私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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読み返してもどこに間違いがあるのかわからないマン、申し訳ないです。


職人が仲間になりました。

 ベル達が装備の話し合いしてる間に私はマジックスクロールについて、へファイストス様に説明した。

 

「—————と言うのがこのマジックスクロールなんです」

「…………そう」

「あ、あの、大丈夫ですか?」

「…………私を見て、大丈夫と言えるのなら今すぐもう一度アミッドの所に行った方がいいわ」

「い、いえ、大丈夫です」

「…………それにしてもマジックスクロールね、素の威力は魔剣よりは劣ると貴方は言うけれど、逆にそれと使用回数しか魔剣に勝ち目がないわね、魔剣より軽い紙の方が圧倒的に有利だわ」

「……はい」

「それを抜きにしても隠蔽魔法に補助魔法、挙げ句の果てに範囲回復魔法が存在しているマジックスクロールの方が便利ね」

「…………はい」

「ねえ、レフィーヤ…………」

 

 死んだ目で私を見つめたへファイストス様。

 

「な、なんでしょうか?」

「…………私に恨みでもあるの?」

「ない! ないです! そんなものはないです!」

「借金ね……きっとそうなのね、あの借金が許せないのね!?」

「違うんです! 本当に違います! お願いですから落ち着いてください!」

「そしてトドメにこれね……」

 

 へファイストス様の視線の先には二通の手紙が有った、ヘスティア様とロキ様からの手紙だ。

 

 —————以上なのが現状だ。最後にボクから言える事はただこれだけだ、気を確かに持つんだ! そして—————————。

 

 —————と言うのが今ファイたんに言える事やな。最後にウチから言える事は、現実から目を逸らすな! そして—————————。

 

 ()() ()() ()() ()() ()() ()

 

「—————本当に、何度読んでも破りたくなる様な手紙ね」

「…………す、すみません!」

「いいえ、貴女は悪く…………いや、元凶は貴女だから思いっきり悪いわね」

「か、返す言葉がございません…………」

「………………ハァ〜〜、もうわかったわ。何より最初からあの二人は私を巻き込む気だから薄々こうなると気がしたわよ」

「あはははは」

 

 呆れた顔を浮かべたへファイストス様に私は苦笑いしか返せなかった。

 

「レフィ姉」

「あ、終わったの?」

「うん、それで相談があるのだけど」

「何かな?」

「彼、ヴェルフを僕らのパーティーに入れていいかな?」

「えっと……?」

 

 ベルの隣に立つヴェルフさんに目線を配ると、彼は頭を深く下げた。

 

「頼む! この通り!」

「とりあえず理由を教えてくれると嬉しいかな」

 

 私がそう言うとヴェルフさんとベルがお互いの顔を見たあと小さく頷いた。

 

「ヴェルフとの話し合いで僕は専属契約を結ぶ事にしたけど、武器の件に関してはこのままじゃ、いくら良い素材を作っても先程の剣「ワン鋼剣(わんこけん)な」……そのワン鋼剣(わんこけん)の頑丈さを超える剣は打つのが難しいと言う結論になった」

「うん」

「そこでヴェルフがレベル2に成れば、発展アビリティの鍛治が発現する筈だから、今より遥かに高性能な武器や防具を作る事が可能になる、だから—————」

「ヴェルフさんがレベル2になるまでパーティーに参加させて欲しいと言うことね?」

「うん、そう言う事……」

「なるほどねぇ…………」

「もしかして……ダメ?」

「…………私はダメじゃないけど」

 

 へファイストス様に視線を向けると彼女は頷いた。

 

「この件に関しては私としてもお願いしたいわね、ヴェルフはファミリア内でも孤立気味だからパーティーを組む事自体が難しいから」

「ヴェルフさん、自分の主神にここまで言わせるの恥ずかしくないですか?」

「…………面目ない」

「ハァ…………、私は別に構いませんが…………ウチはハイペースですからそこは覚悟してください」

 

 狩りの速度だけじゃなくて成長もだよね。

 

「ああ、全力でしがみ付くつもりだ!」

「ただ、ベルは後でリリちゃんにもちゃんと事情を説明すべきよ」

「う、うん。わかった」

 

 一通り用事が終わると私は鞄から一冊の本を取り出した、ベルがかつて読んだ魔導書(グリモア)の成れの果て。

 

「あの、へファイストス様、これは何で出来ているのか見てくれますか?」

「本? …………!?」

「はい、私のアイテム作成に役に立つかなと思って…………へファイストス様?」

「…………これ、どこで手に入れた?」

 

 信じられないモノを見るかの様に本を見つめた。

 

「え、えっと……貰い物です」

「こんなのが!? 貰い物!?」

「は、はい!」

「…………嘘は言ってないわね」

「そ、それで何で出来てるのでしょうか?」

 

 小さいため息を吐いた後へファイストス様が口開いた。

 

「まずはこの本のカバーはカドモスの皮膜よ」

「ハァアアアアア!?」

 

 その言葉を聞いてヴェルフさんが思わず声を荒げた。

 

「紙の一枚一枚は様々なドロップアイテムを細かく混ぜ合わせたモノ。その詳細が後で紙に書くけれど、先にこれだけは言うわ、そのドロップアイテムはどれもが深層のモノよ」

「し、深層…………」

「そんなもんをポンとくれる奴は誰だよ!?」

「…………返しましょう」

「で、でも、多分また捨てられるよ!?」

「…………その時はその時よ」

 

 そんな高級品を貰うわけにはいかないよね……、っていうかあの魔導書(グリモア)はやっぱりとんだ高級品ね。

 

「それとして、この紙を再現するにはやっぱり深層のドロップアイテムが必要不可欠なんだね」

「【理外姫(アンリアル)】、なんでそんなに紙に拘る必要がある?」

「マジックスクロールは紙を使ってるからよ、今ある紙じゃ、どれも耐え切れなくて単発になるの」

「だったら紙以外の耐えれる器を用意してさ、それでそのナイフや杖みたいに直接刻めばいいんじゃないか? 」

「…………へ?」

 

 今なんて? 

 

「「ヴェルフ!?」」

「詳しくは聞いてないけど、あんたはただの紙に魔力流して魔道具化する事で器を用意するんだろ? なんなら紙じゃなくてもいいんじゃないか? 例えば魔力と相性がいい金属とか使ってさ」

「…………なるほど」

「って言っても成功するかは別だけどな」

「いいえ、試す価値はあります…………ありがとうございました」

「おう!」

「じゃあ、ベル。帰ろうか?」

 

 ベルの方に視線を移すと苦笑いしているベルと頭を抱えたへファイストス様がそこに立っていた。





ここまで読んで頂きありがとうございます。

魔導書(グリモア):
素材はオリジナルです、原作だとそのままポイ捨てされたものだったもんで。

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