になった気がする。

 

「目が覚めたのかい?」

 

 声がする方に視線を動かすとそこには優しく微笑んだヘスティア様が居る。

 なんだろう、久しぶりにあった気がする。

 

「あの……ここは?」

「黄昏の館さ」

「私は……24階層に意識を失ってここに運ばれたんですか?」

「ああ、狼人君が重体のキミをここまで運んだのさ」

「そう……ですか、後でお礼言わなきゃ」

「うん、そうするといいよ。でも、今はゆっくり休むんだ! なんせ丸一日ずっと寝てたからね」

「……はい」

 

 そう言って私はヘスティア様の顔を見た、目元がクマで黒くなっており、目も真っ赤になっている。

 

「ヘスティア様……」

「うん、なんだい?」

「心配かけてごめんなさい……」

 

 ヘスティア様は優しく私を撫でた、目は少し潤んでいたが変わらず笑顔だった。

 

「まったくだよ、キミが重体で運ばれた時はもう大パニックだったよ? ベル君もリリ君もすごく心配していたんだ」

「そう……なんですか……なんだか申し訳ないですね」

「……そう思うなら後でいっぱいあの二人を甘やかすといい」

「ええ、そうします」

「さて、ボクはロキにキミが起きたって伝えておくよ。彼女もすごく心配していたんだからね」

「はい……」

 

 ヘスティア様を見送ると私は再び目を閉じた。

 格上と戦う度に私は毎回大怪我を背負うことが多いなぁと軽く考える。

 特に今回はまさか身体が乗っ取られるとは思わなかった。

 己の未熟さが身に染みる……。

 

 しばらくすると、フィンさんが部屋にやってきた。

 

「やぁ、調子はどうだい?」

 

 何時もの笑顔でやってきた彼はそう言って、ベッドの隣の椅子に座った。

 

「可もなく不可もなく……ってところですかね……」

「そっか、それならよかったよ……」

「はい」

「…………」

「フィンさん?」

「……正直、すまなかったよ。今回の依頼に君を巻き込んでしまった事に」

「あ、いえ……」

「今回の件もこっちの判断ミスだ。こんな危険な目に君を合わせるなんて本当に心から謝罪する」

 

 フィンさんはそう言って頭を下げた。

 

「頭を上げてください。どういう結果であれ私は自分の意思であそこに立ちました。ですから気にしないでください」

「……いや、そう言うわけにもいかない」

「じゃ、じゃあ、治療費を払ってもらえればいいです! うん!」

「そこは安心して、リヴェリアが全部支払ってくれたよ。ついでに君に新しい服やローブを新調してくれるそうだ」

「……服装に関しては前々から言ってました、ずっと断ったんですが」

「……なるほどだからあんなに張り切ってるのか」

 

 それからフィンさんにあの後何が起きたか聞いてみた。

 

 曰く、アイズさん及び【ヘルメス・ファミリア】のルルネさんはかなり多額の報酬を手に入れた。ルルネさんは自分のファミリアのメンバーにかなり搾り取られたらしいが、アイズさんのはほとんどファミリアの資金になった。

 何故ほとんどかと言うと2割ぐらいは私の分と言ってヘスティア様に渡した、本当はもっとくれたいらしいが、ベルに断られたらしい。

 

 ヘスティア様からも聞いたけど、足の速いベートさんは先に重症の私を運んだらしくて、着いた途端そりゃもう大騒ぎになったらしい。

 

 しばらく世間話をした後、フィンさんは本来の仕事に戻った。もうすぐ行う予定の遠征についてとか何とか。

 

 その他にはティオネさんやティオナさんが様子見に来たり、【ロキ・ファミリア】のエルフ代表のアリシアさんがお見舞いしに来たりなど。色んな人達が私に会いに来た。

 

 ベルとリリも来たが、どうやらベルはベートさんに鍛えて貰うらしくて、あんまり長く話せなかった。

 リリも同様に色んな人からサポーターとしての知識やダンジョンの基本知識を蓄えてるつもりだ。

 

 夕方になるとリヴェリア様が来て、一週間絶対安静する様にと釘刺された。

 

「あの怪我がたったの1日で治るはずはない、例え外傷はなくても、精神的なモノは【聖女】でも治せないからな」

 

 そう言われると黙って従うしかなかった。

 まさか、聖女まで引っ張り出すとか、流石女王様ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、レヴィスと呼ばれたあの女性や最後に現れた仮面の人物の事はあんまり手がかりはないみたい。

 あるとすれば奴らは精霊と何か強い関係性を持っている。

 つまり、また私やアイズの前に現れるのだろう。

 

 迷惑ですね……。

 

 精霊と言えば、あの白いモフモフ。

 再び相まみえる時にその時は恐らく私たちは戦う羽目になるでしょうね……。

 それまでには強くならなきゃ……。

 

 あっ、そそ。強くなると言えば。

 今、ステイタス更新を頼んでいるのだが。

 

 そのステイタスを見た、ヘスティア様はあいも変わらず。

 

 頭を抱えてる……。

 

 

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 レフィーヤ・ウィリディス

 レベル2

 力 I 0 → I 32

 耐久 I 0 → G 242

 器用 I 0 → H 106

 敏捷 I 0 → I 21

 魔力 I 0 → B 732

 発展アビリティ

 神秘: I → H

 

 魔法

四大元素魔法(エレメンタル・マジック)

 ・可能性の魔法

 ・効果は発動時のイメージ依存」

 

 スキル

四大精霊の寵愛(アマデウス)

 ・魔法効果にプラス補正

 ・魔力消費軽減

 ・状態異常無効」

 

妖精の親愛(フェアリー・シンパティア)

 ・魔力アビリティに成長補正極

 ・愛想(おもい)が続く限り効果が持続し同時に向上す」

 

妖精重奏(フェアリー・アンサンブル)

 ・魔法効果増幅

 ・実行した全ての魔法に強化補正倍加

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

 うん、ヘスティア様、本当にごめんなさい。

 

 なんで!? 神秘上がったのはなんで!? 

 まさか契約のせい!? そんなのありですか!? ねぇ!? 

 

「……レフィ君」

「は、はいぃ?」

「……ボクはもう眠いからまた明日ね」

「本当に申し訳ないですぅ!?」

 

 元気になったらいっぱいお返しなきゃ! 本当にごめんなさい! 

 

「……あぁ、今日はリリ君を抱きながら眠る事にするよ……」

「お、おやすみなさい」

「……あぁ、おやすみ」

 

 ヘスティア様が部屋を出るとすぐに話し声が聞こえた。

 

『リリ君、今日は一緒に寝ようじゃないか!!』

『ヘスティア様!? どうしましたか!? 目がヤバイですよ!?』

『今日は黙ってボクと一緒に寝るんだ! そうしないとやってられないよ! ボクが!』

『えっ? えっ? えぇええええええ!?』

『おやすみ、神様』

『ああ、お休みだ、ベル君!』

『ベル様!? た、助けてください!』

『ごめんね、リリ。今日は神様を癒してあげて。多分疲れてるんだ』

『……リリ、実はヤバいファミリアに入ったのでしょうか?』

『あはははは……』

『ベル様!? 何故目を逸らしましたか!? ねぇ!!』

『さぁ、部屋に行こうか、リリ君!』

『ちょ!? ベル様ァ!!』

 

 ごめんね、リリちゃん。今日だけ許してあげて。

 

 こうやって、私の長い1日が終わった。

 まあ、意識不明を含めると、2日なんですけどね!? 

 

 明日からまた騒がしい日々が戻るといいなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 —————24階層、食糧庫(バントリー)

 

 隻眼の白狼は再びその場に訪れた。

 彼はまるで何かを探すかの様に当たりを探った。

 

 —————此処にあるはずだ……。

 

 そして彼は目的の物を見つけた。

 深紅に輝いてる禍々しい石、かつて若きエルフに取り憑いた精霊の力が封じ込められた深紅の魔石。

 

 —————あった。

 

 それを見つけた彼は迷いもなく、その魔石を噛み砕いた。

 

 —————此れでまた更なる高みへ近づける。

 

《アオオオオオオオオォォン!!!!》

 

 遠吠えした後、彼はその場を後にした。




ここまで読んで頂きありがとうございます。

どうでもいい人物紹介。

狂ってる精霊:
古代のとある国の守護霊だったが、今となっては狂気に溢れた精霊。
魔石は砕かれても実は死なない。属性は火。
真名はアグリナ

お姉ちゃん:
主人公の心の奥底に居たハーフエルフの女性、え?もう少女って歳じゃないだろ?おい、ばかやめ(
兄さんとお姉様の事は大好き。最近の趣味は英雄日誌を書く事。

イフリート:
祝!主人公と初契約。
それでマウントを取るから他の3人はかなりイラッと来たらしい。
愛しい子のハジメテはこの我がもらった!

レヴィス:
めっちゃ強い女の人、剣も体術も一流。
アリアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

オリヴァス:
噛ませ仮面。信仰心だけ人一倍。

仮面の人物:
影分身の術。

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