とある鎮守府。ここの提督の運用は手堅く、確かに危ない橋も渡ったが、運にも味方されて1人の撃沈者も出さず、艦娘たちの生活環境も良好な典型的なホワイト鎮守府であった。
しかし、提督は困っていた。多くの艦娘たちから猛烈なアタックを受けていたからだ。確かに嫌われたり、命を狙われるよりははるかにマシなのであるが、提督としては立場上、好き嫌いだけで運用してはならない以上、仮に想いを寄せる者全員とケッコンカッコカリをしたとしても、今度はケッコンカッコカリをしていない者と差を生じさせてはならず、鎮守府運営がより困難になることが目に見えていたからであった。
そしてそのことは艦娘たちにも一度ならず伝えていたのであるが、障害があるとかえって燃えるのが恋というもののようであり、諦める者が出るところか、かえって想いを寄せる者が増えてしまう始末であった。
モテて困る男は恐らくいないであろうが、歩いているだけで目がハートになっていたり、惚れていることを隠そうともしないため息をつかれては、仕事に差し支えるというものであった。
特に相手が艦娘の場合、その仕事が命をやり取りするものであることから、なおさらであった。
高めに評価しても人並みの容姿の男が、そこまで想いを寄せられる原因について考えた提督は、およそ恋愛の対象となりうる男が自分しかいないからだという結論に達し、艦娘たちが集まりそうなところに、これ見よがしにイケメンが特集されている雑誌を置いてみたり、彼らが出演しているテレビなどを流してみたりしたのであるが、提督から乗り換える艦娘は1人も現れなかった。
そこで今度は、ブラック鎮守府のマネをしてみることにしてみた。食事を貧相にする、出撃を繰り返す、負傷しても入渠を許さない・・方法はいろいろあったが、時間がかかる上に、恨みまで買ってしまうことから、性的関係を強要するフリをしてみることにした。
もっとも、その相手としては、確実に拒否し、かつ、それをきちんと表現できる者に限られる。考えた結果、提督は、瑞雲にしか興味を示さない日向を執務室に呼び出すことにした。
「提督、何の用だ?」何も知らない日向は、疑う様子もなく執務室に入ってきた。
「ふっ、来たな・・」ことさら邪悪な雰囲気を出す提督。
「何だ、その不敵な笑みは?」日向は普段見ることのない提督の雰囲気に驚いた。
「何を驚いている。お前が俺を満足させるんだ・・」
「そ、それは・・まさか・・」日向ほどの艦娘が声を震わせていた。
普段の提督ならここでやめたのであるが、このときの提督は自分の演じるブラック提督に完全になりきってしまい、さらに言葉を続けた。
「そうだ・・俺の夜の相手をつとめろということだ」
「うっ・・」日向はうつむいてしまった。
「さあ、服を脱ぐんだ・・あれっ」ここでようやく提督はわれに返り、大変なことをしてしまったと思った。
何せ相手は主砲だけでも45口径35.6センチ連装砲4基を誇る日向。怒らせたら命の危険が・・などという甘っちょろいレベルでなく、肉片の1つすらこの世に残らない。
しかし、日向の返事は想像と全く異なっていた。
「う、うれしい・・」日向の顔は完全に女になっていた。
「は?・・お前は瑞雲にしか興味がないんじゃ・・」怒られることまでは想像できたが、自分のことを慕っているということは全くの想定外であった。
「・・知ってのとおり、私は男のような性格だ。慕ってみたところでほかの艦娘たちのようなことはできない。提督を想う気持ちの代償行為として瑞雲に愛を向けていたのだが、まさか、この私を最初に選んでくれるとは・・正直、ほかの艦娘たちに申し訳ない気持ちもあるが、喜んで相手をつとめさせてもらう・・」そう言うと、日向は積極的に提督に体を押しつけてきた。
「えっ、いや、その・・」提督は完全に方法を誤ってしまっていた。
この後、提督は日向に土下座して誤り、結果として評判を下げることができた。「女をその気にさせたのに何もしなかった男」として・・
何年か後、この2人は華燭の典を挙げた。カッコカリでない方の。提督は日向の尻に敷かれっぱなしであったが、結構2人は幸せに暮らしたという・・
バン!!
作者:やはり来ましたか、日向さん・・
日向:何だこれは?!
作者:少しお色気ある作品をと思ったのですが・・
日向:だからと言って何故私を使う?そこに直れ。刀のさびにしてやる・・
作者:日向さんの手にかかれるとは・・光栄です。
日向:!!お前、瑞鶴命ではなかったのか?
作者:私は、呉で大破着底してなお、威容を誇った日向さんも大好きです。
日向:・・私は、レイテで瑞鶴を守り切れなかったんだぞ・・
作者:ああ、あれは・・誰がやっても無理でしょう。それに瑞鶴があなたや伊勢さんを責めるとは思えません。むしろ「最後までよく戦ってくれた」と言うんじゃないでしょうか。
日向:お前、結構艦娘たらしだな・・
作者:褒められたと思っておきます・・