ねえ、知ってる?この主人公、
—————早朝
《ギィィィ》
そんな音が耳に響き私の意識が覚醒してゆく。
「んむ?」
自分の身を起こして周りを見廻すと困ってた顔で扉を開けたベルがそこに居た。
「……おはよぉ〜」
「うん、おはよう。起こしちゃってごめん」
「ううん、訓練頑張ってね」
私がそう言うとベルはニコッと笑い小さい声で「行ってきまーす」と外に出た。
昨晩聞くとベートさんの他にティオナさんやアイズさんとの模擬戦をやるらしい。
ステイタスが徐々にヤバいことになっているとヘスティア様が言ってた。
隣を見ると幸せそうに眠っているパジャマ姿のリリちゃんが居た。
私は彼女を起こさない様にゆっくりとベッドから降りて、少し窓をあけた。
「まだまだ真っ暗なのに頑張ってるね……、まあ村にいた時からこんな感じだから何も言えないけど……」
そう、あの弟は村に居た頃からこうやって朝から部屋を抜け出し訓練に明け暮れている事が多い、主に剣の素振りや基礎体力の訓練だけど、前の日に英雄譚を聞かされるとその英雄が使った武器の練習をしたりもする。
あの子なんだかんだ言って弓矢と槍もイケるからねぇ。
苦笑いしつつ、私はテーブルの前に座った。
「えっと、とりあえず便利な魔法を一通り書いて、それと攻撃系が一切要らないって言ってたなぁ」
私が手に取ったのは昨日書いた、
調整としてこの手の魔法には魔力を込める程効果が更に強化される事はない。
かわりに効果を受けれる人数が増えると言う事にした。
魔力を込めたら力が3倍になんてになったら洒落にならないからね、私自身なら可能だけど。
「さて、今日の目標は
なんだかんだで、自分が職人になった気分でちょっと嬉しい。
ペンに魔力や想いを乗せて作業が進む。
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我、レフィーヤ・ウィリディスがこの魔法を汝に刻む。
魔法名、
術式、《省略》
効果、一定の範囲に居る相手の怪我を即時回復。
範囲、使用者から半径3
魔力消費、基本必要無し《変動あり》。
形、範囲内で無数に煌めく光の雨。
特性、魔力を込めれば範囲拡大。だが、もし魔力を込め過ぎる場合、このスクロールは破棄される。
発動キー、魔法名のみ。
作者:【ヘスティア・ファミリア】所属、レフィーヤ・ウィリディス。
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「ん〜出来たぁ〜!」
朝食に呼ばれる前になんとか
「……あぅ」
それと同時にリリちゃんが目を覚ました。
「おはよう、リリちゃん」
「ぉはよぅ、ございまぅ」
私はスクロールを予め用意したリボンで巻いた、これで一つ完成っと。
ちなみにこのリボン、通称
ぶっちゃけ封印は何でも良かったけど、ちょうど目の前にあの紐が目に入ったからね、仕方ないよね……。
「パジャマを着替えて、食堂に行こうか?」
「あぃ、そうしますぅ」
「後顔も洗ってね」
「ふぁぃ」
《少女達お着替え中》
着替えが終わると二人で食堂に足を運んだ。
そこにはまだあんまり人は居ない。すぐに食べても良かったが、ここは……。
「まだベルも来てないみたいだし、迎えに行くついでにちょっと様子見しましょ」
「はい、わかりました!」
いざっ! 訓練所へ!
訓練所へ行く途中にリヴェリア様、フィンさん、ガレスさんとばったりと出会って、一緒に向かう事にした。
そして訓練所に着くとそこにはボロボロになりながらも必死に着いて行く兎と一応手加減はしているが本気で戦ってる狼が居た。
「オラァ!! そんな動きで俺を倒せると思うなァ!!」
「アアアアアアアアアアアア!!!!」
その隣にはアイズさんとティオナさんが見学していた。
「やぁ、おはよう二人とも」
「フィン、おはよう」
「おはよう!!」
ちらっと見るとフィンさんが二人に挨拶しに行った。
「ほう、聞いていたが思ったより根性がある奴だな」
ガレスさんはベルを見てそうこぼした。
リヴェリア様はと言うと、せっせとポーションの準備をしていた、ベル用かな?
でもここは私が試したいモノを取り出す。
「あの、リヴェリア様」
「ん? どうした?」
「ベルの回復はこれでやりませんか?」
私が取り出したのは先程完成した
そのスクロールを見たリヴェリア様は一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「緑のリボン……そうか、それが……」
「はい……」
「わかった、実際に試せるならそれでいい。フィンも実物を見ると更に判断しやすいだろう」
「ありがとうございます」
リヴェリア様は私からスクロールを受け取ると疲れているような顔を浮かべた。
それからしばらくするとベートさんの蹴りが思いっきりベルに入って、それを受けたベルは受け身も取れずそのまま倒れ込んだ。
「ケッ、今の甘かったぞ。状況を読み間違えるな」
「……は、はいぃ」
「チッ……、今日は見物者がやけに多い。もう終わりだ」
「あ……ありがとう……ございます……ゲホゲホッ」
「おい、ババア。ポーションを寄越せ」
呼ばれたリヴェリア様はベートさんの所に行き、私もそれに着いて行った。
よく見るとベルは身体の至る所に怪我を負った。
「……頑張ったね」
思わずその頭を撫でた。
「ベート、この状態でどうやってポーション飲めと言うのだ?」
「無理矢理口にぶち込めばいいだろ!」
「乱暴にも程があるぞ、仮にでもお前の弟子だぞ」
「ハァ!? 弟子にした覚えはねぇ!」
「……そうか、お前がそう思うならそうだろうな」
リヴェリア様は少し呆れた顔で言った。そして先程私が渡したスクロールを手に持った。
「あ゛? なんだそりゃ?」
「昨日、レフィーヤが書いたマジックスクロールだ、その効果を試そうと思ってな」
「ハッ、そうかよ」
それからベートさんは何も言わずにじーっとスクロールを見つめた。
「どうしたんだい?」
背後から声がするとそこにはフィンさん達がやってきた。
「ああ、これを試そうと思ってな」
スクロールを見せつけたリヴェリア様。
「なるほど、それは興味深いね」
驚いた顔を一瞬浮かべたがすぐに笑顔に戻る、アラフォー。
「では始めるぞ? 《
発動キーが唱えられた瞬間、スクロールが光だし、リヴェリア様から半径3
「…………あぁ……なるほど」
頭を抱えたリヴェリア様。
「はははは……」
乾いた笑いをするフィンさん。
「凄い! 私たちのかすり傷まで治ったよ!」
「うん、結構離れてるのに」
範囲内に居たティオナさんとアイズさんがはしゃいだ。
「…………」
呆れた目で私を見たベートさん。
「これは中々だな!」
「そうですねー」
感心したガレスさんに棒読みのリリちゃん。
えっと、これは成功でいいのかな?
ここまで読んで頂きありがとうございます。