神器絶焼ギルティギア   作:ジャンクヤード犬

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2020/06/25 挿絵を追加しました。


Prologue 「Ready or not」<!>

 

 

 ──壊れていく、壊されていく。日常が、平穏が、当たり前に傍にあったナニカが。

 

 

 

 

 

 

 今日はツヴァイウィングのライブの日、親友(みく)に誘われたからって名前くらいしか知らないアーティストのライブに参加するなんていう、中々勇気の要るコトをした私。

 ……なのに、肝心の未来(みく)本人が来れなくなってしまうなんて、そんなのってないよぉ!?

 私って呪われてるかも……なーんて、ライブが始まるまでしょんぼりとしていた私だったけど、一曲目が始まった途端、少し暗くなっていた気持ちなんて易々と吹き飛ばされてしまった! 

 

 本当に衝撃的だった! 心の底から感動した! すごい、すごい! こんな光景が見られるなんて! この輝きは舞台装置のライトじゃない! ここに居る人が、空気が、全部全部輝いて見える!! 

 

 

 ──なのに。

 

 

 目の前に広がるのは突然現れた大多数の特異災害・ノイズによる惨劇、出現位置に近かった観客達は既にノイズの炭素化能力で炭に変えられてしまった。尚もノイズの進行は止まらず、逃げ遅れた人々の命を次々と奪っていく。

 

 

 ──どうして。

 

 

 呆然と上層の観客席で立ち尽くしていた私は、気が付いた時には客席の崩落に巻き込まれて下の階層に落ちてしまっていた。どうしよう、逃げなきゃ、と焦る心とは裏腹に、落下の際に痛めた足と恐怖で震える体が、私をその場から逃がしてくれない。

 

 

 ──こわい。

 

 

 遠くに見えるノイズの大群が、どんどんこちらに近づいてくるのが見える、このままじゃ、死んじゃう……ただ、私が動けなかったのは怖くて動けなかったからだけじゃない、混乱していたんだ。

 だって私の視線の先では、人にとって絶対の天敵である筈の、とにかく逃げる事以外何も出来ない筈のノイズを相手に、必死になって戦っているツヴァイウィングの2人の姿があったのだから。

 

 

 ──にげなきゃ。

 

 

 ツヴァイウィングの天羽 奏さんの「駆け出せ!!」という叫びが聞こえた、我に返った私は、痛む足を引きずって出口へと動き出した、そうだ、逃げなきゃ、早くここから──

 

 

 ──あ、れ? 

 

 

 どうして、わたしは、たおれているんだろう、あたまがまわらない、むねがやけるようにいたい、かなでさんが、なにかいっている……

 

 

 

 

「……生きるのを諦めるなッ!!」

 

 

 

 

 そうだ、私は死にたくない、こんな所で、死にたくない。上手く体は動かせないけど、それでも目だけは、しっかり前を。

 

 そんな私の目には、奏さんの何かを決意したような、そんな表情が見えた。なんで、なんでそんな顔をしたんですか……?

 

 どんどん離れて行く背中が見える、物理的な距離だけじゃない、それ以上に奏さんが遠くなっていくように見える、ダメ、ダメだよ、アナタこそ、生きるのを諦めないで……! 

 

 動かない体、伸ばすことさえ出来ない腕、朦朧としている筈なのに妙にはっきりとした思考、何もかもがもどかしい、誰か、誰か──

 

 

 

 ──奏さんを助けて……ッ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――……サーベイジッ! フレイムッッ!!!」

 

 

 

 それは、本当に突然だった。遠くに見える大きなノイズが爆発したんだ。そして爆発から秒にも満たない時間遅れて聞こえてくるのは大音響の爆発音、そして猛烈な爆風が瓦礫に寄りかかった私の体に押し寄せてくる。

 

 そんな中、あまりの爆風で踏み止まろうとしながらも滑る様に後退した奏さんの背中は、距離以上にずっと近づいた(もどってきた)ような気がして。

 

 

 

 

 

 

「……ったく、ガキが死に急いでんじゃねえ」

「な……!?」

 

 ここから奏さんの立っている位置よりずっと向こうに、3人の人影が見える、その真ん中に立っている男の人の言葉が、奏さんの驚く声が、妙にはっきりと耳に届いた。

 

「そうそう、命は投げ捨てるものではない、ってね?」

「それ、ただ言いたかっただけですよね?」

「……あは、バレた?」

 

 彼から少し離れた両隣に居る女の子達の妙に明るいやりとりが、空気を少し緩ませた。なんだか男の人から呆れ果てたような気配を感じる。

 

「お前ら、馬鹿やってんじゃねえぞ……さて、始めるか」

「「了解!」」

 

「おい待てっ、アンタらは一体……ッ!?」

「テメェはソイツとテメェの相方を連れて早く逃げろ」

「……ハァッ!? 馬鹿言ってんじゃないよ!? ……って、翼っ!?」

 

 奏さんが男の人の有無を言わさない言動に反論しようとするも、遠くでノイズと戦っていた筈の翼さんが、奏さんの視線から数メートル先の地点に倒れているのに気付いた。

 慌てて駆け寄る奏さん、先ほどの爆発を至近距離で受けた影響なのか、体が煤けて見える。奏さんが色々と確認をして、翼さんが気絶しているだけだと気付いてホッと息を吐いた。

 

「良かった、気を失ってるだけか……って待て待て、アンタらどうやってノイズと戦おうって……」

 

 

 

「タイランッ!! レイブッ!!」

 

 

 

「……なっ!?」

 

 男の人が腕を振りぬくと、爆炎が上がった、ノイズが現れた時の爆発とも違う、燃える物なんて無い筈の場所から、凄まじい爆炎が突き抜けて行ったのが見えた。

 

 ……同時に、その爆炎で蹴散らされていくノイズの姿も。

 

「嘘だろ…………シンフォギアも無しにどうやって……!?」

 

 翼さんを横抱きにして呆然とする奏さんを尻目に、どんどん進んで行く男女3人組、どこから出したのか、3人とも銃や剣といった武器を構えていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ──あぁ、もう大丈夫だ。

 

 

 何故かそう思えた、不思議と安心して見ていられた、相手はノイズなのに、あの人たちが負ける所が全く想像出来なかった。

 

 

 ──これが、私とあの人たちとの出会い、深く深く心の奥に刻まれた記憶。

 

 

 

「さあ、ノイズ共……──」

 

 

 

 ──あの日、あそこで見た焔の色を。

 

 

 

「──覚悟は出来てんだろうな?」

 

 

 

 ──私、立花 響は、一生忘れる事はないだろう。




歌よりも熱いナニカが胸に刻まれたビッキー。


Q.どうやってシンフォギア無しでノイズを攻撃してるの?
A.魔法科学論・法力のおかげ。対象のノイズの座標を基準に法術で攻撃の発動する座標を弄ってる、つまり次元を跨いで直接ノイズを殴ってる。

Q.今回使った技は?
A.サーベイジフレイムはイスカのボスソルの技。サーベイジファングの上位互換。おなじみタイランレイブはXX以降のアレ、ただし得物でブーストかけてXrdのドライン版状態。
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