私が妖精になるのは絶対間違ってる   作:ZeroRain

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かなり苦戦している癖に短いです……。


混ぜるな危険

「あ、あの…………ヘルメス様には内緒って言うのは?」

「……すみません、その約束は出来ません」

 

 まあそうだよねぇ……そもそも神に嘘つけないから隠し通すのは難しいよね……。

 だからって私だけで考えても仕方ないか……後でヘスティア様達に相談しないと。

 

「ではどう致しますか?」

「そう……ですね、まず主神に相談しないといけないので何とも言えません。また負担をかけちゃうかもしれないけどね……」

「なるほど、ならば残るのは鍛治系のファミリアとヘルメス様ですね」

「鍛治系の方は主神のヘスティア様はへファイストス様との交流を持っているのでどうにかなるかと…………ゴブニュ様の方は紹介してくれる人が居るので大丈夫かと」

 

【ロキ・ファミリア】の幹部では大半が【ゴブニュ・ファミリア】作品の愛用者だから紹介して貰うのもありだよね。

 

「二大鍛治系ファミリアが相手のであれば下手に手を出すファミリアは居ないのでしょう…………。問題はそれ以外のファミリアになりますね……」

「そこは当てがあるので大丈夫だと思います」

「なんだか、貴女の交流関係がよくわからないですね」

「大丈夫、私もそう思ってるから……」

 

 なんか気づくと周りが凄い人しかいないね! 

 

「となると、残るのは…………」

「ヘルメス様ですよね?」

「ええ」

 

 ヘルメス様とは過去に会った事あるとしてもそこまで接点があるわけでもない…………。

 

「ヘルメス様は確かに神らしい神なのですが、あの方は貴女に害をする事はないでしょう…………今の所ですが」

「最後の一言で物凄く不安になりました……」

「…………不安になるのは仕方ないとわかっているつもりなのですが、あの方は気まぐれな存在なので……私達ではどうにもなりません」

「…………神の神意ですか」

「はい…………」

「そう言うのであれば仕方ないですね…………」

 

 ヘスティア様やロキ様曰くヘルメス様に限らず【ヘルメス・ファミリア】自体は胡散臭い連中らしいので、この件は近い内に面倒事になり得る可能性が高い。

 

「ハァ…………」

 

 思わずため息が出た。

 

「力になれずに申し訳ないと思っています…………」

「ううん、これは私の自業自得だから…………」

「とは言え……」

「いいの、だってどう足掻いてもヘルメス様にバレるのが時間の問題だし」

 

 本当に頭が痛くなる様な話だよね…………。

 だって万が一、本人達は嫌がっていてもヘルメス様が命令すれば、アスフィさん達はヘルメス様の神意に従うのだろうね、神意ってそう言うモノらしいし。

 なんか、上司の命令に従うブラック企業の社員みたいだなぁ…………。

 

「とりあえず、今日はもう帰ります…………」

「それだったら私に少し時間を下さい」

「な、なんで?」

「この指輪を貴女に合うように調整します」

「え!? くれるのですか!?」

「現状、この指輪が使えるのは貴女だけなので私が持っても仕方がないのです、ですから少しお待ちください」

「わ、わかりました…………」

 

 だがアスフィさんは申し訳無さそうに指輪を私に差し出す。

 

「その前に枕を取り出してくれると嬉しいですが」

「アッハイ……」

 

 枕を指輪の中から取り出したがやはり魔力がまったく減っていない…………これって指輪の魔力容量が凄いのか私の魔力の多さが馬鹿げてるのかどっちだろう? 

 

「はい、どうぞ

「感謝します、では少し時間を」

「あ、あの作業を見てもいいですか?」

 

 私の願いにアスフィさんは目を開いた。

 

「…………一応伝えておきますが、魔道具作製者(アイテムメイカー)にとって魔道具(マジックアイテム)作製方法は秘密中の秘密です」

「はい、わかっているつもり何です」

「…………ならば———」

「それでも見たいです」

「何故そこまで?」

 

 ここは嘘をつけばいいかな? いや、ここは素直に言うべき……これ以上にヘルメス様関連で面倒ごとが起きると言うならその時はその時だ! 

 そんな事よりアスフィさんとこうやって話し合えるチャンスは次いつ来るかわかんないもん! 

 そうと決まれば! 

 

「これを見てくれますか?」

 

 私が取り出したのは青いガラス玉(音声記録機)

 

「……これは……魔道具(マジックアイテム)ですね、ただ私の発明品とは大きく異なります……」

「はい」

「作りも荒いですね、まるで初心者が作る様なモノですね」

「……はい」

 

 仕方ないもん! 初めて何だから! 

 

「これがどうかしましたか?」

「……作りました」

「?」

「私が作りました」

「…………はい?」

「ですから! 私が作ったんです!」

「…………少し頭の整理をさせて下さい」

 

 アスフィさんはコメカミを抑えながら目を瞑った。

 数分が経ち、ようやくアスフィさんが口を開いた。

 

「つまり、貴女はこの都市(オラリオ)の六人目の“神秘”と言いたいわけですね」

「はい……」

「…………貴女はビックリ箱か何かですか?」

「……ただの一般人エルフです」

「そんな訳ないでしょう!?」

「ひぅ!?」

「まずは本気ではないとは言えレベル5相応の冒険者の攻撃を防いだ事はまだいい、超硬金属(アダマンタイト)最硬精製金属(オリハルコン)同等まで仕上げた事や“神秘“保有者である事は完全に予想外です! 私はですね、いつものヘルメス様の事やこの間のルルネの事だけでもう一杯一杯ですよ!? それなのに、いきなり問題が二つも来るなんて思いませんよ!?」

「か、重ね重ね申し訳ないです」

「ハァ〜〜〜〜」

 

 深いため息と共にアスフィさんは頭を押さえた。

 

「あ、あの……アスフィさん?」

 

 恐る恐る、彼女の名を呼ぶ。

 

「つまり貴女は私に弟子入りしたいとでも言いたいのですか?」

「いいえ、違います」

「ならば何故?」

「先程あなたが言った通り、私の制作方法ではあなたのとは大きく異なります。そして私はそれを変えるつもりがないです」

「ならばそうなると……貴女が知りたいのはコツですか?」

「はい、その通りです。いくら私の制作方法が違えても学ぶ事はあるはずですから」

「なるほど…………一理あります、ですが私にメリットがありません。メリットが恩を返すと言うのならばこれからあげる魔道具(マジックアイテム)だけで十分過ぎるはずですから」

 

 はい、その通りです……。

 

「私の制作方法と言うのはどうでしょうか?」

「…………そう来ましたか」

「どうでしょうか?」

「どうしてそこまでするのですか?」

 

 アスフィさんは真っ直ぐに私を見つめた。

 

「家族の為にです、きっとこれから先は必要になるのですから」

「…………家族の為ですか」

「ダメでしょうか?」

「…………いいでしょう、見せなさい」

 

 肩をすくめながらアスフィさんは笑った。

 

「はい!!」

 

 それからは指輪の調整が終わると私達はお互いの技術を見せ合いしながら、彼女は私を指導した。

 結局弟子入りに近い形になったのは完全に予想外でした。




ここまで読んで頂きありがとうございます。

【ヘルメス・ファミリア】と言うよりヘルメス自身は本当に地雷原なので書くにはかなり苦戦しました……。
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