「暇……」
絶対安静を命じられてから一晩が経ちました。
多少、身体はダルいですが私は無駄に元気です。
そんな元気溢れる私が無理しない様にヘスティア様やリリそして手が空いてる【ロキ・ファミリア】の方々が私の世話と言う名の監視をする事が決まったみたいです。
そして、本日の相方は最近団員になったリリちゃんです。
そんなリリちゃんですが、いつものダンジョン探索用の服ではなくフリルが付いてる可愛らしい純白のワンピースを着ていた、それを見た私は大変大満足です。
「……レフィ様、また顔がニヤけてますよ」
「だって、リリちゃんが可愛いから仕方ないよ」
「……可愛くはありません、それにこれはヘスティア様とロキ様が暴走した結果です」
「そんな事ないよ、すっごく可愛いんだよ?」
「……そんなの信じませんから」
ぷくっと顔を膨らめながらそっぽ向いたリリちゃん。
だがすぐに彼女の視線は手元にある本に戻る。
「それって何の本?」
「……これは上層に関するまとめ本の一つです。9階層から12階層までの事が書かれています」
「色々頑張ってるね」
「……リリが出来るのはこれぐらいですから」
「やっぱりさ、無理にサポーターを続ける必要はないよ?」
「これがリリがやりたい事ですから、大丈夫です。何よりベル様とレフィ様に役に立ちたいです」
「……そっか」
「はい!」
笑顔で元気よく答えた、リリちゃん(15)。
えっ!? こんな可愛いの、私と同じ歳!? 嘘でしょ!?
久々に
ちなみにベルもだいぶショックだったらしい、妹できたと思ったらまさか姉が増えたとね。ドンマイ?
窓の外を見ながら私はある事について思考を巡らした。
レベル2にランクアップし【神秘】を手に入れた私何ですが、
一応、作ったのはまだ
「……暇だし、
「……いきなり何を言ってるんですか?」
「だってずっとベッドの上で座っても暇だし、ここは有り余ってる時間と元気を使って一つ何かを作ってみようかなって!」
「……だめです」
「なんで!?」
「なんでじゃないです! 絶対安静って言われたのにどうしてそう言う結論になったんですか!?」
「……暇だから?」
「暇だからって
「ならば、私が第一人者だね!」
「馬鹿ですか!?」
「馬鹿じゃないよ!?」
「いいえ、馬鹿ですね! そんなお馬鹿のレフィ様にはこの本とペンをあげます。暇だったらそれで日記とかでも書いていればいいんじゃないですか!?」
「……せめて、外の庭へ出る事ぐらい許してもいいんじゃないかな?」
「……あとでヘスティア様やベル様に聞いてみます」
「はぁーい」
「まったくもう……」
「ところでリリちゃん」
「……今度は何ですか?」
「どうして私とベルに様を付けたの?」
「うぐっ……」
「呼び捨てでいいんだよ?」
「だ、ダメです! リリとレフィ様達には立場の違いがあるから呼び捨てになんて出来ません!」
「気にしすぎじゃない?」
「いいえ、そんな事ないです! はい、この話題お終いです!」
「……今はそれで納得してやる」
「……諦めて欲しいのですが」
「私が諦めることを諦めなさい!」
「えぇ……」
そんなやり取りや他愛ない話をするとリリは許可を取りに一旦部屋から出た。
一人になった私は先程渡された本を見ている。
「こんな中身の真っ白な本を見たの、この間ベルが使った
その作成には“神秘”の他に“魔導”と言う発展アビリティが必要とされる。
“魔導”、魔導士なら誰もが欲しがる発展アビリティの事。
効果は、威力上昇は勿論、効果範囲の拡大や精神力の効率化そして魔法を使用する上に必要不可欠な
そう考えると便利ですね……私にはあんまり意味が無い気がするけど。
「“魔導”とかあれば
もしも私流の
大元の”神秘“はある、魔力は問題ない、インクはとっておきのマジックインクがある、私の魔法やスキルで自分の思うがままに魔法を形にする事はできる……。
あれ? これはもしかしてイケるんじゃない?
ここまで読んで頂きありがとうございます。