短めです。
「…………金属特性自体が……変わっている」
アスフィさんが若干震えた声で呟いた。そして次の瞬間、彼女は凄まじい速度で目を私に向けた。
「貴女は一体何をしたのですか!?」
「うぇ!?」
「この指輪に使われている金属は”こんなモノ”ではないのですよ!?」
「えっと……あの……」
「普通は魔力蓄積が可能な魔石や宝石ならともかくこの金属ではこれ程の魔力を貯める事なんて出来る筈がありません!」
「はわ……はわわ……」
思考がショート寸前です、一体何が起きたと言うの!?
「答えてください! 貴女はこの指輪に何をやったのですか!?」
アスフィさんに肩を掴まされた後何度も揺らされた。
「ま、魔力を流すだけですよ!?」
「それだけではあり得ません! 何か……何かがある筈です!」
「そ、そういわれても……」
ど、どうしよう……心当たりがない……。
「あっ」
「何か心当たりはあるのですか!?」
目を全開に開きながら私に迫るアスフィさん。
「えっと…………渡された時にいくら流しても吸われるだけなので……その……気になってずっと流してました……」
「許容範囲を超える程にとでも言いたいのですか?」
「は、はい……で、でも私ってそもそもその許容範囲の事は全く知りませんでした…………」
「なるほど……そういえば貴女はまだ冒険者になって2ヶ月もないでしたね……」
「恥ずかしながら…………」
「いいえ、こちらこそ説明不足でした…………あんまりにも常識外れなモノを見てしまったもので…………」
「そ、そんなにですか?」
アスフィさんはしばらく顎に手を当てて、考える素振りを見せた。それから彼女は木箱から3つのインゴットを取り出した。
「あの……これは?」
「これらは
「はいぃいいい!?」
「では、これらの特性を今から簡単に説明します」
「い、いきなりぃいい!?」
まず、アスフィさんは若干蒼く光っている銀のインゴットを手に取った。
「まずは、これですね。これは何なのかわかりますか?」
「それは知っています!
私は鞄から
「ええ、その通りです。
「
「はい、その特性がある為私も
「じゃ、じゃああの指輪は—————」
「残念ながらこれではありません…………」
「え?」
「指輪作製時にちょうど
それでいいのか【
「もし、あの時
「でも使っていなかったと?」
アスフィさんは軽く頷き、次のインゴットを手に取る。そのインゴットは若干虹色に輝いていた。
「次は
「
「その特性は
「な、なるほど」
「ちなみに指輪はこれではないのですよ?」
「アッハイ……」
そしてアスフィさんは最後のインゴットに手を伸ばした、
ちなみに最後のインゴットはハッキリと蒼く光っている金属でした。
「最後のは
「不思議な金属ですね……」
「ええ、不思議な色をしています。この金属の特性は硬くて重い、それに限ります」
「うわぁ……如何にも脳筋って感じな金属ですね」
「強度と重量は
「重い金属だと
「その通りです、それとは他の理由があります、
「低ッ!?」
「ですが無いわけではないのです、魔力があんまり使われていない
「な、なるほど……」
嫌な予感がする…………。
「指輪の金属もこれに当たります」
「…………そう来ると思ってました!」
指輪にしては地味に重かったから説明を聞いている内にそんなもんだろうなって思ったもん!
「先程説明した通り、
「うん」
「なのに、貴女はその指輪に魔力を貯めていました。それも
「うん……」
「つまり貴女がやった事は
「あ、あの……それってもう金属自体が変わってるって事ですか?」
恐る恐る、聞いてみた。
「いいえ、
「寧ろそっちの方が……やばい……ですよね?」
「いいえ、バレたらどの道大変な事になります」
ど、どうしましょ…………。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
金属は殆ど捏造設定になっているのかな?
あと感想欄でノームさんの風評被害が起きてる件についてww