約11年ぶりに矢吹先生がジャンプで連載されたので、それに触発されて書きました。
懐かしきBLACK CATでToLOVEるのキャラを出すだけの話。
時系列はBLACK CAT本編後です。
BLACK CATの時の番人Iのセフィリア=アークスのパラレルキャラがToLOVEるにいるので、逆にToLOVEるからヒロインたちの父親、ギドを出しました。
ギドそのものではなく、あくまでパラレルキャラという設定。BLACK CAT風に改変してます。よって、念の為のオリ主、オリキャラタグ。
ギドなのでパラレル元のセフィリアと予想のつく関係を描きます。

くっころネタされる女剣士さんが幸せそうにしている光景が一つくらいあってもいいじゃないですか。

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修正はあとでする。





 

 人目がない街の片隅。

 その邂逅は少年が少女を窮地から救うという絵物語のようなもの。

 年齢は十歳程度で幼いが、可憐な容貌。光を束ねたような波打つ金髪。このまま成長すれば将来有望で、それ故に変質者に目を向けられる。

 身に着けている服こそ何処かの稽古着であるが、透き通るような輝きには隠せない。だからこそ、光に群がる虫如く、彼女に塵芥が群がったのだ。

 それを掃除した少年の方は少女よりも頭一個分身長が低く、身なりも汚れや劣化が多く粗末。黒い髪も伸ばし放題のツンツンである。目つきも悪く、今この光景を見たものがいれば、少年が少女に難癖をつけていると誤解を生むだろう。

 

「感謝しろよな、お前。偶々オレが通りかかったから助かったんだぞ!」

 

 おまけにこの尊大な態度。夢を描いた物語のように色めくは難しい。

 これでは大抵の女子が感謝の前に呆れることだろう。

 

「はい。ありがとうございます」

 

 だが、少女は丁寧にお礼をする。

 つい先ほどまで自分を襲ってきた輩を後ろで山のように積み上げて気絶させたのは目の前の相手なのは事実。

 律儀な彼女は自分より低身長で威張る男子であっても感謝は忘れなかった。

 更には多勢に無勢にも関わらず、子供が一人だけ、しかも己の身一つで多くの大人相手に圧勝する実力も尊敬する。

 少女は物心つく頃には既に戦闘訓練を積んでおり、自分を襲ってきた大人たちの一人や二人なら自分だけで対処できた。

 しかし、数が十を超え、更には全員武装していれば最早逃亡すら不可能だ。変態不審者共は彼女が子供と言って侮るどころか、徹底的に準備を重ねていたのである。

 だが、それを拳一つで自分より小さな男の子が全滅させた。賞賛するのは当然だった。

 

「そんなに小さいのに大勢の大人たちに圧勝。感服しました」

 

 少女は素直に褒め称える。

 だが、少年は彼女の言葉を聞いた途端、不機嫌そうに顔を歪めた。

 

「誰がチビだ! お前もチビ女だろ!」

 

 怒鳴り散らす少年を少女は不思議そうに見つめる。

 

「年代としては平均より上ですが。

 それに貴方の方が私のよりも小さく、いえ、恩人に対して無礼でしたね。申し訳ありません。

 大丈夫です。規則正しい生活をすれば身長なんてすぐ伸びますよ」

 

「むきー! その上から目線がむかつく! オレを誰だと思ってる!」

 

「生憎と存じ上げません。宜しければ教えて頂けますか?」

 

 地団太を踏む少年を微笑ましく思いながら、彼女は尋ねた。

 少年は自分に指差し、真っすぐな目を少女に向ける。 

 

「いいか、よく覚えてけ! オレ様の名は────」

 

 ええ、覚えていますよ。

 この出会いを。貴方の名前を。

 何年経った、今でも。

 

 ●

 

「今回の狙いは神出鬼没の武闘派盗賊組織、《朽霞(くちかすみ)》だ」

 

「また大層な名前だが聞いたことねぇなー」

 

 ランチタイムが少し過ぎた午後の青空。日常を賑わう見晴らしのいいカフェテラスで物騒な相談をする集団がいた。

 右目の眼帯と白のスーツの男の言葉を、遅めの昼飯であるサンドイッチを頬張りながら気怠そうに応じる青年。名はトレイン=ハートネット。

 世界経済の3分の1を裏で牛耳る《秘密結社(クロノス)》の特殊部隊、《時の番人(クロノ・ナンバーズ)》元《抹殺者(イレイザー)》であり、左の鎖骨部分にあるその証たるXIIIの入れ墨が刻まれていた。

 銃の名手で、通り名は《黒猫(ブラックキャット)》と裏世界では知れ渡っており、現在は賞金首を捕らえる《掃除屋(スイーパー)》を営んでいる。

 童顔な顔立ちだが、これでも20代の成人だ。

 

「まだそこまで名前が上がってないが、賞金額ランクはA。それは組織名のように痕跡を霞のよう消し、奴らを追うことが難しいからだ。その分、競争相手もいない」

 

 そう説明しているのは、トレインの相棒スヴェン=ボルフィード。元国際捜査局で彼等三人(・・)のまとめ役をしている。

 

「Aランクの額だが、かなりの大金、という程でもない。また無駄撃ちするなよ」

 

「失礼な! 俺が無駄弾をしたことあるかよ!」

 

「ある。いっぱい。最近のトレインは一発で十分なのにカッコつけて何発も使う」

 

 淡々とした口調で割り込んできたのは、男たちの中で一際目立つ金髪の少女、イヴである。

 見るからに幼い少女であるが、彼女もライセンスを持った立派な《掃除屋(スイーパー)》だ。

 

「この前なんて、相手の撃ち落とした銃を空中で何回も撃って、自分の手元に持ってきた。完全に遊び。練習用の弾薬代は必要経費と百歩譲るとしても、今度からトレインの弾薬代だけ別に請求すべき」

 

「いや、それは厳しいぜ姫っち。俺たちは仲間なんだから平等にしないと」

 

 イヴがトレインに容赦ないのはいつもの事であるが、ここ最近彼の浪費が激しいのは事実だった。

 トレインが拳銃使いであるため仕事をするときは必然的に弾薬代が嵩むのだが、彼は仕事外でも腕が落ちないように鍛錬をしている。勿論、訓練でも弾丸は消費するので、その分金は減る。

 その問題は前々からあったのだが、ここ最近は以前よりも増して弾薬代の消費が激しかった。

 

「まぁ、トレインが気い使ってハーディスを前のようにぶん殴るのを極力控えてるから必然的に撃つ機会が増えたんものあるだろうがな──」

 

 トレインは拳銃使いでありながらも、格闘戦も強い。彼の漆黒の装飾銃ハーディスでの高速打撃《黒爪(ブラッククロウ)》で倒した強敵は多いが、最近はその近接行動は極力控えていた。

 以前までトレインの武器たるハーディスはオリハルコンという世界最高金属だったものの、かつて起こった激闘で大破したことが切っ掛けで純粋なオリハルコン性ではなくなったのだ。

 それでも、トレインの激しい挙動に耐えられて、敵の攻撃を防ぐ装甲を持っている。

 しかし、一番本体の消耗が多い格闘戦、特に自分が名を付けるような強力な一撃は前ほど使ってはいなかった。

 尤も、トレインが格闘戦を強いられること事態稀ではあるが。

 

 

「けど、さっきイヴが言ったように無駄玉が多いのは事実だ。大方、ここ最近雑魚ばっかりで、実戦でも感が衰えることがないよう工夫半分、遊びが半分でとこか」

 

「流石、スヴェン! なんでも御見通しだな」

 

「何年お前と仕事をしていると思う。カマかけたが、半分遊びなのは事実だったか。これはイヴが言ったように弾薬代の半分くらいはお前持ちのほうが平等かもしれないな」

 

「うげぇ、まじかよ」

 

「それが嫌なら無駄玉は控えろ。何も撃つなとはいっていない。訓練もお前の腕が鈍っちまうのは困るから今まで通り大目に見る。だが、実戦で必要のない実験や遊びは無しだ」

 

「へいへい、控えるよ。あ~あ、俺たち結構稼いでるのに何で侘しいのかね」

 

「それは常に蓄えをしてるからだ。あると思ってどんどん使っちまえば将来困るぞ。武器や車が壊れて、金がないから直せないなんてことになったら廃業になっちまう」

 

「トレインもいい大人なんだから、貯金はしないと駄目だよ」

 

「はいはい、わかりましたよ~」

 

 イヴから更なる小言を言われたトレインは不貞腐れて椅子に背も垂れる。

 そんな彼にスヴェンは溜息をついてから「では、話を仕事に戻すぞ」と気持ちを説教モードからビジネスモードに切り替えた。

 

「目的である《朽霞(くちかすみ)》は拠点らしい場所はないとの触れ込みだったが、ここ最近、この周辺で顔が割れている構成員が目撃される情報があった。

 一度だけなら、探してもいない可能性は高いが、二度、三度と続けば、この辺りにそいつ等が潜んでる可能性のほうが高い。

 まずは常道手段で手分けして奴らの痕跡を相手に気取られず捜索するぞ」

 

「了解~」

 

「わかった」

 

「待った!」

 

 二人が了解し、一人が待ったをかけた。

 

 

『!』

 

 突然の来訪者はいつの間にか三人が囲むテーブルの傍にいた。

 

「お前ら《朽霞(くちかすみ)》を探してんだろ? 喜べ、オレが特別にそいつらの居場所を案内をしてやるぜ!」

 

 

 そこには一人の青年がいた。黒髪のツンツンヘアーに鋭い目つき。豪胆な態度をとる相手にトレインはいつの間にか椅子から離れて、臨戦態勢を取る。

 

「なんだガキ。どっから現れた?」

 

 声をかけられるまで、トレインは現れた青年の存在に気付かなかった。

 トレインは元《抹殺者(イレイザー)》。昔は相手に気付かれることなく暗殺をしたこともあり、今も隠密技術は卓越している。

 そのトレインが不意を突かれたことを遅れて理解した残り二人も、驚愕しながら

も続いて臨戦態勢をとった。

 そして、現れた青年とはいうと、何処か不機嫌そうに顔を顰めている。

 

「なんだと!? 誰がガキだ!? オレはてめぇよりも年上だぞトレイン=ハートネット!」

 

 トレインはその手の界隈で有名な為、知っていてもそこまで不思議ではないが、トレインよりも年上だと豪語した青年に三人は少しだけ目を丸くする。

 見かけは十代中半。身長も低身長というわけではないが、トレインよりも低い。

 トレインもどちらかといえば童顔だが、彼の言葉を信じるなら相手はトレイン以上に年齢から下回った容貌をしている。

 

「俺を知っていて、《朽霞(くちかすみ)》のことを知っているってことは同業者か?」

 

「んなことどうでもいいんだよ! 謝れよコラ! 尊敬すべき年上様に向かってガキ呼ばわりとは礼儀がなってないんじゃないか保護者の教育はどうなんてんだよ! 年上は敬え!」

 

「…………」

 

 余程年下扱いされたのが気に食わないのか癇癪を起した悪ガキのように喚き散らす相手に、トレインは一瞬緊張の糸を緩みかけた。

 

「ごめんなさい。トレインが礼儀がないのはいつもことなの」

 

「え? なんで姫っちが謝るの? 百歩譲ってもそこはスヴェンがいうことじゃねぇの?」

 

「トレイン、今は黙ってくれないか。すまない、連れが失礼した。それで、《朽霞(くちかすみ)》の居場所を案内してくれうのは本当なのか?」

 

「スヴェンまでそんな態度? 不貞腐れるぞ? 猫は気ままだから、機嫌悪くなるとどっかいっちまうよ?」

 

「おう。おっさんの謝罪はいらんが、嬢ちゃんの顔に免じて許す。オレ様は寛大だからな!」

 

「トレインはガキ扱いで、俺はおっさん扱い。お前は何歳なんだよ」

 

「オレの年齢はどうでもいいんだよ」

 

「いや、年上は敬えと言ったのに自分の年齢は言わないのってなんなんだ」

 

 頭を抱えるスヴェンを他所に勝手に話を進める。

 

「で、どうすんだよ? オレの折角の行為を無下にするわけ? こんな機会滅多にないんだぞ?」」

 

「…………どうする? スヴェン、姫っち。あからさまに怪しいし、偉そうでむかつくし、なんなら俺は関わりたくないんだけど」

 

「俺も同感だが調べるにしても足がかりがないしな。なんかの罠かもしれんが、ここは案内されよう」

 

「スヴェンがそういうなら、私も構わない」

 

「よし、決まり! お前たちオレについて来い!」

 

 三人の意思が固まったことを見るや、彼は背を向け歩き出す。

 正直、ここまま別れたいとこだったが、三人は手早く会計を済まし、仕方なしにその背を追った。

 

 

 ●

 

「そもそもだ。隠れ逃げることが大好きな連中が、なんでか一定の場所に留まっているかというと、それに見合うものがあるからだな」

 

 トレイン一行は男の案内で町からしばらく歩いた場所の丘まで来ていた。

 

「ほれ、あそこに建物があるだろ? 一見、単なる辺鄙な一軒家に見えるがその地下には活動中の隠し鉱山があるんだ」

 

 男が指さした先には確かに少し大きめの屋敷があった。

 

「簡単に信じられないが、その話が本当ならばその鉱山で採れる代物はなんだ? 態々、隠してるてことは普通の金や宝石の類じゃないだろ」

 

「それだよ」

 

 訝しむスヴェンの言葉に男は何故かトレインと、正確には彼の胸元を指していた。

 指差されたトレインは何事かと眉間に皺を寄せるが、胸元にある自分の相棒の存在である黒色の装飾銃に気付き、目を大きく見開く。

 

「まさか、オリハルコンか!?」

 

「正解」

 

『!?』

 

 両者の応酬でスヴェンとイヴも驚愕する。

 オリハルコンを独占している組織は一つしかない。

 

「なら、お前は」

 

「おう。無理やり連れてきて悪かったな。人目がないから漸く名乗れるぜ。

 オレ様の名はギド。世界最強の男で《秘密結社(クロノス)》の構成員だ。先輩だぜ、敬えよXIII(サーティン)

 

 




この作品を読んでくれた方々感謝。
セフィリアかなり好きなんですけど、大抵創作で酷い目に合ってるので、こんな幸せもあってもいいのではと書きました。
今回、影しか登場しませんけど。
なんなら、全体的に登場頻度少ないけど。

とりあえず、私の願いは矢吹先生の新連載を機会にBLACKCATを若い世代が知ってくれたら嬉しいです。


しかし、TS主人公とは。
リトさんもしたし、ナノマシンでショタではなく、TSしたトレイン。
うん、酷いことになりそう。

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