Fate/GrandOrder 聖杯に願う物~sarvant IF~ 作:SKーYM
2016年某日
カルデア56番目のマスター 藤丸立香はカルデアのオーナオルガマリー・アニムスフィアのブリーフィングに遅刻し、説教を喰らったあと自室で待機するために廊下を歩いていた。
「まさかあそこまで所長が怒るなんて…社会人って大変なんだなぁ…。」
ブツブツと反省の言葉をこぼしながら歩いていると、やっと自室に着き、ため息を吐いた。
藤丸が扉を開けると薄いオレンジの髪を後ろで束ねている白衣の男性と金髪の青年がケーキを食べていた。
「ん?おや、君は…」
ポニーテールの男性は藤丸に気づくと声をかけてきた。
「えっと俺は藤丸立香と言います。カルデアの一般枠で最後に入ったマスター?だったと思います。」
正直藤丸は魔術師というものがはっきり理解できていない。なにせ藤丸はこの前まで健全な男子高校生だったのだから。
「ああ、君が噂の一般枠マスターか。初めまして私はキリシュタリア・ヴォーダイム。よければ私のことはキリシュタリアと呼んでほしい。」
キリシュタリアの手が差し出され握手を求めるのを理解し、反射的に握手をした。
「…⁉」
とっさに腕を強く握り、藤丸がキリシュタリアの目を凝視した。
「えっと…キリシュタリアさん。大変失礼なことを言ってしまうのですがよろしいでしょうか?」
少し驚いたキリシュタリアだが、藤丸の真剣な目を見て納得したのか、「ああ」と合意する。
「俺は少し人とは違うものがあって、触れた人の未来が少し先まで見えるんです。この力のことはうまく言えないんですが、この際どうでもいいかもしれません。キリシュタリアさん、あなたはもうすぐ死にます。」
死という言葉を聞いたキリシュタリアは困惑し、そのそばにいた白衣の男性も驚いていた。
「…その能力が本物なら具体的な死因はわかるかい?」
冷静になったキリシュタリアからの質問に対し、言葉を選びつつ、見えた現象を説明する。
「まだはっきりとはわかりませんが、人一人分はいる箱のようなものの下に爆弾がありました。その爆弾が爆破し、マスターは全員死んでいるという光景が見えました。そこには人間とも思えない笑顔で見ている帽子をかぶった人が見えています…おそらく先ほどお会いしたレフ教授と思われます。」
藤丸の説明が終わると何かを考えこむようにキリシュタリアは沈黙した。すると横から白衣の男性に補足された。
「キリシュタリア。彼の言っている箱とはおそらくレイシフト用のコフィンだと思われる。そして今日配属された彼はその場所を見ることはできない。あそこは技術者のカードで開くようになっているはずだ。そして彼はそのカードを持っていない、万が一持っていたとしても、それは正式に彼が所持しているわけではないから緊急ブザーが鳴るはずだ。」
なぜ彼がそこまでいして藤丸の話を信じるかは不明だったが、キリシュタリアは納得いったようだ。
「わかった。藤丸君。君の言葉を信じてコフィンをレイシフト前に確認しよう。それでもし爆弾があったのなら君を全面的に協力することを約束しよう。」
キリシュタリアは改めて握手を求めた。今度はしっかりと固く握手をし、彼はマイルームから退出した。
「まったく、もし嘘だったら君は命を取られるだけじゃないというのに…。ああ、そういえば自己紹介をしていなかったね。僕はロマニ・アーキマン。カルデアのドクターをしているんだ。気軽にロマンと呼んでくれ。」
ポニーテールの男性、ロマニ・アーキマンはそのままケーキを食べ続けていた。
「はい、よろしくおねがいします。ドクターロマン…それでなんで僕の部屋でケーキを…?」
「ああ、実は昨日まではここが僕の隠れ家だったのさ、ずっと働き詰めは精神にも身体にも来るからね…できればこのまま君の部屋でさぼらせてくれるとありがたいんだけど…」
「あー、それなら大丈夫ですよ。ただし!仕事はしっかりやってくださいね!おそらくロマンは医療部のトップですよね。人を救うためにもしっかり働いてくれたらいつでも歓迎しますよ!」
ううっ、てきびしいなぁとロマンが不貞腐れるが「もししっかり仕事をしてきたら日本のスイーツをごちそう島ますよ。」と提案すると彼は食いつくように
「精一杯頑張ってさぼるぞ!」とやる気見せた。
いいのかそれで…と思いつつ藤丸はマイルームでロマンとゆっくり語り合い始めた。