アポロンが食い下がり、漸くレフィ君とベル君の命名式の番だがハッキリ言って嫌な汗がさっきから止まらない。
「そんじゃ、まずはどっちからやる?」
「最初はやっぱ姉の方じゃねえ?」
「姉だな」
「よくよく考えてみたら義理の姉がエルフってすげぇ羨ましいな、おい!」
「くそ! なんでオレにはそんな出会いがないんだ!」
「性格の問題」
「顔の問題」
「存在自体が問題」
「テメェらぶっ飛ばすぞ!」
『ハハハハ、ワロス』
「んじゃ、最初はレフィたんやな」
『へーい』
ロキの一言で場がまとまった、最初はどうやらレフィ君の様だ。
先程のタケの事もあるから、一瞬の油断も許されないのがこの【命名式】だ。
「はい!」
「ほい、セトっち!」
「噂に聞いたが魔法を沢山使えると聞いた、ならば【
先まで“
『うわぁああああ!!』
「いてぇええええ!!」
「なんかこう、胸の中がむず痒くなる様な奴だな!」
「流石だな、セト! やっぱお前は最高だぜ!」
「やめろおおおお!!」
『そう言われるとやりたくなるのはオレらなんだぜ!!』
「…………他にはないんか?」
ボクの悲痛の叫びは他の神々に届く事なかった。ロキは半分死んだ目を浮かべるが、ボクの助けをしない様だ。
—————ウチは今度の
それが昨日、ロキから告げられた死に近い宣告だった。
だからと言って恐らく彼女自身がレフィ君に無難な二つ名が付くまで頑張るつもりだと思う、ボクも頑張らないといけない!
「ぼ、ボクからの提案は【
「なんていうか安直すぎる?」
「個性がない」
「やっぱロリ巨乳はダメだな」
「センスがねぇな!」
「だったらオレの提案は【
「うっひょ──ー痺れるぅ」
「憧れるぅ────!!」
「真ん中に”†“は大事だね」
「めっちゃ大事だわ!」
「やめるんだあああああ!!!」
『うひょおおお!! ヘスティアの泣き顔で今日はご飯が進むなァ!!』
ごめんよレフィ君、キミが提案した二つ名はそのまま却下されたよ…………。
「……候補の中に入れておくとして、他のもええんやで?」
「だったら私も提案するかなぁ……」
『おぉーデメテル!』
「色んな魔法を自由自在に操るらしいから、【
「デメテルゥ!?」
…………デメテルまで参戦してるってどういう事だ!? いや、でもまだマシな部類だ!!
「ごめんなさいね、ヘスティア。面白そうだもの」
「味方が居ない!!」
うわああああん!!! 誰か助けてよ!! このままじゃ他の神まで参戦しちゃうよおおお!!!
『流石は十二神だ!』
「いいんじゃね?」
「デメテルが提案する自体が珍しいからありよりのありだな!」
「うむ! デメテルも中々いいセンスしてる! だったらこのガネーシャからも是非一つの提案を!
「あいわかったから、はよいえ!」
「辛辣なロキよ、ガネーシャの提案は、【
「…………自分ら、さっきからバグってなんなん?」
『噂を聞いたらもう“バグ”しか思い浮かばん!!』
あぁ…………神々の間に変な噂が流れたんだ……でも仕方ないとも言える。何故なら魔法の事はどう足掻いてもずっと隠す事は出来ないから、幸い魔法の根本的な性能は兎も角あくまで数の噂しか流れないから、まだまだ救いはある……。
「デメテルまで参戦すると、私も参戦しなければならないじゃないか」
「キミもかヘルメスゥ!!!」
「彼女は弟の事が大好き常識知らずのエルフ魔術士であるからして…………【
「最悪のが出てきたあああああ!!!」
もうやだこの胡散臭い男神ィィイイイイ!!!
『す、すげええ!! 聞いてるだけで鳥肌が立ったぜ!!』
「やっぱオリュンポスはちげぇな!!」
「流石天界でも有名なオリュンポスの神々だぜ!」
「オレ達も見習うべきだな!」
「さすオリュだな!」
「……まったく、貴方達……他人事だからって好き放題言い過ぎよ?」
今度はボクの隣に座った赤髪の女神が手を挙げた、この戦いの唯一と言っていい程のボクの味方だ。
「へ、へファイストス!」
『交流がありそうな神が参戦してきた!!』
「私も一つ提案するわ、彼女は常識に囚われない異端な
訂正、味方じゃなかった……ボクがちらっとその顔を見ると彼女は少し申し訳なさそうに謝ってきた。いや、謝るぐらいなら参戦しないで助かるのだけど!?
「…………ファイたんまで参戦するとは思わんかったわ」
「あらロキ、貴女は参戦しないの?」
「そうやなぁ〜、歩くたびにウチらの常識が尽く破壊される事から【
やめて…………これ以上候補を挙げないで……あと【
「中々いい名前じゃない」
「そんな事言って、フレイヤ。自分はどうなん?」
「そうね—————」
混沌が渦巻く命名式は続いた。
場所が変わり、【ヘスティア・ファミリア】のホーム。
「今日はかなりいい訓練になったでしょ?」
「…………」「そうですね!」
「明日は鎧を新調するから次の攻略は明後日だね」
「…………」「リリはヘスティア様とお出かけですかね?」
「そうそう、その間私とベルはへファイストス様に会うからリリちゃんも楽しんできてね」
「…………」「はい! 勿論です!」
「…………ところで」
「…………」「なんでしょう?」
「一人死んでない?」
「口から魂が出て来てますね」
「…………」チーン
どうやら弟が限界の様ですね。一応“浮遊”させてあるから身体の負担はないはずだけど、返事する元気すらないのね。
「魂が抜ける程疲れてるのね、可哀想に……」
「お可哀想なベル様」
「とりあえずソファに放置すればいいのかな?」
「……そこは寝室に置くべきではないのでしょうか?」
「いや、なんとなく?」
「なんとなくで済ませないで下さい……」
そう言って私はベルを応接室にあるソファの上に適当に放り投げた。
「グヘェッ!!」
「あ」「あっ」
「こ、ここはどこ!?」
「起きた」「起きましたね」
「ここは……ホーム? ダンジョンじゃない?」
「ダンジョンじゃないね」「はい、ダンジョンではありません」
「やっぱり? やった! ダンジョンじゃない! 僕は無限キラーアント地獄から解放された!!」
「そんなに酷かったかな?」
「一般冒険者なら一生トラウマモノですよアレ」
「ウチのベルは一般じゃないのね」
「アレを対処出来た時点で頭可笑しい事ぐらい理解してください、後ベル様だけじゃなくてレフィ様もです」
大量の瀕死なキラーアントを用意して半無限湧きにしてるだけなのに、大袈裟だな……。
一応私も参戦して三人での戦いだから危険は少ないはず何だけどね。
そうしている内に玄関の扉が開かれた。
「…………ただいま」
入って来たのはげっそりとした我等の女神、ヘスティア様。
「ヘスティア様!? 大丈夫でしょうか!?」
「り、リリ君かい? …………ごめんよ、ボクは頑張ったけどこれが限界だったよ」
「急に謝って来てどうしたんですか?」
「色々疲れてるんだね、ソファにゆっくりしてください」
「ぼ、僕は紅茶を用意して来ます!」
しばらくするとヘスティア様は大きな溜息を吐き、それから私達の顔を一通り真剣な眼差しで見つめた。
「神様、僕達の二つ名は決まりましたか?」
「そうだよベル君、キミたち二人の二つ名が決まったよ」
「「おぉー」」
感心しているベルとリリちゃんの横に頭を抱えたい私がここに居る。一応、本来の二つ名を提案して来たがどうなるのかな?
「まずはベル君、キミは無難だ」
「ぶ、無難?」「何故に無難でしょうか?」
「ベル君の二つ名は【
「じ、地味ですね」「地味すぎないですか?」
「いいんだ! これで!!」
いいなぁ、地味で…………。私も地味のがいいなぁ。
「さて、次はキミだ、レフィ君」
「はい……」
「風の噂でキミの評判を聞いた神々がそりゃもう大騒ぎだった。そのせいで候補が沢山出来てしまった、そこで最後は
「…………はい」
「キミの二つ名は—————
【
どうしてそうなるのかな!?
ここまで読んで頂きありがとうございます。
応募して下さった二つ名を全部は出せないのは非常に申し訳ないのですが、二回目の神会に出すつもりなので許してください!
応募して下さった皆さん:
red-riverさん、ミストラル0さん、ながも〜さん、Razgrizさん、京勇樹さん、Derosさん、0INさん、ふぉさん、規律式足さん、未奈兎さん、ピラル食うさん、柴ニャンさん、翡翠の小箱さん、gmgnさん、つばきんさん、読専720さん、Zzz Zzzさん
沢山の応募、本当にありがとうございます!
公平を保つ為くじ引きをしました、その結果はこれでした!
ヘスティア:【
ロキ: 【
へファイストス: 【
フレイヤ: 【
デメテル: 【
ヘルメス: 【
ガネーシャ: 【
セト: 【
名前の無い神: 【