No.1
1
今後の為に、研究記録を残すこととする。
目下の目標として、新人類の創造を設定する。
最高等級の素体が三人分、揃っている。
ボクの力は万能、それでも。
本番の為に、備えるに越したことはない。
2
まず最初に、聖女と共に逃げ出さんと足搔く騎士を使う。
生物同士の合成は、彼で既に通過している。
故に、無生物との合成を小目標とする。
3
結論から言えば、失敗した。
想定としては、意思を持つ動く石像だった。
でもこれでは、ただの騎士の石像だ。
三人の中で、最も精神力に期待できた
次の
でも、精神力には不安が残る。
4
何が功を奏したのか不明、でも成功はした。
女神像には、特別な力が宿っているのか。
それとも、彼女の意味不明な狂信故か。
何故、ボクを信仰するのか。
ボクらを殺したくせに。
分からない。
理解、したくない。
5
なんで騎士像も動いているのか分からない。
でも…
ボクの錬金術を昇華させる鍵になるはず。
6
アレらは肉体の変質はしても、精神は彼らのままな気がする。
でも、声帯が無いから確認ができない。
最初の、竜と龍の合成は拒否反応が少ないのは何となく分かる。
生物と屍体、だから精神も彼のままなのも想像できる。
これは生物と無生物の間にも言えるだろう。
だから、たぶんアレらはほとんど彼らのままであるはずだけど。
断定ができないなら、もう少し試すしかない。
7
何がボクをボク足らしめるのか。
何が自分を自分と定義するのか。
竜の彼は力強く、自己を肯定する様が想像できる。
でも、その自信の出処が不明だ。
アレらには確かに彼らの名残を感じられる。
でも、それだけだ。
次の
意志薄弱、ボクを見る度に恐怖で体を震わせる様は、ただボクを落胆させるだけだ。
だから、初めからこうすれば良かったんだ。
8
本来は、ボクの肉体の耐用年数限界が来た時の為の手段だった。
ボクの万能なら、肉体の複製くらいは訳ない。
でも、魂だけはどうしても想像できなかった。
だったら、この身で感じればいい。
次の体への精神の移譲。
いずれ経験すること。
なら、今でも変わらないんだから。
泣き声が煩い。
最初に殺した時は、あんなにも憎悪に満ちた目をしていたくせに。
またボクを殺すくらいが、なんだというんだろう。
熱いのに、寒い。
早くしてくれないと、指示の前に死んでしまうよ。
まぁ別に、説明書は残してるけどさ。
ボクを殺したら、死体でスープを作って、複製体を投入しておいてね。
ダメだ、あたまがまわらなくていみのあることかきのこせな
9
無事、成功といったところか。
再稼働時間は一ヵ月くらい。
途中で放り出すかと思ってたけど、案外魔女は働いてた。
別にお前がいなくても困らないけど。
隈のひどい目で上目遣いに見つめられても、怖いだけなんだけど。
じゃあ、次は魂の分割実験ね。
ほんとにうっさいなぁ。
別に手順はほとんど変わらないんだから喚くなよ。
複製体は二つね。
分かった?
10
何あれ、気持ち悪。
ボクが二人いるのも、気持ち悪いし。
なんか言動が幼くて見た目との差異で気持ち悪いし。
あのボクに対する魔女が本当になんか、こう…きっしょ。
でも確かに、小さな頃のボクを思い出せない気はする。
まぁ、成功だけど失敗かな。
それ殺して、瓶に詰めといてね。
うっさ。
11
うん、まぁ、考え直した。
よく考えて、丁度良いと思った。
あっちを遺せばいいよね。
だから研究を全部引き継がせて、ボクはボクで掃除しないとね。
十年育てたら、追い出せばいいや。